アバランチとは「雪崩」や「突然襲いかかってくるもの」と言う意味を持つ。
富と権力を持つ強者だけではなく、一般市民においてもモラルハザードが叫ばれて久しい昨今、謎の集団「アバランチ」の過激かつ痛快な活躍を描く。
主人公はアバランチのメンバー・羽生誠一(綾野剛)。
羽生はどんな経歴や特徴を持った人物なのか?
常識外れのアウトロー集団「アバランチ」は、何の目的で活動している組織なのか?
第1話
東京の新たな大規模都市開発プロジェクトのリーダーが謎の失踪と言うニュースが報じられる。そんな中、警視庁捜査一課から左遷された西城英輔(福士蒼汰)は、誰も寄り付かない地下室に設けられた新たな配属先を訪れる。「特別犯罪対策企画室」と記された扉の先には、室長の山守美智代(木村佳乃)がいた。西城は山守に命じられ、とある雑居ビルまで山守を送り、車での待機を命じられる。しかし興味本位でビルのエントランスまで出てきた西城は、郵便ボックスに記された見慣れないマークを見つける。そこで西城の素性や経歴を知り尽くした羽生誠一から声をかけられる。そして薄気味悪さを感じる西城を尻目にビルの階段を上っていった。ビルの一室に集結したのは、山守、羽生、牧原大志(千葉雄大)、明石リナ(高橋メアリージュン)、打本鉄治(田中要次)の5人。「みんなそろったわね。では始めましょうか」。モニターに映し出されたのは、例の失踪事件のニュースだった。
第2話
半年前に転落死した夏川洋子について、山守はアバランチメンバーに調査を命じる。夏川の死について警察は自殺と断定するが、山守は不審な点やある大物政治家との関係が疑っていた。調査するうちに、死の直前までやり取りをしていた永井慎吾というジャーナリストの存在を知った羽生、西城、リナは彼の自宅に向かうが・・・。一方、大山は内閣情報調査室のエース・桐島雄司を呼び出し、アバランチの調査を依頼していた。次第に明らかになっていく大きな闇。そんな中、牧原はこの事件に対して、特別な感情を抱いていた・・・。
第3話
六車と黒田の汚職を暴いた山守は、黒幕の大山が尻尾を出さないことを受けて、各界の超VIPが通う高級会員制サロン・悠源館を経営する黄月蘭子に次の狙いを定める。山守は、蘭子が隠し持つと言われる極秘情報が詰まった「Kファイル」を手に入れ、裏で糸を引く大山をあぶり出そうと考えたのだ。悠源館のセキュリティーは牧原でも手出しできないため、リナをホステスとして潜入させる。しかし悠源館では、ここ数年、従業員のホステスが何人も不審死を遂げている。その頃山守は、アバランチの真の目的を西城に問い詰められると、3年前に起きた事件について語り始める。
第4話
蘭子に接触した羽生は、リナが入手した動画で「Kファイル」を渡すよう、取り引きを持ちかける。悠源館の実態が公にできないため、簡単にファイルを渡すわけにはいかない。そして蘭子がとった行動が、大山も巻き込み、山守も予想していなかった事態に発展する・・・。一方、打本は関東医師連合会長の神崎龍臣に目をつけていた。神崎の病院に向かった打本とリナは、ある女性が患者の治療の優先順位を巡って医師に詰め寄る現場に出くわす。「いよいよ俺の出番」と意気揚々と作戦に当たる打本。その過去を山守から聞いた羽生、西城、牧原は驚きの声を上げる・・・。
第5話
羽生が西城に語るアバランチ発足の理由と真の目的とは・・・?3年前、国際テロリスト集団から爆破予告があり、日本開催の国際会議を前に、官邸は対応に追われていた。公安部警備局長の大山が指揮をとり、テロリストの潜伏先を確認するが、情報提供者が拘束されてしまう。情報提供者の救出作戦にあたった公安部外事三課の羽生は、現場に突入するが、それは仕組まれたワナで・・・。羽生は、テロリストによる爆発から奇跡的に命を取り留め、病院で目を覚ますが、過酷な現実が待ち受けていた。失意の中、警察を辞めた羽生は、小さな町工場で働き始める。そんな矢先、羽生の居場所を追っていた山守が工場を訪れて・・・。
第6話
3年前の偽装テロ事件を足掛かりに、大山は権力の階段を上っていく。羽生たちは、その大山が画策する「次なる最悪の一手」を防ぐため、キーマンである元公安部長の戸倉への接触を図る。しかし、大山はこれまで情報収集に徹していたが、ついにアバランチに対して反撃に出る。そしてある日、「警視庁が、アバランチのメンバー・羽生誠一容疑者をテロ事件の容疑者として全国に特別指名手配」という緊急ニュースが流れる。そしてアバランチと大山の戦いの幕が開く。
第7話
羽生は、公安時代の上司・戸倉と素顔で対面した。山守らが、ドローンカメラの映像を見守る中、3年前の偽装テロ事件の真相と、黒幕である大山の狙いについて証言するよう迫るが、戸倉は「3年前の事件を終わりにしよう」と銃口を羽生に向ける・・・。日本版CIA創立のため、犠牲や手段をいとわない大山によって張り巡らされていくアバランチ包囲網。正義のヒーロー「アバランチ」が、テロリストとして世間から非難の的となっていく彼らの次なる一手とは?
第8話
大山直轄の秘密組織・極東リサーチによって牧原が拘束された。そして山守のところへ大山が現れ、ある動画を見せられ、思わず息をのむ。さらに、アバランチの名を騙る偽の集団が爆破予告動画をアップ。ターゲットは山守や西城がいるイベント会場のようで、リナたちはアバランチを呼び寄せるための大山の罠だと勘ぐる。それでも、テロによって人命が奪われることを避けたい羽生は、急いで会場へ向かう。爆破予告時間が迫るなか、西城と打本は会場に仕掛けられた爆弾を探し、羽生とリナは牧原の救出を急ぐ。
第9話
アバランチは、日本版CIA創立を目論む大山によって、テロリスト集団に仕立て上げられた。羽生は主犯格として指名手配され、打本は一般市民を救うために犠牲になった。大山は、暗躍していた桐島の正体をも見破り、山守のもとに3年前の偽装テロ事件で命を落としたはずの藤田を連れてくる。驚きのあまり言葉が出ない山守に、藤田は・・・。その頃、桐島の手引きで極東リサーチから逃げ延びた羽生は、アバランチの後ろ盾である大道寺の屋敷にいた。大山に完敗したことを認め、再起を図ろうとする羽生は、藤田が生きていることを知ると・・・。
最終回
かつての同志・藤田は、山守ではなく羽生の前に現れた。藤田と羽生は、3年前の偽装テロ事件以来の再会だったが、羽生は大山側にはつかないことを告げる。それぞれが信じる「正義」の食い違いによって、今は全く別の道を歩んでいたのだ。藤田は「3年前、俺も含めて全員死んでいれば、お前と敵にならずに済んだのにな」とつぶやき、羽生に向けて銃弾を放ち、命中する。一方、父の不正を許せない西城は父・尚也の元を訪れ、週刊誌記者の遠山と共に調べ上げた証拠を使って告発しようとするが・・・。それぞれが、それぞれの「正義」を信じ、最後の戦いへ・・・。はたして、アバランチが起こした雪崩の結末は・・・?
(関西テレビ、新月10ドラマ「アバランチ AVALANCHE」より)
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