第1話 復活~口封じの死
半年前、鶴田翁助官房長官(相島一之)は、愛人の柾庸子(遠山景織子)の自白で加西周明(石丸幹二)暗殺の罪を逃れた。そして特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、元官房長官の朱雀武比古(本田博太郎)に探りを入れる。その後、鶴田が突如「こてまり」に姿を現し、庸子が拘置所内で自殺した事実を告げる。鶴田による口封じを疑った右京と亘は、庸子の死の真相を突き止めるべく捜査を開始。元弁護士の中郷都々子(織田梨沙)も庸子の死に疑問を抱き、独自に調査をすると複雑な思惑と陰謀が絡み合っていることが発覚。そして、ついには、亘が逮捕される事態に・・・。
第2話 復活~死者の反撃
自殺したように見える中郷都々子を右京と亘が発見したが、不可解な点が多々あった。捜査一課は、都々子の死を、自殺として処理するが納得がいかない右京と亘は、捜査を続行しようとするが、外部から圧力が掛かった。背後には、官房長官・鶴田翁助の暗躍があると思われ、これまでの経緯から、亘が免職の危機にさらされる。しかし、右京は、加西周明が遺した「鍵」に鶴田の弱点が隠されていて、一連の出来事の真相解明の足掛かりになると推理。右京と亘は、青木をともない、鍵が示すある場所を訪れるが・・・。権力の巨大な壁が特命係に立ちふさがる!
第3話 復活~最終決戦
右京と亘そして青木は、加西周明が生前、準備していた仮想現実の世界に足を踏み入れる。そこに、官房長官・鶴田翁助の弱点が隠されていると考え、加西のアバターに案内されるまま歩を進める。一方、元内閣情報官の栗橋は、柾庸子の一件で捜査一課から追及を受けていたが、完全黙秘を貫いていた。同じ頃、広報課長の美彌子が、思わぬポストに異動する。背後には鶴田の手引きや美彌子の思惑があるとみられるが・・・。そんな中、鶴田は加西が握っていたと思われる、自身の弱点を潰しに掛かるが・・・。
第4話 贈る言葉
警視庁捜査二課の刑事・陣川公平は、高校時代からの友人で、現在はゲームクリエイターの鴫野大輔から結婚式のスピーチを依頼される。しかし、内容が今ひとつのため、鴫野からスピーチライターの宮森由佳を紹介される。右京が、陣川に同行し、由佳から話を聞いていると、陣川の携帯に鴫野から連絡が。突然、殺人の容疑が掛けられ、警察から事情聴取を受けているという。被害者は鴫野の下で働いていた男性で「お前を絶対に許さない。全てを公にして謝罪しろ」というメールを鴫野に送っていたという。
第5話 光射す
角田は、顔見知りの元刑事の水木が、落ち込んでいる姿を見掛ける。水木は、行方不明の大学生の娘を探すため、ネットで情報提供を呼び掛け、問題になった過去があり、責任を取って辞職していた。そんな中、警備員の男が、アパートの自室で首を吊って死んでいるのが発見される。部屋は施錠されていたため、状況的には自殺と思われたが、外傷がある上、室内の指紋が不自然に拭き取られていたことから、密室殺人も疑われた。右京と亘が聞き込みをすると、隣の老婦人には、部屋から出ない息子がいることが判る。日中、部屋にいるその男性が、何か聞いている可能性もあるが、話を聞くことさえできない・・・。
第6話 マイルール
ベストセラー作家の福山光一郎が、一人暮らしの自宅で刺殺され、警察は、強盗殺人の線で捜査を開始する。右京は新作の最終回の原稿が現場に見当たらないことに疑問を抱く。その小説の内容は、老刑事が少女殺害事件の犯人を追い詰めていくストーリーらしいのだが・・・。特命係の二人は、福山が新作の掲載を前に、突然出版社を乗り換えていたことを版元の編集者から聞く。さらに、福山は自身の著作物で、「小説が完結した時、失われた真実があぶりだされるだろう」という、何かを暗示するような発言をしていた。捜査を進めると、福山は22年前、ある重大事件に巻き込まれていて、その事件と小説に、共通点が存在していることに右京が気づく。
第7話 かわおとこ
右京と亘は、「どこに隠したの! 早く返してよ!」と男に詰め寄る小学生の女の子を発見。割って入ったところ、親権を失った父親と、娘であることが判る。翌日、川で意識不明で重体の男の子が発見されたというニュースが流れる。右京たちは、SNSにさらされている家族写真に、昨日の女の子が写っていることに気づく。昨日出会った女の子が言っていた「返してよ!」という言葉から不穏な気配を察し、周辺を調べ始めると、問題の川では、近くの工場に勤める男が、溺死する事故が起きていた。さらに、再会した女の子から話を聞くと、弟は「かわおとこ」という妖怪に連れ去られたと主張しする。
第8話 操り人形
大学構内の地中から、死後50年近くたっている白骨死体が発見された。DNA鑑定の結果、1970年代に学生運動をしていた岡田という過激派のカリスマ指導者であることが判明した。そんな中、大手物流会社社長・梶原の遺体が発見され、梶原は最近なぜか、情緒不安定になっていたという。右京と亘は、岡田と親交が深かった藤島という男性を訪問するが、何も知らないと語る。ところが、そこに捜査一課が現れ、藤島に任意同行を求める。ふたつの事件に関連がある踏んだ右京と亘は、藤島の連行にショックを受ける美鈴という女性を見掛け、話を聞くが・・・!?
第9話 生まれ変わった男
20年前に都内のスーパーで発生した刺殺事件の押収品を返却するため、右京と亘は被害者の妻を訪ねていた。犯人はまだ捕まっておらず、被害者の妻は最近までチラシを配って情報を集めていたようだ。そしてそのさなか「自分は被害者の生まれ変わりだ」と主張する、若い男が現れた。吉岡翼と名乗るその男は、被害者が搬送され、死亡したその日に同じ病院で生まれたといい、殺されたときの記憶も残っているというが・・・。吉岡を伴い現場を検証すると、犯人と被害者しか知らないはずの情報を、吉岡が記憶していた。生まれ変わりという主張が、にわかに信憑性を帯びてくる。
第10話 紅茶のおいしい喫茶店
右京と亘は、角田から詐欺のグループの張り込みを頼まれる。搾取金の保管場所とみられる家具店を見張るのだが、目の前の喫茶店のオーナーに事情を話し、店番をする代わりに、捜査協力を持ち掛ける。接客を担当することになった右京は、瑞枝という紅茶好きの女性と知り合い意気投合するが、瑞枝がふと寂しげな表情を見せたことに気づく。そんな中、問題の家具店に出入りしていた男女が、喫茶店にやってくる。その後、店を出た2人の尾行を試みる亘は、運悪くクレーム客に捕まり、見失ってしまう。そして亘が取り逃がしてしまった男が、転落死体で見つかる。
第11話 元日スペシャル 二人
右京は、峯秋の誘いで高級レストランを訪れ、そこで与党政調会長の袴田と経済界の重鎮を見掛ける。同じ夜、少年が落としたスマホを探していると、大人同士が言い争う姿を目撃。それに気づいた男に、落としたスマホを持ち去られてしまう。翌日、亘は右京に、姉の由梨を紹介する。由梨は、保護した記憶喪失の男性の身元を調べてほしいと依頼する。しかし手掛かりは、湊健雄と名乗っていることと、大手鉄道会社の駅売店の名前が記憶に残っているだけ・・・。右京と亘は、駅売店の本社を訪れるが、湊に関する情報は得られなかった。
第12話 お宝探し
元刑事・安岡の撲殺遺体が自宅で見つかった。捜査一課は捜査を始めるが、右京と亘は、安岡が埋蔵金探しの動画をサイトに投稿していたことに注目する。発掘現場の赤城山を訪れた右京は、安岡の宝探し仲間の新井と接触し、作業を手伝うという名目で周辺を探り始める。一方、亘は、東京で背後関係を調べ、安岡と新井が発掘していた現場は、すでに不動産会社を営む東堂という男が、探し回った場所だという情報を掴む。更に、安岡が警備員として働いていたのは、東堂の会社だったことが判明。しかし東堂は、面識は無いと語る。更に調べて行くと、東堂の長男の妻が3年前に行方不明になっていて・・・。
第13話 死者の結婚
現役時代、似顔絵捜査官だった黒瀬という先輩刑事が伊丹を訪ねてくる。黒瀬は、現在ボランティアで未婚のまま亡くなった人のための「冥婚絵」を描いているという。数か月前、多岐川夫婦からの依頼で、13年前に行方不明になった、「未来」という名の娘の冥婚絵を描いた。しかし最近、その絵とそっくりの若い女性が、多岐川家にいるのを見たという。行方不明だった「未来」が保護されたという報告はなく、伊丹は取り合わなかったが、右京と亘が興味を持ち、独自の捜査を開始する。そんな中、引きこもりの男性が刺殺される事件が発生し、その現場から、冥婚絵が見つかる。
第14話 ディアボロス
右京は、小手鞠(森口瑤子)に誘われて、フラワーアーティスト・氷室聖矢(渡部豪太)の展覧会を見に行く。氷室は、婚約者の女性と仲睦まじい姿を見せていたが、その後、婚約者の女性が氷室のオフィスで何者かに殺害される。捜査一課は氷室を疑い、右京と亘は、氷室の仕事仲間の生花卸売業者・一之瀬(冨田佳輔)から話を聞く。小手鞠によると、3年前に氷室の前の婚約者が謎の失踪を遂げていて、婚約者を失うのは二度目だという。そんな中、氷室が以前に個展を酷評された美術評論家の家に押し入る事件を起こす。逮捕された氷室は、婚約者の失踪と殺害は「悪魔の仕業だ」とつぶやいていた。
第15話 食わせもの
男性の刺殺死体が繁華街のゴミ置き場で発見された。警察は、暴力団絡みの事件を視野に捜査を始める。一方、都内のマンションの植え込みで、男性の転落死体が発見された。青木は、動画サイトで見つけた映像の中に、以前特命係が詐欺で逮捕した平井(風間杜夫)という男が映り込んでいることに気付く。刑期を終えた平井は、現在マンションの管理人をしていた。右京と亘が捜査を開始すると、不審な2人組の男が・・・。男たちは麻薬の密売人で、1人は平井と面識があり、空き部屋を密輸に利用していたようだ。しかし問題の麻薬がマンション内で消えてしまったという。
第16話 ある晴れた日の殺人
オフィスビルの屋上で、中松誠という広告会社の社員の刺殺遺体が発見された。現場には刃渡り22センチのハサミと、ハサミの指紋をふき取ったとみられる「T」の文字が入ったハンカチが残されており、捜査一課は怨恨の可能性を視野に捜査を始める。そこへ現れた右京と亘は、いつものようにシレっと捜査に加わる。聞き込みによると中松は出世争いに負け、閑職に追いやられていたことが判明。ライバルだった同期の男や、中松の巻き添えで左遷された部下の男が容疑者として浮上してくる。更に、離婚を望んでいた妻に不倫疑惑が・・・。
第17話 米沢守再びの事件
米沢は、鉄道愛好家で、ある路線を訪れた際、線路脇で遺体を発見する。右京と亘は連絡を受け、現場に臨場する。遺体や凶器が沿線で見つかったことから、何らかのメッセージがあるのではないかと考える。捜査線上に浮かび上がってきたのは、廃線の噂がある「星川鉄道」。廃線を進めたい運営会社と、沿線住民による「復活させる会」の間に軋轢が生じていたようだ。そんな中、今泉という鉄道ファンが線路に侵入する騒ぎを起こし逮捕される。今泉は事件直前、遺体や凶器が見つかった現場に姿を見せていた。一方、右京と米沢は、星川鉄道の地元で情報を収集すると、廃線の是非をめぐって、住民同士が激しく対立していることが分かる。
第18話 詩集を売る女
ナイフを手にした女の前に立ち塞がった亘は、次の瞬間胸を刺され・・・!?・・・36時間前。右京と亘は、警視庁での研修を受け、その帰路、街を歩いていると、踏切前でうつろな目をした女性を見掛ける。そして、その女性は「千里一歩」というペンネームで、手作り詩集の路上販売を始めた。そこに、ヤクザ風の男が近づく。聞き耳を立てると、どうやら男は出所間もないようだ。気になった右京は、民事不介入を訴える亘を説得し、その女性を尾行する。彼女が血相を変えて手にした雑誌には、KAZHOという気鋭のデザイナーの特集記事が掲載されていた。
第19話 冠城亘最後の事件 仇敵
右京は、亘に最近恋人ができたのではないかと勘繰っていた。このところ、そそくさと帰ることが多くなったり、野暮用という名目で青木との約束を2度もすっぽかしていたのだ・・・。同じ頃、8年前に衆議院議員で国家公安委員長の鑓鞍兵衛を襲撃した京匡平が出所し、再び鑓鞍を狙っているという情報が入って来た。そして日下部や美彌子が状況の把握に乗り出す。京の動機は、名家・王隠堂家の長男が、鑓鞍の差し金で選挙戦に敗北し、失意のうちに事故死した件を、逆恨みしてのことだった。一方、鑓鞍は総選挙を控え、国会議員への返り咲きを狙う片山雛子に対し、自ら刺客となるべく選挙区の「国替え」準備を進めていた。
最終話 冠城亘最後の事件 特命係との別離
虚実を混ぜ込んだ告発動画を京匡平が投稿した事によって、王隠堂家を監視していた伊丹たちの行動が問題に。更に、片山雛子と議席争っている鑓鞍兵衛も打撃必至の状況に・・・。一方、「パパ活疑惑」を掛けられた亘。右京は、何か事情があると踏んで亘を追及する。そんな中、京と王隠堂鷹春が鑓鞍の襲撃を目論んでいる件について、右京は、捜査一課を巻き込み、意外な方法で王隠堂家に接近する。ところが、その矢先、右京が危機的状況に見舞われ、事態はますます混沌し、。警視庁警備部の津崎真茅は、鑓鞍の警護を厳重にせざるをえなくなる。
(テレビ朝日「相棒 20」より)
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