海上保安庁に新設された組織「DCU(Deep Crime Unit)」は、水中事件や事故の捜査を行うスペシャリスト集団。
日本では遺体を水中に投棄するなどの事件が数多く発生していて、地上の事件に比べ解決率は低い。
警察の捜査では困難な「危険極まりない日本全国の河川や湖」など、あらゆる水中に潜り隠された証拠を探し事件を解決する。
そんな水中捜査を行うスペシャリスト集団「DCU」の隊長・新名正義(阿部寛)とバディを組む隊員・瀬能陽生(横浜流星)。
瀬能は、ダイバーとしての能力がDCUの中でも群を抜く存在だが、幼いころ海難事故に巻き込まれ、両親を亡くし自身は新名に助けられたという過去を持つ。
第1話
潜水特殊捜査隊・通称「DCU」が海上保安庁に発足した。「DCU」設立の目的は、海や河川で発生する事件の解決や、水際からやってくるテロなどからの防衛だ。隊長は、50歳を迎えた新名正義。メンバーには海保のエリート・西野斗真(高橋光臣)、女性初の潜水士となった成合隆子(中村アン)、過去に水難事件で新名に命を救われた瀬能陽生らがいた。「DCU」は海上・水中だけではなく陸上の捜査権限も与えられることになり、それが警察関係者との間に溝を生じさせていた。そんな「DCU」が最初に捜査に向かったのは、人の頭骸骨の破片が発見された群馬県のダム湖だった。水深100mというダム湖の底を潜水捜査すると、そこには思いもよらない景色が広がっていた。
第2話
新名と瀬能のわだかまりが解けぬまま、北能登の港で変死体が発見された。被害者は密漁者と戦う地元漁師のリーダーで、漁師たちは「犯人は密漁グループの連中に違いない」と騒ぎ立てる。そしてDCUのメンバーは地元刑事の坂東(梶原善)と共に捜査に乗り出す。現場は水産物の研究所を建てる計画があり、ロシアから政府高官が視察に来ることになっていた。新名は早速、日本海に沈む遺留品を探すよう指示を出す。そこへ地元の市議会議員・岡部(古田敦也)が現れ・・・。一方で坂東と共に陸を捜査する新名と瀬能は、被害者の下で技能実習生として働いていた外国人に聞き込みをすると、。地元民と外国人技能実習生の実態が浮き彫りとなり・・・。
第3話
ロドリゴ・サンチェス(フェルナンデス直行)が隆子のミスで、被害者のスマホを盗んで失踪し、新名は上から厳しく追及される。しかも、サンチェスには治安を脅かす重大な秘密があった。そしてこの一件で、ロシア高官の来日が見送られることになり、隆子は責任を感じていた。隆子は大友(有輝)と共にサンチェスと同じ日本語学校に通うマリア・シルバ(エレナ アレジ 後藤)に話を聞くが、焦りのあまり彼女に怪我をさせかねない行動をとってしまう。新名はミスを重ねた隆子を捜査から外すが、自分のミスを取り戻したい隆子は、ひとり捜査に乗り出す。
第4話
隆子が殉職した事で、新名は隊長から外され自宅待機が命じられる。副隊長の西野が隊長代理となり、事件捜査は公安に任せて通常業務に戻るよう指示される。そして瀬能のもとに公安の清水(山崎育三郎)がやってきて、隆子のパソコン内にあったプライベートデータを持ってきてくれた。瀬能は、そのデータに違和感を抱き、瑠璃(趣里)に解析を依頼する。その結果、今回の事件は2年前に起きたある溺死事故に起因している可能性が浮上する。瀬能は、隆子の司法解剖を行なった医師・真鍋宗雄と事故が起きた際の機材会社の月島秀樹の元を訪れる。
第5話
新名が隊長に復帰し、瀬能は15年前の事件を再び調べ始めていた。そんな中、国土交通省副大臣の長男・木下裕司が海上で行方不明になり、DCUに捜索命令が出された。間もなくゴムボートが発見されるが、そこに裕司の姿はなかった。聞き込みで立ち寄ったサーフショップで、瀬能は学生時代の先輩でオーナーの中林と再会する。瀬能は中林との再会を喜ぶが、顧客名簿提出を求められた際に中林が何か細工をしたことを新名は見逃さなかった。その後新名のもとに、裕司は海上で行方不明になったのではなく誘拐されたという情報が入る。
第6話
横浜の港で身元不明の女性の溺死遺体が発見された。状況証拠で自殺ではないかと思われたが、肺の中にオホーツク海に生息するプランクトンが見つかった。死後1日しか経過していないことから、自殺に見せかけた殺人事件として、DCUが捜査に乗り出す。捜査を進めるうち、殺害現場は水族館であることが分かり、身元不明だった被害者は、魚サプライヤーの木見一郎の婚約者と判明。不審な動きを見せる水族館プロデューサー・根岸那由と木見を怪しく思いつつも、証拠はなく・・・。
第7話
那由が心臓病の娘のためにプロデュースし、東都重工と共同開発したリモートダイビングVRのお披露目イベントが病院で開かれていた。元カノ・玉井千英の入院中の息子を見舞った大友もこのイベントに参加していた。だが事態は一変、海中のリモートカメラが何者かに乗っ取られてしまう。同時刻、DCU本部には沖合で水上バイクが爆発し、船着場の防犯カメラ映像に水上バイクに乗り込む成合の後ろ姿が映っていた。爆発物の破片を回収した結果、那由のリモートダイビングVRで使用されているカメラとの関連が発覚する。
第8話
瀬能は、自分の父がテロリストの一味かもしれないと知り動揺する。そして新名たちは成合がある総合レジャー施設に潜伏していることを突き止め、新名は真子との新婚旅行を装いその施設に向かう。ホテル支配人の戸塚明男は、かつて東都重工で陽一の助手をしていて、新名が戸塚に研究データの横流しについて尋ねると、戸塚は動揺した様子を見せる。その直後、西野が何者かに襲われる事件が発生し・・・。同じ頃、瀬能は新名が持っていた陽一の鍵が何かを調べるため実家に帰省し、一枚の写真からある店に目星をつける。
最終話
G20東京サミットを前に、横浜海上保安部に警備準備本部が設置されることとなった。人の出入りが多くなるこの機に乗じて、成合が本物のフロッピーディスクを奪い返しに来ると新名は考えた。そこで佐久間と相談の上で内部の者でも簡単に出入りできない場所にそれを保管する。その一方で公安の清水が海保内部に内通者がいることを新名に告げる。その矢先、佐久間から笠原と密に連絡を取り合っている者がいると聞かされた新名。そんな中、緊急事態を知らせるサイレンが海保内に鳴り響いた。基地内で爆発物が発見された。瀬能の父が残した設計図を巡る攻防戦が始まる。
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(TBSテレビ、日曜劇場「DCU」より)
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