第1話
南アジアのサルウィンで腐敗政府を倒した、反政府運動のリーダー・アイシャが親善目的で来日する。右京は、なぜかパーティーに招待され、会場に向かうとサルウィンに渡っていた元相棒・亀山薫の姿があった。パーティーには、鑓鞍兵衛や片山雛子といった政治家や、外務省幹部の厩谷など要人が招かれていた。厩谷は外交通で、アイシャをサポートするミウらサルウィン側との関係も良好な人物だ。そんな中、薫のスマホに「アイシャを殺さなければ、旅客機を墜落させる」という脅迫文が届く。その便には、薫の妻・美和子が搭乗していた。タイムリミットは4時間。右京と薫は、手分けして脅迫者を追跡するが、その矢先、会場の一角で、思いも寄らない事件が起こる・・・。
第2話
テロ予告のあった旅客機は無事に着陸したが、サルウィン反政府運動のリーダー・アイシャが自殺し、右京は責任を問われ謹慎処分となる。一方、捜査一課では、脅迫されていたのは、計6人いたという情報を把握するが、脅迫犯に関しては目星さえつけられていなかった。そんな中、薫は親善使節団のメンバーという立場を利用して、厩谷に右京の捜査復帰を官邸に働き掛けてほしいと直談判する。ところが、そこに右京が現れ「くだらないまねは慎んでください」と薫を一喝。右京と薫は早くもぶつかり合う。そして、また一人、新たな犠牲者が・・・。
第3話
池袋で輸入雑貨店の店長が殺害された。現場近くで発見された血の付いたフライトジャケットや目撃者の証言などから、薫が容疑者として浮かび上がる。そして被害者は、覚醒剤の売人だったことが判明する。更に、薫は事件絡みの前科者のリストアップを角田に頼んでいて、そのリスト中に被害者がいたことも分かる。美和子によると、薫は最近、運転免許試験場に異動させられていた当時に世話になった塩見という人物について調べていたという。しかし、塩見は4年前に事故死していた。一方、池袋中央署の羽柴という刑事が、伊丹が薫の逃亡を助けているのではないかと上層部に進言し、伊丹は捜査から外されてしまう。
第4話
右京と薫は、乗り込んだタクシーで血痕の付いたマフラーを発見する。運転手から直前に乗せた乗客の情報を聞き出すと、その乗客の男は帰宅前、ロープを買っていたという。不穏な空気を察して追跡すると、男は両親の遺産を食いつぶして暮らす堂島という独身の遊び人と判明。薫は伊丹に、堂島の周辺で何か事件が起きていないかと尋ねるが、捜査一課は強盗殺人を扱っており、それどころではないとあしらわれる。右京は、堂島が何らかの事件を起こし、死ぬつもりならば、警察を名乗るのは危険と考え、身分を隠して接触する。一方、薫は右京の指示で聞き込みを開始すると、堂島が最近、若い女性と新生活を始める準備をしていたという情報が。
第5話
大学構内に爆発物を仕掛けた男から、警察を挑発する動画が届いた。男は顔を隠そうとせず、自ら素性を明かすような行動を取ったため、犯人はその大学に籍を置く平山翔太という学生であることが判明。右京と薫は先月、同大学で女子学生が実験中に死亡する事故があったことを知り、今回の爆弾事件との関連を捜査する。そして、その実験計画書には平山の名前があり、本人の供述も不自然だったため、殺人の可能性も疑われていた。そんな中、共同研究者である准教授の三沢が、平山に監禁されていることが発覚する。更に平山は、自ら警察と接触し、女子学生死亡事故の再調査を要求してくる・・・。
第6話
右京と薫は、泥酔して路上で寝込んでいた男性から財布を盗んだ中年男を逮捕する。男はのらりくらりと素性を隠すが、所持品から1か月ほど前に河川敷で殺されていた、伊藤という男性の財布が見つかった。捜査を担当していた県警によると、死因は、頭部殴打による脳挫傷で、伊藤の遺体はニヤッと笑っているように見えたという。右京と薫は越境捜査を開始すると、詐欺まがいの寝具会社に勤めていた伊藤が、元お笑い芸人だったと判明。しかし、伊藤は、愛想笑いのひとつもできない気難しい男で、17年前まで相方だった紗矢と決別していた。
第7話
「20年前の連続通り魔事件の犯人が動き出す」と書かれた告発文が特命係に届く。20年前、若い女性を狙った強盗事件が7件連続で発生し、7人目の被害者である15歳の少女が亡くなった。メディアでも大きく取り上げられた事件で、伊丹も捜査本部にいたが、犯人を特定できず、迷宮入りしてしまったという。右京と薫は、手掛かりを求めて、亡くなった少女の母を訪ねるが「そっとしておいて」と追い返されてしまう。そんな中、夜道で女性が襲われる通り魔事件が発生する。
第8話
警視庁捜査一課の刑事・伊丹が、夫や子供もある女性に横恋慕し、首席監察官・大河内の聴取を受けていた。発端は二日前に起きた殺人事件。投資会社勤務の大久保という男性が自宅で殺害され「え」「つ」と読める血文字が発見された。容疑者として浮上したのが、篠塚というチンピラ。大久保は2年前に、ひったくりで逃走中の篠塚を、取り押さえていた事から、捜査一課はお礼参りの線で篠塚を追跡する。その矢先、篠塚の立ち寄り先として目星を付けていたアパートに、女性が子供と帰宅したところ、伊丹が強引に室内に押し入った。その女性は、篠塚の妻・由香子で、弁当店に勤め、伊丹は店の常連客だった。
第9話
白いコートの女「丑三つのキョウコ」に出会ったら「心臓をえぐり取られて殺される」と言う都市伝説が話題となっていた。そんな都市伝説に興味津々の右京と、否定的な薫。そんな中、胸を刺されたフリースクールの代表を務める男性の遺体が発見される。そして、死亡推定時刻に現場の近くを白い服の女が徘徊する姿が撮影されていたことが判る。一方、撮影された「キョウコ」は偽物だと主張する人物も現れた。その人物は、現場から離れた場所で、血だらけの女を目撃したという。薫は、殺害されたフリースクールの代表が、問題を抱える子を自宅から連れ出し、親から金を取ったら放り出すという、悪質な商売をしていたという情報を掴んでいた。
第10話
右京と薫は、角田に頼まれ、宝石窃盗グループの一斉逮捕に参加し、取り逃がした犯人をしらみ潰しに捕まえる継続捜査にも協力する。そんな中、容疑者の一人が、黒いコートの女に追い掛けられ、歩道橋から転落死する事件が発生。右京と薫は、転落死した男のアパートで黒いコートの女に遭遇するが、事情を聞く前に姿を消されてしまう。目撃者の証言によると、女はダイヤを探していたという。右京と薫が周辺を捜査すると、転落死した男が最近、誰かを強請ろうとしていたことが分かる。その男の発信履歴から都内の輸入雑貨店を訪れると、店主は激しく動揺し、恐喝の被害者ではないかとあたりをつける。
第11話 元日スペシャル
全国の美術館で窃盗が相次ぎ、広域重要指定になっていた事件が、捜査権のない民間の探偵社「熟年探偵団」によって解決された。しかし、お灸を据える意味で「熟年探偵団」を名乗る三人組・大門寺、串田、野崎を、建造物侵入の容疑で逮捕し、執行猶予付判決を受けた。そんな中、元与党政党会長で、政界に多大な影響力を持つ大物衆議院議員・袴田茂昭の屋敷に「邸内の金塊を盗む」という予告状が届く。袴田は一年前、右京に殺人教唆の罪を暴かれそうになるも、当時の秘書に罪をなすりつけた人物で、警察に介入されたくない袴田は、息子・茂斗を通じて「熟年探偵団」に捜査を依頼する。「熟年探偵団」に興味を持った右京と薫は、探偵事務所を訪問すると、そこには茂斗の姿が・・・。双方をマークすることにした右京と薫は、依頼を受けて袴田家を訪れていた探偵団に乗じて、邸内に入り込む。
第12話
ある日、右京と薫が車で住宅街に出ていたところ、小学生くらいの男の子に声を掛けられる。父親とみられる南野という男性と一緒で「財布を落として帰れないので、家まで乗せてほしい」と頼まれ、マンションまで送るが、右京は2人の様子に違和感を覚える・・・。同じ頃、都内で住人が刺殺される事件が発生。被害者は、半グレのメンバーで、5年前に押し込み強盗で5千万円もの大金を奪った前科があった。最近、主犯格の男が刑務所内で急死し、5千万円も未だに見つかっていないことから、今回の刺殺と関連があると思われた。そんな中、子連れの男が逃げるのを見たという証言があった。
第13話
右京は、薫と共に画家・牧村遼太郎の展覧会に訪れると、ナイフを手にした男が「椿二輪」という油絵を切り裂き、来場者に怪我を負わせる事件が発生する。「椿二輪」は、遼太郎が自身と愛人を二輪の花に例えたといわれ、完成直後に心中を企てていた。遼太郎は亡くなったが、心中相手の女流画家・大宮アカネは、一命を取り留めた。遼太郎の妻・智子は、自分こそが「椿二輪」のモデルだと主張し、アカネによる殺人だと訴えていた。確かに不可解な心中事件で、遼太郎が自分の胸にナイフを突き立てていたのに対し、アカネは神経毒を摂取するというチグハグなものだった。
第14話
美和子が取材先の民家で襲われ、現場からホームヘルパーの男性遺体が発見される。美和子は、その家に住む柳沼勝治という元受刑者の妻を取材しようとしていたようだ。勝治は15年前、通り魔殺人犯として服役していたが、出所が間近に迫った半年前、脳梗塞で倒れ寝たきりになる。世話は、獄中結婚した聖美という女性が担っていて、聖美の心境を掘り下げることが、美和子の取材テーマだった。右京と薫は、勝治と聖美から事情を聞く。勝治は、体を動かすことも話すこともできなかったが、瞬きや端末への視線入力で意思疎通は可能だった。勝治は「犯人は私も殺そうとしていた」と証言し、聖美によると、勝治の出所後、悪質な嫌がらせが頻発しているという。
第15話
薫は、顔馴染みだったゲイバーのママ・ヒロコと再会するが、その矢先、公園で男性の遺体を発見する。男性はルポライターの鬼塚。妻はノエル美智子というペンネームで少女向け小説の人気作家だった。鬼塚は、美智子のデビュー作を握っていて、何らかのダイイングメッセージとも思われた。事件に興味を持った右京が、美智子から事情を聞くと、鬼塚が死亡した晩、彼女も同じ公園で炊き出しのボランティアをしていたという。鬼塚は、そこに集まった生活困窮者たちを取材中に、何かのトラブルに巻き込まれたのか?そんな中、ヒロコから、困窮者を食い物にしていた半グレ集団が、鬼塚を脅していたという情報を聞く。
第16話
美和子と薫の夫婦喧嘩が勃発し、美和子の提案で、自然豊かな山荘に泊まり掛けで夫婦カウンセリングを受けることに・・・。興味を持った右京は、小手鞠に頼み夫婦を装って参加する。カウンセラーは、橘志織という女性。美和子の狙いはカウンセリングではなく、実は別の思惑があり、右京の興味も別にあった。志織がカウンセリングに使っている山荘は、40年前、二人組の強盗が奪った10億の財宝を隠したと噂される曰く付きの物件で、逃げ続けていた強盗犯の一人が殺害され、その犯人が財宝を探しに山荘に姿を見せるのではないかと推理したのだ。そして、志織のカウンセリングが始まる・・・。
第17話
出資金だけを奪うあくどい商売をしていたイベント会社の経営者が、死後3日経って撲殺遺体で発見された。右京は、一人の少年がその建物にカメラを向けていることに気付き、調べて見ると、数年前から毎日欠かさず同じ建物の写真がSNSにアップされていた。右京と薫は、撮影ポイントでカメラを手にした奥山幹太という高校生から話を聞くと、幹太は何かを隠している様子で、上手くはぐらかされてしまう。その直後、幹太の幼馴染みだという杏子に話し掛けられる・・・。そんな中、捜査一課が出資金の件でもめていた男を連行し、犯行は否認したものの、被害者には詐欺仲間がいた可能性が浮上する。右京と薫は、写真を通じて幹太と交流がある大塚あゆみという人気カメラマンからも事情を聞と・・・。
第18話
イベント会社社長が刺殺される事件が発生し、被害者には裏カジノの運営疑惑があった。内輪揉めか対立組織の仕業が疑われたが「亡霊に呪い殺された」という不可解な証言もあった。亡霊に興味を持った右京と薫が捜査を始めると、死の直前に「呪いのビデオを見た」と言っていたという。更に現場には小桜千明という俳優の自主制作映画のパッケージが、床に落ちていた。そして、右京は物陰から現場を覗き見る不審な男に気付く。周辺を捜査する右京と薫は、小桜に目を掛けている所属事務所の先輩・藤枝からも話を聞くが、目新しい情報は得られない。その後の聞き込みで小桜は、高校時代に演劇部に所属していて、仲の良かった4人組の同級生が、事件にかかわりを持っている可能性が出てきた・・・。
第19話
右京と薫は、奥多摩の山中にいた。角田から大きな物音がしたという通報の確認を頼まれたのだった。そして、山間の集落で聞き込みをしていると、何者かの襲撃を受けて拉致されてしまう。監禁場所を何とか抜け出すことができたが、襲撃犯の目的も人数も不明で、おまけにスマホも奪われてしまった。右京と薫は敵を惑わすために二手に別れるが、そこは地図もコンパスもない山の中で、遭難寸前の状態で歩き回ることに。そんな中、右京は偶然見つけた山小屋で、怪しげな男と遭遇し、1ケ月ほど前に、白装束に身を包んだ謎の集団を目撃したというが・・・!?一方薫は、集落に住む一人の青年が、行方不明になっているという情報を耳にする。
第20話
遺骨の盗難が、去年から断続的に発生していて、全国各地の遺族宅に「13」を名乗る犯人から「日本を再生不能にした戦犯を処刑する」というメッセージが届く。13が言う戦犯とは、いずれも故人のことで、処刑は遺骨を叩き潰すこと。警視庁は事件の全容が不明瞭であるという理由から隠蔽し、それには、元官房室長・小野田公顕(岸部一徳)の遺骨が含まれていることも起因していた。一連の経緯をふまえ、右京は小野田と因縁深い米沢守(六角精児)に協力を要請。更に、二代目相棒・神戸尊(及川光博)が突然、特命係にやってくる。一方、私塾「ながとろ河童塾」塾長の葛葉宰三は、被害者遺族の真野正義ら塾生たちと、ある行動を起こしていた・・・。
第21話 最終回
遺骨盗難事件を追っていた右京と薫は、わずかな手掛かりから犯人が学校にかかわる者ではないかと推理する。13を名乗る犯人グループがたどったルートを鉄道マニアの米沢と共に解析する。その頃、尊と美彌子は、密かに初会合を設け、それぞれの思惑を交錯させていた。そんな中、遺骨が盗まれた小野田元官房室長の小野田家をはじめとする被害者宅に、二通目のメッセージが届く。そのメッセージには、身代金について書かれていたが、受け渡しの方法と金額は予想外のもので・・・!?そして、被害者家族の中の2家族が、断固としてそれを拒否。右京は、その2家族の内の一軒である真野家を訪れ、応対に出た中学生の息子・正義に何か違和感を感じる。
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(テレビ朝日「相棒 21」より)
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