毎年、8万5千人を超える行方不明者が出ている日本。
しかし緊急性・事件性があると判断され、警察が動くケースは、ごくわずか。
警察を動かすのに必要なことは、世間に注目されることかもしれない。
不可解な事件が起こった時、人々は名探偵のごとく推理し、その背景の物語を想像する。
人々の口と指とペンによってあらゆる物語が生まれ増殖し肥大化していく・・・。
何が本当で何が嘘なのか・・・?
そんな物語の主人公になってしまった相良凌介(西島秀俊)。
ある日、忽然と消えた妻と子供たち・・・。
必死で行方を捜すが、手がかりすら見つからない。
「旦那が殺したんじゃないの?」
真犯人フラグが立つと、疑惑の目を向けられ、追い詰められていく。
第1話
相良凌介(西島秀俊)は、妻の真帆(宮沢りえ)、高校2年生の娘・光莉(原菜乃華)、小学4年生の息子・篤斗(小林優仁)の4人家族。凌介は、仕事を終えて帰宅すると、家には誰もいなかった。携帯に連絡しても、つながらない。その後友人の店の開店祝いに行き、深夜に帰宅するが、真帆たちは、まだ帰っていない。翌日、警察に届け出るが、家出の可能性もあり緊急性が認められないと言われてしまう。「週刊追求」の編集長である友人の河村に相談すると「記事にすれば注目されて警察も動くかも」と、記事にすることを提案。真帆たちの失踪は事件として注目され、凌介に同情の声が集まるが、あるSNSの投稿により、凌介は「悲劇の夫」から「疑惑の夫」へ・・・。
第2話
「お探しのものです」と書かれた荷物が届き、警察が動きだし、マスコミの取材攻勢は、激しくなってきた。カスタマーサービス部には、苦情電話が殺到し集荷キャンセルの電話もかかってくる。電話の対応に追わるカスタマーサービス部は大混乱するが、瑞穂は会社のためにも真帆たちを探す手伝いをすると凌介に言う。凌介は団地の住民たちからも白い目で見られ、ポストは嫌がらせのビラで満杯に。そんな中、真帆のママ友である朋子が声をかけてきた。朋子は団地に引っ越してきたばかりで心細かった頃、明るく話しかけてくれた真帆に感謝していた。
第3話
片足のローファーが新居の基礎コンクリートで発見し、警察が駆けつけ掘り起こし作業が始まる。凌介は瑞穂に、配送車のドライブレコーダーに真帆らしき女性と篤斗、その後ろに光莉とよく似た女子高生が写っていた。これが3人だとすると、篤斗がサッカー教室に行く直前の17時18分、3人は一緒にいたことになる。そんな中、凌介は見知らぬ男から「事件についてお話したいことがあります」というメッセージを受け取る。凌介はその男とコンタクトを取り、日野の店で会うことに。現れたのは、ベンチャー企業「プロキシマ」の社長・一星。彼は、真帆たちが誘拐されたと断言し、誘拐した犯人にも心当たりがあると言い出す。
第4話
凌介は真帆の失踪直前に生命保険に加入し、凌介が受取人になっていることがネットで拡散される。光莉と篤斗にも生命保険をかけていたというデマが広がり、真に受けた志乃生と三郎に問い詰められる凌介。警察の捜査で光莉のスマホと真帆の指輪が発見された現場で犯人のものらしき足跡が見つかる。光莉がストーカー被害に遭っていたという情報があり、阿久津と落合は彼女の学校付近で聞き込みをするが・・・。そんな中、ぷろびんのYouTubeチャンネルがガイドライン違反で停止される。復活を目論むぷろびんと町山のもとに、何者かによる情報提供のメッセージが届き・・・。
第5話
凌介の家にサッカーボールが蹴り込まれた。凌介は、篤斗のものではないかと考え、サッカー教室のコーチ・山田に聞くと、篤斗は失踪直前にボールを持って帰っていた。誘拐された時点で篤斗はボールを持っていて、誘拐犯がボールだけを返却したのか・・・?その話を聞いた瑞穂は、これまでとは少しやり口が違うと指摘。少年の冷凍遺体、光莉のローファー、光莉のスマホや真帆の指輪、これらは犯人が自らの身の安全を確保した上で行っている。しかし、サッカーボールを蹴りこむ行動は、犯人が凌介の近くまで来る危険を冒している。さらに、団地の4階に正確にボールを蹴り込む能力を持つ人物は、サッカー経験者の可能性が高い・・・。
第6話
凌介は、瑞穂、一星、河村、日野と会い、傘の件を告げると、一同は朋子真犯人説を唱えるが、凌介は状況的に不可能と分析。結局、意見が分かれ、凌介は河村と先に帰ることに。河村は凌介に「小説家・相良凌介として客観的に考えてみろ」とアドバイスする。店に残った瑞穂と一星は、独自に朋子の周辺を探ることに。瑞穂は、朋子が勤める整体院に客として潜入し、事件当日の動向を探る計画を立てる。一方、家に着いた凌介は、鍵を失くしたことに気付く。ダメ元でドアノブを回すと、なぜか鍵が開いている。家の中には、誰かいるようで・・・!?
第7話
凌介は、光莉が拘束されている動画を見て、すぐさま警察に通報する。プロキシマのメンバーとサイバー捜査班が動画解析を始める。そしてある廃墟が動画の撮影場所として特定され、凌介は、瑞穂と一星とともに現場へ向かう。凌介たちが暗闇の中で光莉の姿を探していると・・・!?警察では、動画によって光莉の生存は濃厚だが、背景に映っていた血痕が本物であれば、真帆と篤斗は死亡している可能性が高いのではないかと考えていた。そして動画の送信元が判明し、阿久津がその場所に踏み込み・・・!
第8話
真帆と林の密会写真がネット上で拡散されて、炎上。一星は炎上に気づき、河村に連絡すると、河村は、林への接触を試みる。マスコミは、真帆が不倫していたと半ば決めつけて報道する。バッシングの対象は真帆と林に移り、凌介は不倫された夫として同情される。真帆を信じている凌介を前に、失踪が真帆の計画の可能性もあると睨む瑞穂と一星は2人の関係を調べ始める。一方、犯人が密会写真を撮った可能性が高いと睨んだ阿久津と落合は、撮影者に心当たりがないか林に尋ねる。林は婚約者の茉莉奈と会い、事情を説明しようとするが、ぷろびんが現れて・・・!?
第9話
凌介は朋子に真帆が隠していた「DNA情報鑑定センター」の封筒を差し出された。朋子は、真帆が抱えていた秘密を凌介に話し始め、その内容に衝撃を受ける。光莉や篤斗が凌介の実子ではない可能性が・・・?相良家の新居建築が再開され、現場では林が馬場に仕事の引継ぎをしていた。そこに凌介が現れ林に詰め寄るが、林の事情聴取に来た阿久津と落合に阻まれる。林には、真帆たちが失踪した日の夕方以降、確実なアリバイがなかった。激しく落ち込む凌介を心配する亀田運輸の社員たちや太田黒までも気を遣い始め、見かねた瑞穂は凌介を励ます。
第10話
凌介に送られてきた氷漬けの篤斗を発見し、すぐさま病院へ運び込まれ、救命措置を施される。しかし、低体温症を起こした上、睡眠薬を大量に飲まされていた篤斗は、凌介の必死の思いも届かず、心停止してしまう・・・。凌介は阿久津と落合から、真帆と林の関係が現在も続いていた可能性があると聞かされ、大きなショックを受ける。依然、林の行方は掴めず、阿久津と落合は父親の会社が管理する倉庫にいた婚約者の茉莉奈を訪ねる。林も倉庫の中に隠れているのではないかと捜索するが・・・。ますます状況は悪化し、憔悴していく凌介を心配する瑞穂たち・・・。そんな中、凌介のもとに不審なメールが届く。
特別編
キウンクエ蔵前というマンションの住人たちが、忘年会を開くため「至上の時」にやってきた。メンバーは、久住譲、シンイー、尾野幹葉、藤井淳史、赤池美里。にぎやかに盛り上がる彼らは、世間を騒がせている炊飯器失踪事件の話になり、事件について推理を始める・・・。「実際のところ、どうなの?」と日野に尋ねる藤井は、世間と同じように凌介を疑っていた。遅れてやってきた早苗と正志も話に加わり、凌介が逮捕寸前という噂が警視庁にも広がっていると言う。凌介犯人説に傾いていくキウンクエ蔵前の住人たち・・・。しかし日野は「あいつは、真犯人なんかじゃないんです!」と否定する。
第11話
篤斗が写真に写る凌介を指さしたことで、阿久津らに任意同行を求められて警察へ。凌介は連日、阿久津と落合から事情聴取を受ける。阿久津は、光莉の監禁動画に映っていた椅子が、過去に凌介が購入したものと同じだという事実を突き付けるが・・・。凌介は、篤斗に会いに病院へ向かうが、警察官が見張っていて、参考人と被害者を会わせるわけにはいかないと止められる。そんな中、凌介は太田黒や支社長、本社社員たちに呼び出され、退職するようにと圧力をかけられる。凌介を心配する瑞穂、一星、河村、日野は、「至上の時」で作戦会議を開き、林の行方を捜すことで意見が一致する。
第12話
光莉の告発動画が拡散され、更に林の死も知れ渡る。そして凌介の命を狙う目的で、動向監視をするアカウントまで作られる。瑞穂と一星は心配し、凌介の家を訪ねると、朋子が押しかけてくる。瑞穂は以前、朋子の勤める整体院に潜入していたため肝を冷やす。そして家の中からあるモノが見つかり・・・!?一星は、光莉の動画を解析して、かなり狭い場所に閉じ込められている事を報告。真帆が撮影者で、真犯人の可能性もあると主張するが、河村と日野は反論する・・・。一方、バタコと朋子が病室で鉢合わせた夜以降、篤斗の精神状態は不安定になり、誰も面会できない状態になっていた。
第13話
凌介はバタコにフグ毒入りのお茶を飲まされ意識不明の重体に陥る。病院に日野、河村、瑞穂、一星が駆けつけるが、ふぐ毒のテトロドトキシンは毒性は強く、危険な状態だった。防犯カメラにバタコの姿は映っていたものの、院内に彼女を知る者はおらず、捜査は難航する。阿久津と落合は、篤斗が事件当日に乗った白い車を追って、かがやきの世界を訪れ、教祖にバタコの写真を見せると、その反応に違和感を抱く。一方、プロキシマでは、バタコが最後にかけてきたクレーム電話を解析し、その音声から、バタコが失踪事件に関わっていると確信する。しかし、声のみで顔が特定できない・・・。
第14話
バタコが冷凍遺体と篤斗を送り付けた事が判明し、警察はその足取りを追っていたが、凌介との関係が分からない。阿久津らは、バタコが入信していた「かがやきの世界」を家宅捜索し、教祖を尋問すると・・・。瑞穂は、篤斗のものらしき服の出品者が、過去のクレーム電話から、バタコである可能性にたどり着く。一方、河村は、冷凍遺体が何者なのかを突き止める。また、阿久津らはバタコの両親から事情聴取し、彼女の過去が明らかになる。凌介は自分とバタコの接点を探るため、両親に会いに行く。そんな中、林が河村に送った写真の撮影場所が、強羅が借りたロッジだったことが分かる。
第15話
凌介は、真帆の行方を光莉と篤斗に尋ねるが、二人から返って来た答えは「知らない」と言うものだった。真帆はいったいどこへ消えたのか・・・!?瑞穂は、一星が行方不明になったことをプロキシマの社員たちに伝えるち、メンバーたちはマスコミにリークして情報を集めようとするが・・・。そんな中、阿久津と落合が光莉の事情聴取すると、事件発生からの一部始終を語り始める。そして明かされる数々の謎に、衝撃を受ける凌介。一方、清明を心配した鼓太朗は、菱田家を訪れ、そこである人物に襲いかかられる。
第16話
「それでも探しますか?」と書いたビラを凌介の家のポストに入れたのは、瑞穂だった。そして凌介が説明を求めると、瑞穂はその真相を語り始め・・・。阿久津と落合は、陽香が一星のオンラインサロンのメンバーだという情報を得る。高場花という名の看護師になりすましていた陽香。光莉はその写真を見て、この人が自分を監禁していたと証言する。凌介もその女の顔に・・・。一方、朋子と山田は、ある人物から危険な計画を依頼される。週刊追求では河村らが、3つの事件の容疑者、バタコ・陽香・林が結託していた仮説を立てる。しかし・・・。
第17話
バタコが逮捕され、かがやきの世界で発見された充ともう一人の遺体の身元が判明する・・・!そして阿久津が篤斗から話を聞くことになる。しかし、篤斗は自分が凌介の実子ではないのかと不安を覚えている様子。一方、バタコ逮捕で、篤斗が証言し始めることに危機感を募らせる朋子は、ある行動に出るが、それを清明に目撃される・・・。阿久津と落合は、かがやきの世界の教祖に事情聴取。団体の意外な実態が明らかになる。そして陽香に監禁されていた一星の安否と過去が明らかに!複雑に絡み合った事件のピースが、いよいよ揃い始める・・・!!
第18話
凌介は瑞穂の姉が殺されたことを知らされ、瑞穂が凌介に協力していた訳を聞く・・・。鼓太朗が篤斗の病室に大きな段ボールを運び込んできた。危険を察知した篤斗がナースコールを押そうとすると、その手を強く握って止め、箱を開ける・・・!SNSで一星と陽香の高校時代の写真が拡散され、一星へのバッシングが高まる。光莉が一星に連絡しようとしても音信不通で、不安になった光莉は、すみれの定食屋を訪ねるが、一星はちょうど出て行ったばかりだった。そしてすみれは光莉に、一星から託された、凌介のトランクルームの鍵の入った封筒を渡す。それは、光莉がある目的で一星に取ってきて欲しいと頼んだものだった。
第19話
河村は、瑞穂と真帆が一緒に占いに行っていたことを凌介に告げる。瑞穂は真帆が勤めるスーパーの常連客だったという。凌介は確認しようとするが、瑞穂と連絡が取れない。2人の接近は、ただの偶然だったのか、それとも・・・?光莉と金城は、すみれの事を心配し定食屋を訪ねると、一星が罪を犯したことを受け入れなければならないと苦しんでいた。そこへぷろびんが突撃し、光莉はある違和感に気づく。一方、凌介は朋子を説き伏せ、朋子はようやく真実を話し始める。朋子と清明、そして山田は、一体何を隠していたのか?
最終話
河村が瑞穂に、事件との関わりを話すよう迫ると、真帆に接近した理由を話し始める。河村は瑞穂の姉が林に裏切られて死んだことや、3年前から真帆と知り合いだったことをなぜ黙っていたのか問い詰める。瑞穂は、林に殺意を抱いていて、林を殺した理由を聞かれると・・・!?拘留中の一星は阿久津と落合から、SNSに投稿された例の小説について聞かれると、一星は自分の切り札だと答える。真犯人しか知り得ない事実も書かれていて、妄想なのか真実なのか・・・。ついに真犯人が明らかに!!
(日本テレビ、日曜ドラマ「真犯人フラグ」より)
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