第1話
学習塾で講師をする潮ゆくえは幼い頃から二人組を作ることが苦手だった。しかし、ゆくえには学生時代から気を許せる赤田鼓太郎(仲野太賀)という唯一無二の男友達がいる。出版社に勤める春木椿は、結婚を間近に控えていた。子供の頃から二人組になれなかった椿だが、妻というパートナーを得ようとしていた。深雪夜々は美容院で働く美容師。1対1で人と向き合うことに怖さを感じている。佐藤紅葉は、コンビニで働きながらイラストレーターを夢見ていた。紅葉は小さい時から1対1で自分に向き合ってくれる人がいないという思いを抱えている。ゆくえはいつものように赤田とカラオケで会っていたが、普段と違っていたのは、赤田が結婚すると告げたこと。数日後、赤田の結婚相手がゆくえという女友達の存在を快く思わなかったため、ゆくえは赤田から突然の別れを告げられる。椿は恋人・小岩井純恋(臼田あさみ)と新居の家具選びなどを楽しんでいた。しかし、椿は純恋を彼女の男友達に持っていかれてしまい、結婚は白紙に。夜々は美容師の同僚と2人で飲みに行くのだが、友達以上の関係を迫られ、なぜ普通の友達でいられないのかと辟易。そんなある日、紅葉はとある住宅を訪ねるが、紅葉が訪ねた人はすでに引っ越していた。そしてその家には、純恋と暮らすはずだった椿が住んでいた。そこに、ゆくえと夜々も訪れ、年齢も性別も過ごしてきた環境も異なる4人の男女が顔を合わせ・・・。
第2話
ゆくえは、小学校の同窓会に参加した当時仲の良かった友人の結婚式に自分だけ呼ばれていなかったことを知る。その後、実家に帰省したゆくえは母のみきこ(神野三鈴)から、同窓会でどうせ愛想笑いをしていただけだろうと言われ、更に人間に一番必要なのは社交性や愛嬌、気配りだと言われるが・・・。紅葉は、コンビニのバイトが終わり帰ろうとすると、バイト仲間たちが自分のイラストを褒めておけばシフトを代わってくれると話しているのを聞いてしまう。椿は、実家に帰宅する。そして母の鈴子(美保純)は、新居での生活を尋ねるが、椿は結婚はしないと告げる。夜々は、友人の結婚式に参加し、新婦の両親への手紙に涙ぐむが、その帰り道、友人たちに感動している演技が上手いと言われてしまう・・・。夜々がアパートに帰ると相良大貴が待っていた。恋人ではなく「友達からで良い」と言う相良に、夜々はなぜ友達の方が格下のような言い方なのかと告げて逃げる。そして夜々が公園に入るとそこには、紅葉がいた・・・。
第3話
春木椿の元婚約者・小岩井純恋が、残したままにしていた自分の荷物を取りにやってきた。椿は、荷物を送るなど気を利かせてあげられなかったと謝るが、「ごめん以外に言いたいことないの?」と問いかける純恋はそのまま家の鍵を返して帰っていく。バイトを終えた佐藤紅葉は、忘れ物を取りにいくことを理由に、椿の家を訪れるが、椿はまだ帰宅していなかった。椿に会いたかった紅葉は、スマホで連絡をしようとするが、連絡先を交換していなかったことに気付く。深雪夜々は、常連の女性客がこれから女友達とご飯に行くという話を聞く。少しうらやましくなった夜々は、自分のスマホに入っている連絡先を見るも、紅葉同様に、会いたいと思った相手の連絡先を聞いていなかった。潮ゆくえは、仕事の休憩中に紅葉に椿と夜々の連絡先を知っているか聞こうとするが、何と送って良いか悩んでいた。するとその時、小野寺学から、ゆくえに来客があると聞かされて・・・。
第4話
深雪夜々のアパートに母の沙夜子が突然やって来た。何か用事があったのか問いかける夜々だが、沙夜子は「夜々に会いにくるって用事」とだけ答える。更に夜々が着ているTシャツを見た沙夜子は「もっとかわいいの着なよ!」と言う。春木椿は駅へと向かう途中、ゴミ置き場の瓶に椿が小岩井純恋に渡した花が生けてあるのに気づく。花に手を合わせて去ろうとすると、近所の住人に呼び止められ、今日は燃えるゴミの日ではないと注意された椿は、仕方なく職場へ持って行くことに。佐藤紅葉は、イラストの装丁の打ち合わせのため出版社を訪れていた。編集者との打ち合わせを終えてエレベーターに乗ろうとすると、そこには椿の姿が・・・。紅葉が訪れていたのは椿が勤める出版社で・・・。その頃、美容院で休憩をしていた夜々のスマホに沙夜子から「お夕飯なにがいい?」と連絡がある。予定はなかったものの「友達と約束している」と夜々が返すと、沙夜子は誰だと詮索してくる。困っている夜々に、潮ゆくえから「今夜ヒマだったりする・・・?」と連絡が入り・・・。
第5話
朝、佐藤紅葉が目を覚ますと、そこは春木椿の家だった。前の晩、急に椿の家にやって来て、二人で酒を飲んだあと、そのまま寝てしまったのだ。昨夜のことをあまり覚えておらず恐縮する紅葉だったが、椿は朝食などを準備して、コンビニのバイトへと送り出す。そんな紅葉のスマホに、突然高校時代の友人・伊田幸徳からナンパに行こうと連絡が入り・・・。深雪夜々は紅葉に呼び出されて会うことになる。紅葉は、急に呼び出したことを謝るが、夜々は「暇してたんで」と答えつつ、何かあったのかを尋ねる。そして、夜々は不意に、潮ゆくえのことが好きかと紅葉に問いかける。紅葉は、突然の質問に驚き、更に夜々がゆくえの家に泊まったことを知る。その頃、ゆくえはアパートで妹のこのみと話をしていた。このみは、夜々がまた泊まりに来るかと尋ねると、ゆくえは聞いておくと返す。その時、ゆくえは手を滑らせて自分のマグカップを落として割ってしまい・・・。
第6話
ゆくえ、夜々、紅葉が、椿の家リビングを掃除していると、キッチンで洗い物を終えた椿が「ゴミ袋の袋、ゴミ袋にしたの誰?」と言い始める。どうやらゴミ箱にゴミ袋を包んでいる袋がセットされているのが気になるらしい。サイズが小さい袋をセットしたことに、椿とゆくえがわいわいと言い合っていると、それを見ていた夜々と紅葉は目が合って、お互いの思っていることを理解したようで・・・。別の日、1人暮らし向けの物件情報を見ていた椿がリビングでくつろいでいる、ゆくえ、夜々、紅葉に、この家にいるのも飽きるだろうと切り出す。しかし、3人ははそれぞれに居心地の良さを口にして、なかなか椿の思いが伝わらない・・・。そこで椿は4人でバーベキューでもしないかなどと提案するが、ゆくえたちは家から離れたくないようでトランプを始めようとする。椿は3人にそんなにゲームがしたいならゲームセンターに行こうと提案すると・・・。後日、椿の家に思わぬ人が訪れる・・・。
第7話
椿の家で、ゆくえ、夜々、紅葉は、自炊した鍋を楽しもうとしていると、椿が突然「引っ越すことにしました」と切り出す。ゆくえが、家を売りに出しているのか尋ねると、椿は前にこの家に住んでいた人が買い戻したいと言っていると不動産屋から聞かされたと話す。「なんか、わがままですね」と、思わず口にしてしまうゆくえに対し、椿は想定外に一人になってしまったのでちょうどいいと思ったと説明するが、この決断に夜々も納得がいかない。ゆくえは自宅アパートに帰り、妹のこのみに椿の家での出来事を話すと、このみは「なんでお花屋さんが引っ越すだけでそんなギスギスするの?」と不思議そう・・・。ゆくえは、この4人だから、あの場所が良いということもあると言うのだが・・・。
第8話
ゆくえ、夜々、紅葉が集まる椿の家に以前住んでいた人の名前が志木美鳥だと判った。みんなが美鳥という知り合いがいるという話になるが、名字が違っていたり、印象が違うなど、それぞれの想像した人物像が重ならない。本人に直接確かめてみようと、唯一連絡先を知っているゆくえが連絡をしたが、美鳥は電話に出なかった。そこで「春木椿、深雪夜々、佐藤紅葉、この人たち知ってる?」とLINEでメッセージを残す。春木家からの帰り道、ゆくえのスマホに美鳥から着信が・・・。紅葉、夜々、椿は、それぞれの方法で調べてみるが・・・。
第9話
椿の家にやってきた紅葉は、自分がイラストが表紙を飾る小説を椿に渡そうと声を掛けると、椿は大きなダンボール箱を開けていた。「荷造りですか?」と紅葉が聞くと、椿はニコニコしながら箱の中を紅葉に見せる。そこには、紅葉のイラストが表紙を飾る本が大量に詰まっていて、椿は全部自腹で買ったと嬉しそう。そして、そこにやって来たゆくえと夜々に、椿は本を渡そうとするのだが、2人ともすでに買ったと、嬉しそうに断る。ゆくえ、椿、夜々は紅葉を褒めて、一緒に読もうと誘うも、紅葉は照れて2階に上がってしまう。紅葉がいなくなったことを確認した椿は、ゆくえに、紅葉は志木美鳥と2人で会えたのか聞くと、ゆくえは約束はしたみたいだけど、2人はまだ会えていないようだと答えた。ある日、ゆくえは、美鳥と会うことになり、ファミレスで食事をしながら、美鳥が東京に戻ることになった経緯を聞かされる。すると、美鳥は突然「こっちいるうちに、会いたい人いて」と言い出し・・・。
第10話
美鳥はゆくえ、椿、夜々、紅葉と一緒に、椿の家で食事をした翌日、北海道へ戻るために空港にやって来た。見送りに来たゆくえに、5人で会ったのは楽しかったが、「5人は、違うのかも」と話し4人の仲の良さを感じたことを伝えた。その夜、春木家にいつものように4人が集まり、ゆくえはそれぞれに美鳥からの伝言を預かったと切り出し、報告し始める。一通り伝え終わると夜々と紅葉はそれぞれリビングを出ていく。それを確認したゆくえは椿に「そこの公園、桜が咲くから春まで住んでみて欲しかった」と美鳥に言われたことを話した。夜々と紅葉が聞いたら「じゃあ、春まで」と言い出しかねないので、2人の前では言わなかったのだ。ある日、夜々と紅葉は美鳥のことなどを話しながら居酒屋で飲んでいると、近くの席で飲んでいた紅葉のバイト先の同僚、園田と松井に声をかけられる。園田たちは、夜々を紅葉の恋人と勘違いしてからかい始めると、夜々が応酬し始めて・・・。
第11話 最終回
ゆくえが「ちょっと住みたいです」と提案したことで、4人は、椿の家にしばらく住むことにする。ゆくえと夜々は同じ部屋で、椿はリビングのソファで寝ることに。翌朝、目を覚ました夜々が出勤しようとすると、そのタイミングで深夜バイトを終えた紅葉が「ただいま」と帰ってきた。そして「いってらっしゃーい」と夜々を見送った紅葉がリビングに行くと、ゆくえと椿はのんびりとコーヒーを飲んでいた。それを見た紅葉は思わず「夫婦みたいだね」と笑ってしまう・・・。その夜、ゆくえ、椿、紅葉がカレーを作っていると、そこに夜々がやってくる。夜々のTシャツを見た紅葉が、Tシャツに描かれたイラストは自分の作品だと言う。しかし、夜々はネットで買ったと言い、どうやら紅葉のイラストが盗用されたらしい。3人と知り合う前に買ったと話す夜々に、紅葉は友達だからという理由じゃないなら「むしろ嬉しい」と言って、結局、4人で仲良くカレーを作ることに・・・。4人は、出来上がったカレーを食べ始めるが、どう考えても多く作りすぎたため、誰かを呼ぼうということになる。椿は弟の楓を、ゆくえは妹のこのみを呼ぶことにするのだが、この2人を呼んだことで意外な展開に・・・。
(フジテレビ「いちばんすきな花」より)
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