第1話
神奈川県警捜査一課の武蔵三郎は、1年前に起きた「ガソリンスタンド立てこもり事件」で人質を守るために犯人の命を奪ってしまった。それ以来、自分を責める武蔵は休職し、妻・裕子(比嘉愛未)、娘・えみり(吉田帆乃華)とも別居し、心の傷が癒えないまま、裕子が勤める大病院「界星堂病院」で治療を受け続けている。今日も心療内科で診察を受けるため、病院にやってきた武蔵。一般病棟には院内を視察する知事・長門道江(筒井真理子)の姿があった。診察を終えた武蔵は裕子のスマホにメッセージを残そうとするが、なぜか圏外・・・。不思議に思いながらトイレに入ると、奥の個室から、かすかな時計の針の音が聞こえ、気になって扉を開けると、突然の爆発音に院内は騒然!その直後、1階の救急入口から鬼の面をかぶった武装集団が次々と院内に侵入してくる!
第2話
鬼とドローンに追われ、絶体絶命の武蔵は、それらを振り切り、何とかエアダクトに逃げ込む。現場指揮本部のさくらから、エアダクトがICUにつながっていることを聞いた武蔵は、そこに人質がいないか確認するためエアダクトの中を進んでいく・・・。一方、鬼たちは動画配信チャンネル「百鬼夜行ちゃんねる」を開設する。「チャンネル登録者数が10万人を超えたら病院内のライブ配信を行います」と告げると、登録者数は一気に増えていき・・・。エアダクトの中を進んで行った武蔵は、ICUに閉じ込められている裕子たち人質全員の無事を確認する。しかし、再びドローンの追撃が・・・!
第3話
青鬼の次なる標的は、書籍を出版しテレビでも活躍するタレント医師・土佐大輔。鬼が示した条件は、午後8時20分までに土佐の罪を明らかにしなければ、命はないというもの・・・。残された時間は少ないため、武蔵は青鬼のヒントをもとに「クラブ・タンゴ」へ急ぐ。「百鬼夜行ちゃんねる」はバズり始め、登録者数は約30万人に到達。そして、県警のSNSには国民からの応援メッセージや土佐に関するタレコミ情報が次々と届き始める。その中に、去年のハロウィンの日の「クラブ・タンゴ」映像が・・・。一方、ICUに閉じ込められている裕子は、看護師のしおりが重い病を患っていることを知り、彼女を解放してほしいと橙鬼に訴えるが・・・。
第4話
武蔵は、廃ビルでの爆発から危機一髪で逃れ、現場指揮本部に急いで引き返すが、青鬼との交渉再開時刻に僅かに遅れてしまう。怒った青鬼は裕子の頭に銃を突きつけ、武蔵に「あること」を問う・・・。さらに青鬼は、次の標的として人質の中から長門知事を選び「午後11時5分までに、4か月前に死亡した界星堂病院の医師の死の真相を突き止めてください。できなければ知事を殺します」と告げる。死因は急性心筋梗塞とされていたが、武蔵が調べを進めると、その死の裏に院長・播磨の名が浮上する・・・。そんな中、人質のひとり、佐渡が不穏な動きを・・・。
第5話
武蔵の娘・えみりが鬼に拉致された。えみりは、どこかの冷凍庫に閉じ込められて意識がなく、早急にに救い出さないと命が危ない。武蔵は、えみりが拉致された現場に駆け付け、防犯カメラに映っていたワンボックスカーを追う・・・。埠頭でワンボックスカーを発見し、付近の冷凍庫を捜索しようとするが、意外な監禁場所が判明して、武蔵の必死の追跡が始まる!一方、界星堂病院では、青鬼の身代わりとなって撃たれた佐渡が出血性ショックを起こし意識不明になっていた。一刻も早いオペが必要で、裕子はオペ経験のある看護師を病院に派遣してほしいと要請する。そんな中、因幡が、ついにイナバウアーチャンネルで鬼の映像を公開する。
第6話
武蔵は、界星堂病院院長の播磨が犯した罪を暴くため、相模と共にホテルオシマに潜入する。青鬼が指定した3時間以内に播磨の罪を明らかにしなければ、播磨の命はない。一方、界星堂病院では、灰鬼と桃鬼が裕子の前で面を外して素顔を見せる。「常陸先生・・・」と驚愕する裕子。常陸と亜理紗は鬼となった理由を明かすと、裕子に「ある作戦」の協力を求める。そして「イナバウアーチャンネル」と「百鬼夜行ちゃんねる」のコラボ配信が始まり、因幡が青鬼にインタビューを敢行する・・・!ホテルオシマの地下駐車場の防犯カメラには、1年前に播磨がホテルから何かを持ち出す様子が映っていたが、ホテル内の映像は全て消去されていた・・・。武蔵は播磨の罪を隠蔽しようとした人物にたどり着くが・・・。
第7話
爆弾が仕掛けられた横浜北署の取調室で、武蔵は界星堂病院の播磨院長・を取り調べる。1時間以内にホテルオシマで死亡していた3人の死因をなぜ隠蔽したのかを自供しなければ爆弾が爆発してしまうが、播磨はすっかり恐怖に震え、まともに話ができる状態ではない。一方、病院では、SISが侵入したことを知った鬼たちが総力を挙げて排除に動き出す!シェルター内の裕子たちは、外部との通信を断たれ不安に襲われる中、モニターに「ある表記」を見つける。一向に口を割らない播磨に対して武蔵は、このままではらちが明かないと考え、爆弾解除の方法を考え始めるが・・・。そんな中、県警本部長の備前が記者会見に向けて動き出す。
第8話
横浜北署の取調室で、界星堂病院院長・播磨が銃殺された事で、武蔵は殺人の疑いをかけられてしまう。そして武蔵のスマホに、青鬼・耕一から着信がある。耕一は、播磨を殺したのは警察内部の人間だと言い、午前8時の配信までに真犯人を暴いてみせろと武蔵に告げる。配信開始まであまり時間がないため、武蔵は隙を見て横浜北署から逃走する。県警本部長の備前は、武蔵を鬼の協力者と断定し、さくらに武蔵の確保を命じる。さくらは迷いながらも、組織の一員として苦渋の決断を下し、管内の警察官が一斉に武蔵の確保に乗り出す!決死の大逃走劇の末、武蔵が掴んだ真実とは・・・!!
第9話
武蔵が実は紫鬼だった相模と対峙し、相模に向かって銃を構えるが、銃を握るその手がかすかに震えてしまうのだった・・・。青鬼の耕一は「界星堂病院にまつわる全ての罪を明らかにしなければ、知事を殺します」と県警に最後の要求をする。銃を突き付けられた知事の長門は、自分のことには構わず、鬼たちの要求に応じないよう県警に訴える・・・。さくらは長門の意をくみ、これ以上テロリストの要求には応じないと決断し、現場の指揮を丹波に任せ、部下の相模を自ら取り調べようとする。そんな中、長門と共に界星堂病院の地下4階に連れてこられた裕子は、ここが何かの研究施設であることに気付く・・・。そして明らかになる相模の悲しい動機と、界星堂病院の地下4階の秘密が暴かれる!ついにたどり着くP2計画の全貌とは・・・!?
第10話 最終回
愛する人の命を優先する青鬼・耕一の正義と1億2000万人の命を優先する長門の正義、どちらが正しいと思うか国民にネット投票を呼びかけた。国民が耕一の正義を選べば、長門の命は無い。果たして国民が下す審判は・・・?一方、県警はついに耕一の素性を突き止める。耕一と赤鬼・美作、黒鬼・みさき、P2計画の犠牲になった琴音との間には、特別な絆があった。さらに耕一にはもう一人、かけがえのない大切な人がいた・・・。そして武蔵は、いよいよ鬼たちとの最後の戦いへ!ついに最終決戦へ!
(日本テレビ、土曜ドラマ「大病院占拠」より)
|