「ひとりで生きられるけど、ひとりで生きたいわけじゃない」
大豆田とわ子(松たか子)はこれまでの人生で三度結婚し、三度離婚している。
人間的に問題がないとは言わないけど、問題のない人間なんているのだろうか。
結婚は一人で出来るものではなく、二人でするもので、離婚も同じだ。
協力者あってのバツ3なのだ。
そして今も、三人の元夫たちに振り回されている。
第1話
大豆田とわ子は、建設会社「しろくまハウジング」の社長に就任し、最初の夫・田中八作(松田龍平)との間に生まれた中学3年生の娘・唄(豊嶋花)と暮らしている。ある日、亡くなった母親のパソコンを開こうとしたが、パスワードが設定されていることに気付く。どうやら、別れた夫のうちの誰かが設定したらしい。元夫のうち、今でも定期的に顔を合わせるのは、とわ子の会社の顧問弁護士で、3番目の夫・中村慎森(岡田将生)。2番目の夫はファッションカメラマンの佐藤鹿太郎(角田晃広)。そして最初の夫である八作は、レストラン「オペレッタ」のオーナー兼ギャルソンになっていた。とわ子は、一人ずつ元夫のもとを訪ねていくことにする。とわ子のパスワード確認がきっかけとなり、互いに接点を持つことになる元夫たち。さらに、ひょんなことから集まった3人がとわ子をめぐって話し合いを始める・・・。
第2話
ある日、八作のレストランで慎森と鹿太郎が出くわしたところに、偶然とわ子と唄もやってくる。唄の思いつきにより、とわ子の部屋に元夫たちを招いて、こだわりの食材や道具を持ち寄り、5人ですき焼きパーティーを開催することに。しかし、どういうわけか、唄や元夫たちの目の前でとわ子はパトカーに乗せられ、警察に連れて行かれる羽目に・・・!突然の出来事にあっけに取られる慎森・・・。とわ子にいったい何が・・・?
第3話
とわ子の部下が大学の図書館の設計した。とわ子は、その素晴らしいセンスに感動を覚えるが、採算度外視のプランを採用するわけにはいかず、不採用にする。苦渋の決断だったが、一部の社員から不満の声があがり、とわ子を悩ませる。その頃、鹿太郎は、部屋に飾ってあったとわ子の写真についてアシスタントに聞かれ、出会いからプロポーズまでの思い出を語る。そして離婚してもなお、とわ子に未練があるであった。一方、自分に好意を寄せてくれている美怜の存在も気になる・・・。鹿太郎は新しい恋をするべきか、八作と慎森に相談するが、それぞれ早良や翼のことが気にかかり、相手にされない。
第4話
とわ子の親友・かごめが、オーケストラ指揮者の五条から食事に誘われる。五条がかごめに好意を抱いていることを確信したとわ子は、面倒くさがるかごめの背中を押す。しかし、当のかごめは最近何か隠し事がある様子。そんな中、とわ子は、偶然かごめのある過去を知ってしまう。その頃、八作は、親友の俊朗の恋人・早良からの猛烈なアプローチを受けていた。そして早良の浮気を疑い始めた俊朗から3人での食事に誘われた八作は、つくづく自分のモテ体質が嫌になる。八作はなんとか早良に嫌われようと試みるが、早良の行動はより大胆になっていき・・・。
第5話
しろくまハウジングでは、イベント会社からアートイベントの仕事が入り、華やかな仕事に社内は盛り上がっていた。イベント会社の社長・門谷は、とわ子と同じ「バツ3」で、互いの離婚歴や結婚観で意気投合し、プロポーズをされて大きく動揺する。その晩、唄からそのことを聞いた八作、鹿太郎、慎森は、とわ子のマンションへ。四度目の結婚を阻止すべく、タッグを組んで必死の説得を試みる鹿太郎と慎森を横目に、八作はとわ子にあるプレゼントを渡す。このプレゼントがきっかけで、とわ子は八作が心に秘めていた思いを知ることになり・・・。
第6話
誕生日当日の夜、とわ子は取引先の説得に向かったのだが連絡が途絶えた。とわ子の誕生日を祝うため、オペレッタに集まっていた元夫の3人はとわ子の身を案じるが、そこへ早良、美怜、翼が偶然来店し、合コンのような飲み会が始まる。更に、元義父の旺介から半ば強引に呼び出された八作たちは、とわ子のマンションへ。早々に酔いつぶれて寝てしまった旺介をよそに、とわ子のいないとわ子の部屋で、なぜかギョーザを作ることになった。女性陣はその傍らで、それぞれの恋愛の愚痴で意気投合する。
第7話
かごめの一件から1年、娘の唄が高校に通学しやすい旺介の家に引っ越したため、とわ子は一人で暮らし始めていた。生活を楽しもうと試行錯誤するとわ子は、ある日、公園で謎の男と出会う。そんな中、しろくまハウジングのオーナーが外資系ファンドに会社の株を売却しようとしていることを聞かされる。会社が外資の傘下になって利益重視の経営に変わると、人員整理が行われるかもしれない。職人気質の社員たちを守るためにどうすればいいのか?悩むとわ子を心配し、慎森、鹿太郎がとわ子のマンションを訪れる。後日、唄への届け物のために外出したとわ子は謎の男と偶然再会する。
第8話
しろくまハウジングが外資系ファンド・マディソンパートナーズに買収されてしまった。更にその責任者が、最近親しくなったばかりの大史(謎の男)だと分かる。ところが大史は、社長のとわ子に退任要求を突きつける一方で、ビジネスとプライベートは別で、今までと変わらず親しくしたいという。とわ子もまた、大史と過ごした時間を忘れられず、大史の申し出を受けることに・・・。そんな元妻の恋心を察した慎森は、鹿太郎と2人でとわ子のマンションへ。「好きな人、できた?」という直球質問にとわ子は・・・。
第9話
とわ子と大史は仕事上の敵でありながら心を通わせる・・・。ところが大史は、かねてから誘われていたマレーシアの会社に転職することを決断。さらに、現地では建築士の仕事も見込めるとして「人生を一緒に生きるパートナーになってくれませんか」と、とわ子にプロポーズ。八作はそのことを唄から聞き「取り乱すから」と慎森には内緒にしておくよう伝えるが、運悪くそこへ慎森が現れる。その後、バッティングセンターで大史と待ち合わせていたとわ子の元に、なぜか八作、慎森が・・・。慎森いわく、八作がプロボウラーと結婚することになったと。
最終話
とわ子は、考えた抜いた末、四度目の結婚には踏み切らず、一人で生きていく道を選んだ。しろくまハウジングも平穏な日常を取り戻し、八作や鹿太郎、慎森ら3人の元夫との関係は相変わらず・・・。ある日、とわ子はオペレッタで、初恋の相手・甘勝岳人と偶然再会する。鹿太郎は、親しげに思い出話をする甘勝に嫉妬し、感情を共有するために慎森に電話をかけるが・・・。それからしばらくして、とわ子は亡くなった母の荷物を偶然見つけ、中から旺介と離婚する前に母が書いた一通の手紙が出てくる。とわ子は少し動揺するが、同時にこの手紙を出せなかった理由を考えると複雑な気持ちになる。すると、唄も手紙に気付き、送り先の人物に会いに行こうと提案する。
(関西テレビ「大豆田とわ子と三人の元夫」より)
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