私立桐谷高校に赴任してきた音楽教師の新田正樹(中島裕翔)。
出勤前夜に音楽室で2年3組の生徒・和泉冴(吉川愛)と出会う。
冴は正樹が副担任を務めるクラスの生徒だった。
2人は前任の音楽教師の小坂由希乃(筧美和子)失踪事件を通して徐々に絆を深めて行く。
本心で向き合えないまま決別する2人が、ひょんなことから5年後に再会する。
冴は成人を迎え、2人の間には障害は何も無いはずだったが、正樹にはすでに妻がいた。
その再会がきっかけとなり、再び動き出した2人の微妙で繊細な関係が、やがて「ディソナンス(不協和音)」を生み出し、破滅へと向かい始める・・・。
第1話
新田正樹が勤めていたピアノ教室が倒産した。音大時代の先輩で、私立桐谷高校音楽教師の小坂由希乃から連絡が入り、自分はもうすぐ学校を辞めるから、正樹に後任を任せたいと誘われる。赴任前夜、正樹は桐谷高校を訪れ、教頭の影山勉(手塚とおる)に会い、2年3組の副担任を任される。その後、音楽室に立ち寄り、ピアノを弾き始めると、ピアノの下に隠れていた2年3組の生徒・和泉冴と目が合った。冴は、同級生の朝比慎太郎(髙橋優斗)ら数人の仲間と学校に忍び込み、あるものを探していた。しかし、影山に見つかってしまったためバラバラになって逃げ、音楽室に隠れたのだ。正樹は、冴が逃げる際に落としていった1枚の紙に気づき・・・。
第2話
正樹の大学時代の先輩で、桐谷高校を突然辞職したまま行方不明となっていた元音楽教師の小坂由希乃が遺体で発見された。殺人事件を視野に捜査を開始した警察は、桐谷高校を訪れて教職員から話を聞くとともに、由希乃の私物を押収していった。2年3組担任の加賀美は、生徒たちに由希乃のことを伝えた。夕方、正樹が音楽室を訪れると、そこに冴もやってきて、一緒にピアノを弾く。冴は、ピアノを弾く手を止めて「どうして死んじゃったんだろう」と正樹に尋ねると正樹は、死亡原因は解剖して調べないと分からないと返す。
第3話
冴は、映像研究部の部室でハンディカメラに残されていた映像を見ていて、由希乃が部員たちに残していたメッセージを見つける。そして、由希乃がカメラの前で話している最中に、加賀美が現れる。「もう終わりにしたい」という由希乃に、「終わらせるくらいなら、僕は全部捨てる」と返す加賀美。冴は、正樹に電話をかけ、留守番電話に由希乃と付き合っていた相手がわかった、とメッセージを残す。するとそこに、加賀美が現れた。冴から事件のことを問われた加賀美は、由希乃の殺害を否定するが、カメラをこちらに渡すよう迫ってきた・・・。
第4話
冴は「美南彼方」の名前で小説家として活躍している愛菜美と再会し「私の夫」といって正樹を紹介される。シェアハウスに戻った冴は、ショックで一睡もできなかった。翌朝、冴と莉子は、慎太郎から新たにシェアハウスの住人となる村上晴翔を紹介される。一方、冴がアルバイトをしている「コアスパーク」では、セカンドパートナーを探すためのマッチングアプリ「セカプリ」の新規登録者獲得を目指してパーティーを企画していた。冴は、社長の路加から意見を求められ、相手がいるにも関わらず、不倫を推奨するふしだらな場、などと発言するが・・・。
第5話
冴は、正樹がケガをして入院していることを知り、慌てて病院へと駆けつける。病院の屋上にいた正樹を見つけ、ようやく落ち着きを取り戻すが、そんな冴を何も言わずに抱きしめる正樹。我に帰り、冴から体を離した正樹は「ごめん」と言い残して去っていく。「コアスパーク」社長の路加は、SNSで正樹に関する情報を調べ、正樹が教師を辞めたのは冴との写真が出回ったせいだと知る。別の日、路加は愛菜美とコラボ小説の打ち合わせをする。愛菜美は、主人公が結婚生活を守るためにセカンドパートナーを決める、という路加のアイデアを元に、次回までに草案を出すことにする。
第6話
愛菜美は、5年前に正樹と冴の盗撮写真をネットに拡散したことを認めた。愛菜美がこれまで優しくしてくれたのは冴をコントロールするためだったと知り、愛菜美の本性を正樹に知らせようとするが、愛菜美の妨害に遭い、タイミングを逸する。一方、正樹と路加は、コラボ企画の「セカプリゾート」の記者発表の準備を進めていた。路加は、ユーザーが記者発表と同時にサービスを利用できるよう、リゾート施設のリノベーションの完成を早めてほしいと正樹に依頼する。冴が会社にやってくると、何故か母親の静が来ており、社員たちに菓子を配って回っていた・・・。
第7話
正樹と路加は、コラボ企画の準備を進めてきたが、路加が記者会見当日に別の不動産会社と組むことを発表し、正樹とモノリスエステート社を裏切った。路加は、モノリスエステート社の下請け会社に勤めていた頃、賢治から受けた仕打ちを忘れておらず、復讐の機会を狙っていた。モノリスエステートの社長・碓井賢治は激怒し、正樹に路加を潰すよう命じる。さらに、正樹は、路加の企みを知っていたにもかかわらず、自分にそれを伝えなかった妻・愛菜美への不信感を募らせる。モノリスエステートの悪どい手口の数々を調べていた路加は、証拠が欲しいと正樹に告げ、「俺につかないか」と持ちかける・・・。
第8話
正樹は、愛菜美との離婚を決意し、冴に今の自分にケリをつけて必ず迎えに行くから待っていてほしいと告げる。そこに、路加から電話が入った。愛菜美が繁華街でひったくりに遭い、転倒した際に頭を打って病院に運ばれたという。そして、正樹は病院に駆けつける。警察官によれば、愛菜美から連絡を受けて駆けつけた路加のおかげで、大事には至らなかったらしい。治療を終えた愛菜美がマネージャーに連絡するために席を外した際、正樹は路加に、碓井家に復讐したいのなら勝手にすればいいが愛菜美を利用するなと忠告する。すると路加は、愛菜美を一番利用し、追い込んだのは正樹だ、と言い放つ。
第9話
正樹が働くはずだったピアノ教室の壁に、何者かによって正樹を中傷する落書きをされた。冴は、慎太郎の靴に赤いスプレーが付着していることに気づき、彼を問い詰める。そんな冴を、慎太郎を壊したのは冴だと莉子は非難する。慎太郎は、自分がやったことのけりは自分でつけると言う。そして住んでいるシェアハウスに、立ち退きの話が出ていることを明かす。正樹は、ピアノ教室の経営者・野水百合子に謝罪し、すべて弁償すると申し出る。心配してやってきた冴に、すぐに新しい仕事を探すから大丈夫だと言って安心させようとするが・・・。
第10話
正樹のもとに、服役中の元同僚・加賀美から「すぐそばに禍が迫っている。過去からは、逃れられない」と書かれた手紙が届く。加賀美と接見した正樹は、手紙の言葉の意味を尋ねると、それには答えず、愛菜美との結婚や、現在、冴と交際していることに触れ「あの時、俺が言った通りになったな」と言う。一方、路加は「セカプリ」の顧客情報流出の責任をとり、代表の座を退くと発表する。冴は、木之本が関係しているのではないかと路加に告げるが・・・。一方「モノリスエステート」社長の賢治に「これでもう私がこの会社にいる必要はないのでは?」と問う正樹。すると賢治は「これが最後だ」といって正樹にある書類を渡す・・・。
第11話 最終回
正樹は、過去の家族写真を見て、晴翔が加賀美の息子であると知った。これまで、正樹と冴の仲を引き裂こうと暗躍していた正体不明の人物「Hermit」も晴翔だったのだ。正樹は、晴翔から「いま冴と一緒にいる」と呼び出され、かつて教師をしていた桐谷高校へと走る。桐谷高校の屋上で、冴は晴翔から小坂由希乃を殺したのは自分だと告げられる。晴翔は、自分の母親を死に追いやり、家庭を壊した小坂と、そのことで加賀美を追及した正樹を憎んでいた。「俺は決めたんだ。新田をじわじわと追い詰めてやるって。ここから一緒に飛び降りたらあいつなんて言うかな」。晴翔は笑いながらそう言って冴に近づいていく。
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(フジテレビ、木曜劇場「純愛ディソナンス」より)
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