最強で最悪のスーパー塾講師 黒木蔵人(柳楽優弥)が激変する受験界に舞い降りた。
「中学受験は課金ゲーム」「親はスポンサー」「子供を合格に導くのは、父親の経済力と母親の狂気」。
果たして、彼は受験の神様か?それとも・・・。
単なる中学受験ドラマではなく、そこから見えてくる「家族問題」「教育問題」など、現代の様々な問題に切り込む!
そして、彼は「絶対に全員志望校に合格させる」と断言する。
中学受験を舞台に、いま子供たちに教えるべきことは何なのか・・・。
第1話
二月、雪の中学入試会場の正門前には、合格実績日本一を誇る名門塾「ルトワック」のカリスマ講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が立っていた。桜花ゼミナールで研修中の塾講師・佐倉麻衣(井上真央)をはじめとした塾講師たちが、応援のために続々とやってくる。そこに理科の公式を忘れてしまいパニックになっている桜花生が。しかし、算数担当の佐倉はその生徒の質問に答えられなかったが、隣にいた黒木が淡々と公式を告げると、生徒は安心して会場へ入って行った。お礼を言う佐倉だったが、黒木は「研修中の講師を応援に送り込んで受験生をパニックにさせるなんて、桜花のやることは理解できない」と、言い残して去っていった。2週間後。新学期を迎えた桜花ゼミナール吉祥寺校に、なんと黒木が新校長としてやってくる。
第2話
桜花ゼミナール吉祥寺校の新任塾講師として働き始めた佐倉麻衣だったが、担任を任されたRクラスのテストは散々な結果。中でも、授業中いつもボーっと窓外を眺めている加藤匠の答案は白紙の0点だった。どうにかやる気を出させようと意気込む佐倉だったが、黒木から「Rクラスはお客さんですから、一生懸命にならないでください」と言われる。その後、佐倉は匠の母・加藤涼香との面談で、「匠が中学受験に向いてないのでは」と相談を受ける。佐倉は匠にやる気を出して欲しい一心で、マンツーマン指導を行うが、その翌日に匠は塾を休んでしまい、涼香からは「匠が塾を辞めたがっている」と聞かされる・・・。
第3話
Ωクラスの前田花恋がルトワックへ入っていく姿を目撃した講師の木村が、慌てた様子で桜花ゼミナール吉祥寺校に出勤して来る。桜花の優等生の転塾に焦る講師たち。しかし校長の黒木蔵人は「放っておきましょう」の一言。佐倉は、自分の他の生徒へのマンツーマン指導を妬んでいた花恋の様子を思い出し責任を感じる。一方、花恋はルトワック講師の灰谷から成績トップのSクラスへの編入を約束さる。その後、桜花に来なくなってしまった花恋の母・前田麗子が面談に訪れる。麗子によると、花恋は勉強ができるあまり、学校では教師や同級生たちとうまくいっていないという・・・。
第4話
桜花ゼミナール吉祥寺校のゴールデンウイーク特別講習は、6年生全員の参加がノルマだと言う校長の黒木蔵人は言う。しかし佐倉麻衣が担任のRクラスは申し込みをしていない生徒が数名いた。佐倉は申し込みがまだの武田勇人の母・香織に電話をかけ、講習の申し込みをお願いするが、勇人は、家族旅行の予定にすっかり浮かれ、特別講習に参加する気は全くない。香織は夫・正人に特別講習の相談をするが、スマホゲームに夢中な正人は香織の話を聞こうとしない。特別講習の申し込みがまだの生徒は、勇人のみとなるRクラス。そんな中、塾には香織から「夫との意見が合わず、講習は受けさせない」と連絡が入る・・・。
第5話
桜花ゼミナール吉祥寺校では、中学受験のための夏期講習が始まる。校長・黒木は「夏は学力を上げる最後のチャンス。これを逃したらもう二度と挽回できる機会がないと思ってください」という激励が。そんな中、桂は佐倉に、暑さや緊張から起きるトラブルの対処法を手ほどきする。一方、Ωクラスの島津順とAクラスの上杉海斗の取っ組み合いの喧嘩が発生。自習室で勉強していた海斗に順が暴言を吐き、カッとなった海斗が手を出してしまったという。順の両親は教育熱心で、父・弘は日頃から自己流の勉強方法を順に押し付けている。
第6話
制服姿の大森紗良が夏期講習中の桜花ゼミナール吉祥寺校に、やってきて、Aクラスの不登校児・柴田まるみに、自分が通っている二葉女子学院の話を聞かせる。まるみは興味を持つのだったが、二葉女子学院は偏差値が高いため、かなりの難関校だ。しかし、まるみは授業前の自習室に姿を見せるようになり、夏合宿への参加を決めたり、少しずつ心境の変化が表れてくる。そんな努力の甲斐もあり、Ω選抜テストの結果はAクラスからΩクラスに昇格。早速、夏合宿からΩの授業に参加することになるが、授業のスピード感に慣れなくて、ついていくのがやっとの状況・・・。
第7話
9月になり、桜花ゼミナール吉祥寺校の受験生たちは、全国統一合格判定テストを受けた。夏期講習で頑張ったのだが、この時期は他の受験生の学力も同じように上がっているため、偏差値は上がらなかった。そんな中、志望校選びをする保護者面談が始まる。佐倉が受け持つRクラスの生徒・石田王羅は自習室に来るものの遊んでばかりで、他の生徒に迷惑ばかりかけているありさま。その後、佐倉は王羅の母・美枝子から、桜花へ入塾した経緯を聞かされる。ある日、いつものように自習室で遊んでいる王羅に対し、成績が伸び悩んでいるRクラスの大内礼央は怒り声を上げる。それを聞いた橘は勘違いして礼央を叱ってしまう。
第8話
Ωクラス島津順の母・優子の電話が、激しい物音と悲鳴の後、突然切れてしまう。黒木と佐倉が島津家へ駆けつけると、家の前には数台のパトカーが停まっていた。家の中では家具や調度品が散乱していて、一人座り込む父・弘の姿が・・・。その後、優子と順は桜花ゼミナール吉祥寺校を訪れた。黒木はとにかく優子を落ち着かせようとするが、優子は弘との離婚を口にする。優子と順はしばらく実家で過ごすことを決め、その間塾を休むことに。一方、桜花ゼミナール吉祥寺校では生徒の保護者面談が行われていた。黒木は、校長の業務や無料塾・スターフィッシュの運営を抱え、連日夜遅くまで仕事を続けていたが、ある日、佐倉は校長室で倒れている黒木を発見する。
第9話
受験本番まであと三ヶ月に迫ったある日、黒木は生徒たちに配布した「絶対合格カレンダー」に家族と話し合って決めた志望校を記入して提出するよう指示する。Ωクラスの上杉海斗は、開成を受験したいことを母の麻沙子に打ち明け、これまで優秀な双子の弟と比べられ続けてきた思いを打ち明ける。その後、講師たちによる受験校検討会が行われた。生徒たちの受験プランを検討する講師たちだったが、Rクラスの今川理衣沙は、本人の偏差値に見合わない学校名を書いていた。母親の紹子が理衣沙に過去問をやらせた際に合格点が取れたので、この学校を選んだというものだった。しかし・・・。
最終話
新年を迎えた桜花ゼミナール吉祥寺校。二月の受験本番まで残り一カ月となり、生徒たちは本命校の受験前に予行演習として「一月受験」をする。生徒たちは、佐倉や桂に見送られ、次々と受験会場に入って行く。黒木は、島津が急遽受験することになった学校へ駆けつける。合格の可能性は五分五分だが、島津の精悍な姿に合格を確信する黒木。受験本番の前日、1月31日。桜花ゼミナール吉祥寺校の各教室では、橘、桂、佐倉が、生徒たちを励まし、エールを送った。黒木もまた、この一年の桜花ゼミナール吉祥寺校の校長としての責務に、特別な思いを抱くのだった。そして決戦の日、果たして生徒たちは全員合格して「二月の勝者」となれるのか・・・。
(日本テレビ「二月の勝者 絶対合格の教室」より)
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