「私、失敗しないので」
群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけを武器に突き進むフリーランスの外科医・大門未知子(米倉涼子)。
100年に1度のパンデミックによって世界中で医療崩壊が起こる中、日本最高峰の東帝大学病院は今や感染治療と内科を最優先し、不要不急の外科手術は延期することになり、花形だった外科は別棟の分院へ追いやられていた。
そんな東帝大学病院に舞い戻った大門未知子は、まるで戦場のような医療現場で確実に目の前の命を救うべくまい進するのだが・・・。
第1話
ニュージーランドで副首相のオペを成功させ、日本へ帰国したフリーランスの天才外科医・大門未知子(米倉涼子)は、参議院議員・一橋由華が主催する「次世代のSDGsパーティー」に招かれる。由華はニュージーランド副首相オペで未知子の第一助手を務めた一木蛍(岡田将生)の勧めで、胆石症のオペを未知子に頼もうとしていたのだ。その矢先、パーティー会場内で由華が急性胆のう炎を発症して倒れ、東帝大学病院に搬送される。一刻を争うと判断し、緊急オペを断行しようとする未知子・・・。
第2話
院長代理で内科部長の蜂須賀隆太郎の独断で、東帝大学病院に雇われることになった未知子は、ワクチンも特効薬もない感染症にかかった患者を命がけで救った末、自らも感染。なんとか一命を取り留め、ハードなリハビリで自分を追い込んでいた。そんな中、蜂須賀がアメリカ仕込みのスーパー脳外科医・興梠広を東帝大学病院に招聘した。一方、外科分院長・蛭間重勝は、気晴らしのために、外科医・加地秀樹と海老名敬を連れて銀座のクラブへ。そこで蛭間はママの二木麻也子が不意によろけるのを目撃!長年懇意にしてきた彼女のため、すぐさま東帝大学病院の特別室を空けさせ、検査入院の手配を整える。
第3話
東帝大学病院の広報室長・三国蝶子と厚生労働事務次官・神部八尋が高級レストランから出てきたところを、写真週刊誌が激写し、科研費をめぐる接待疑惑として報じた!この会食は、内科部長・蜂須賀隆太郎が、科研費の増額を便宜してもらうためにセッティングしたものだが、黒い噂が世間に流れただけでも、厚労省と東帝大学病院にとっては大きな痛手だ。蜂須賀は蝶子を呼びつけ、事が大きくなる前に収拾するよう命じる。その矢先、記者に囲まれた蝶子が突然倒れた!偶然通りかかった大門未知子は蝶子を処置室に運ぼうとするが、内科副部長・鍬形忠は「治療は内科であたる」と宣言。検査の結果は、蝶子はストレス心筋症を患っていることが判明する。
第4話
人気ミュージカル女優・四季唯花は、パンデミックの影響で舞台がすべて中止になっていたが、苦境の時期を経て、世界的大舞台で主演が決まった。しかし公演を目前に重度の甲状腺がんを患い東帝大学病院に極秘入院した!内科部長・蜂須賀隆太郎は内科主導の切らない手術・ケミカルサージェリーで治療することを決定するが、何としても外科で囲い込もうと躍起になった海老名は・・・。蜂須賀はある究極の条件を海老名に提示した上で、外科に唯花へのアプローチを許可。そしてどの治療法を選ぶかは、唯花本人に託される。唯花は、外科手術だと復帰に時間がかかることや、人目につきやすい首に傷が残ることを恐れ、外科手術を拒絶。焦った海老名は、大門未知子なら完璧な手術ができると進言する。
第5話
「東帝大学病院」では内科と外科を統一した「メディカルソリューション本部」を立ち上げ、医療体制を一新した。蜂須賀隆太郎は本部長に就任し、内科治療の優先ならびに外科手術は興梠広を中心に行うことを宣言する。そんな中、愛想は悪いが腕は超一流のフリーランス看護師・那須田灯が雇われることになった。灯は早速、興梠が執刀医を務める患者の直腸がん手術で、オペ看を担当。興梠の指示を待つことなく、次々と的確な器械を差し出す。ところが、そんな灯に憤慨した興梠はオペ看をチェンジするよう要求。応対した看護師・大間正子は、慌てて手術室へ向かい、やがて手術は終了する。ところが翌日、激しい腹痛を訴え、再手術が必要な状態に陥った!
第6話
中国でトップを誇るITグループ会長の御曹司・王弥六が、小児肝腫瘍の手術を受けるために「東帝大学病院」に入院した。大門未知子と加地秀樹は、さっそく執刀医に立候補するが、院長代理の蛭間重勝は却下し、すでに決まっているという執刀医・原守を紹介する。なんでも「神原名医紹介所」の所長・神原晶が、弥六と原をセットで「東帝大学病院」に斡旋したのだという。原はかつて「東帝大学病院」をクビになった後、フリーランスに転向し、中国の病院で働いていたが、晶にスカウトされて「名医紹介所」に所属することになった!未知子は、師匠である晶が自分に内緒で原をスカウトし、執刀医として売り込んだことに憤慨する。
第7話
「東帝大学病院」を強化するため「メディカルソリューション本部」の本部長・蜂須賀隆太郎、以前「東帝大学病院」にいた外科医・森本光を呼び寄せた。大門未知子に憧れるも、腕も自信も及ばず、頼りない男だった森本だが、ある事情から配信し始めた動画がバズり、若手医師たちのカリスマ的存在に!インフルエンサーとして大きな影響力を手にした森本は、威風堂々と凱旋。尊敬する未知子に対しても、「これからの医者の武器はメスじゃない。影響力だ」と大口を叩く。そんな中、未知子がたまたま入った定食屋の店主・七宮安江の体調に問題があることを察知する。
第8話
東帝大学病院のメディカルソリューション本部長・蜂須賀隆太郎は、「感染研究センター」設立プロジェクトを成功させるため、厚生労働事務次官・神部八尋と裏で手を組み助成金の継続を含め、全面的なバックアップの約束を取り付ける。そんな中、内科主導のケミカルサージェリーを希望する重篤ながん患者・八神さつきが、「東帝大学病院」に入院してくる。さつきは、フリーランス麻酔科医・城之内博美の高校時代の同級生で、博美は「なぜ今まで放っておいたのか」と問い詰める。さつきは「いくつもの病院で手術適応外だ」と言われ、自らの命をあきらめていたことを告白。しかし、ケミカルサージェリーを受ければ治るかもしれない・・・一人息子・八神祐希から、治療を受けてほしいと懇願され、入院を決意したのだという。
第9話
「感染研究センター」の完成を控え「東帝大学病院」のメディカルソリューション本部長・蜂須賀は、未知子を誘い、鮨屋「十兵衛」へ。その後、未知子を店から見送った直後、蜂須賀の顔色が変わる。そして蜂須賀は組織の腐敗をも防ぐため、強硬手段に出る。なんと院長代理の蛭間から権力を剥奪すべく、アメリカにいる病院長と秘密裏に協議。病院長以外の役員の任期を1期1年に制限すると決定した!蛭間は、素直に引き下がるわけもなく、具合が悪いと言って来院した妻・蛭間華子のこともぞんざいに扱い、反撃の策を練ることだけに集中する。ところが、帰宅しようとする華子と出くわした未知子は、即座に異変を察知し、検査をした結果、重度のがんを患っていることが判明する!
最終話
蜂須賀隆太郎念願の「感染研究センター」を「東帝大学病院」内に設立することになった。ところが、蜂須賀は自らが推進してきたケミカルサージェリーも功を奏しなかったほどの重度のがんを患っていた!しかもその病状は、天才外科医・大門未知子ですら厳しい手術になると予感するが、未知子は、100%の成功を誓う。ところがその矢先「感染研究センター」を蜂須賀自らが緊急封鎖する事態が起こった。同センターを見学した海外の感染症研究所所長が帰国直後、猛威を振るい始めた新型ウィルスに感染してしまったのだ。そして「東帝大学病院」内からも、日本国内初の感染者が一人出た可能性が浮上したのだ!蜂須賀は院職員を避難させ、自らは閉鎖した「感染研究センター」の中に残留。リモートで国民の不安を煽らないよう患者の容態を報告しながら「感染拡大は必ず食い止める」と呼びかける。
(テレビ朝日、木曜ドラマ「ドクターX 外科医・大門未知子 7」より)
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