桐沢祥吾(木村拓哉)は高校時代にボクシングで4冠を達成した。
ところが、祥吾の人生が輝いていたのはごく一時期で、大学時代にある理由でボクシングを断念した。
その後も最愛の妻を亡くした上、さらなる不運に見舞われ、今では生きる希望を喪失している男。
そんな男の人生は、母校・松葉台高校のボクシング部コーチとなったことで徐々に熱を取り戻し、人生の歯車が動き出す・・・!
当初はコーチとしてボクシング部に戻ることに、全く乗り気ではなかった。
しかし、自分を心配する親友・甲斐誠一郎(安田顕)や恩師・芦屋賢三(柄本明)から背中を押され、コーチを引き受けた。
汗まみれになってサンドバッグを打つ高校生たちを目の当たりにするうち、自分自身の中にも少しずつ熱いものが甦ってくるのを実感!
高校生たちと真剣に向き合い、ぶつかり、共に悩み、鼓舞し合う桐沢。
迷える若者たちを変えていくと同時に、自分自身も変化を遂げ、新たな未来に向けて走り出す。
第1話
高校時代にボクシングで4冠を達成した桐沢祥吾は、度重なる不運に見舞われ、今はピザ配達のアルバイトで食いつなぐ日々を過ごしていた。かつて桐沢と共にボクシング部で汗を流した親友・甲斐誠一郎は、なんとか元気づけようと、元監督・芦屋賢三に相談し、桐沢を母校・松葉台高校ボクシング部の監督に抜擢しようとする。桐沢本人は後ろ向きだったが、恩師の芦屋から土下座までされ、むげに断ることができず、臨時コーチとして母校に舞い戻る。芦屋が監督を退いてから、ボクシング部は弱体化し、必要な部員数を満たしてなく、それを理由に校長の大場麻琴(内田有紀)は、近々ボクシング部を潰そうと画策していた。
第2話
松葉台高校ボクシング部の廃部を回避するため、新入部員を獲得しようと考えた部長の伊庭海斗は、桐沢に頼み込み公開スパーリングを敢行。そして、新入部員が3名の入り、ボクシング部は廃部を免れたのだが・・・。一難去ってまた一難。公開スパーリング中に伊庭が負傷していたことが、校長の麻琴の耳に入ってしまった。麻琴はすぐさま桐沢を呼び出し詰問。桐沢は怪我をさせた事実を認め、全責任を取って辞任することを決意する。だが、桐沢のコーチ続投を切望するボクシング部顧問の葵と伊庭は、全力で麻琴と交渉。そんな彼らの熱い思いは、後ろ向きだった桐沢の心に、かすかな変化をもたらす。
第3話
松葉台高校ボクシング部は、2カ月後に開催されるインターハイ予選に出場し、強豪・京明高校を倒すという無謀な目標に向かって動き出した。ある朝、非常勤講師となり、ボクシング部のコーチを続けることになった桐沢のもとに女子部員のあかりが現れ「ケンカで勝てるボクシングを教えてください」と、思い詰めた表情で訴えてくる。授業の時間が迫っていた桐沢は「あとで話そう」と言い残し校舎の中へ。この出来事を聞いた葵は「生徒の問題に非常勤の先生は関わらなくていい」と、けん制する。そして部活の時間、あかりは基本練習に励む部員たちの前で「インターハイとかどうでもいい。私は強くなれればいい」と言い放ち、桐沢に別メニューの指導を要求する。
第4話
松葉台高校の校長・大場麻琴は、東大合格者数でもクラブ活動でも京明高校に勝つことに躍起になっていた。そしてボクシング部がインターハイ予選で京明に負けたら、桐沢祥吾をクビにすると勝手に決定。顧問の折原葵は「そんな約束はしていない」と食い下がるが、麻琴は聞く耳を持たない。一方、桐沢とボクシング部員たちは「打倒・京明」を合言葉に、練習に打ち込んでいた。スパーリングをしていた伊庭海斗と玉乃井竜也が、突然乱闘のように激しくぶつかり合いだす。桐沢がよくよく話を聞いてみると、2人はマネージャーの西山愛をめぐり、恋のライバル関係だったことが判る。
第5話
松葉台高校ボクシング部コーチ・桐沢が背水の陣で挑んだインターハイ予選。ただひとり2回戦へ駒を進めた女子部員・あかりも、圧倒的に格上の京明高校に破れてしまう。結果はともあれ、全力でぶつかったあかりを心からたたえる桐沢だが・・・。松葉台高校の校長・大場は、桐沢に京明に負けたことを理由にコーチ解任を宣告。桐沢は、それを承諾し、コーチおよび非常勤講師を辞めることに・・・。なんとか引き留めようとするボクシング部顧問の葵。部員たちも一方的に告げられたコーチ解任に憤慨する。
第6話
ある日桐沢は、宅配ピザの配達先で言葉を失ってしまう。注文主の女性が亡くなったはずの最愛の妻・史織と瓜二つだったからだ!一方、ボクシング部は次の関東大会に向け、練習に精を出していた。そんな中、パンチを当てないスパーリング=マスボクシングをしている最中、1年生・西条のパンチが、友部の目に当ってしまう。眼科の診察で目は無傷だったが、もともとボクシングは向いていないと思っていた友部は意気消沈。そして眼科を訪れていた桐沢、葵、甲斐は会計時に思わず息をのむ。会計事務をしていたのは史織と同じ顔のあの女性だったのだ!
第7話
松葉台高校と京明高校の練習試合が始まった!桐沢が選抜した出場メンバーは苦戦しながらも、全力で京明と対戦。ところが女子部員のあかりがインターハイ予選で大敗を喫した京明の奥村に再挑戦しようとしたその時、予期せぬ事件が起こる。桐沢の采配で出場メンバーから外された西条が、上級生2人に殴りかかったのだ!現場を目撃した松高教師・間地真実はすぐさま、校長の大場に報告。桐沢と葵は緊急の呼び出しを食らい、あかりの試合は中止になってしまう・・・。西条は、試合メンバーから外されイラついていたと主張。桐沢も自らに責任の一端があると認めたため、ボクシング部は期間未定の活動停止を言い渡されてしまう!
第8話
ボクシング部No.1の実力を持ちながら、素直でない性格のため、他の部員たちと決裂し、復帰を諦めてしまった西条。これまでさまざまな辛酸をなめてきた桐沢が、静かに発した言葉に触発された部員たちは、自らの意志で西条ともう一度向き合おうと決める。そんな彼らの目の前で、突然西条が倒れた!医師の診断では、西条は脳に動脈瘤を抱えていることが判明。万が一破裂すれば死に至る可能性もあるため、医師からボクシングは辞めるよう宣告されてしまう・・・。桐沢は、西条と一緒にボクシングをしたいという部員たちにも「現実を受け止めろ。どうにもならないこともあるんだ」と告げる。
最終話
祥吾は、コロナの影響で潰れてしまった焼き鳥店も再開させることになった。開店準備に奔走しながら、悲願のインターハイ出場を目指す弱小・ボクシング部の指導に更なる熱を注入。止まっていた時間を取り戻すかのようにフルパワーで人生を突き進んでいた。そんな桐沢への想いが溢れだし、いきなりプロポーズしてしまった葵。圭太も桐沢に父親になってほしいと切望する。しかし2人の結婚には「もうひとつの障壁」が存在することを知る・・・。そして、焼き鳥店の開店日を迎える。ところがその矢先、桐沢は、ボクシングの指導中に倒れてしまい・・・。
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(テレビ朝日、木曜ドラマ「未来への10カウント」より)
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