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第１話
のどかな海街にある「マロニエ産婦人科医院」で働く35歳の産婦人科医・雪宮鈴。ある医療裁判がきっかけで、大病院を追われた彼女は、窮屈で息苦しい社会の中で心がすり減り、孤独な毎日を過ごしていた・・・。そんなある日、鈴は息抜きのためソロキャンプへ。一人で酒をあおり、燦然と輝く星空を見上げたその時、１人の青年・柊一星（北村匠海）が現れる。彼は何も語らず、冬の星空の下で、何枚も何枚も、鈴に向けてシャッターを切る。しかも、鈴の酒を勝手に飲み始めたかと思えば、寒さに震える彼女に自分のマフラーを巻いてくる。そんな不思議な青年に戸惑いつつも、酒の力もあいまって、そのまま鈴と一星は、キスをして・・・！？
第２話
星降る夜に出逢った、音のない世界で生きる遺品整理士・柊一星。そんな彼と運命の再会を果たした産婦人科医・雪宮鈴。亡き母の遺品整理を通し、二人の距離はどんどん近づいて行く・・・。一星と共に映画を楽しんだり、ハンバーガーを食べたり・・・。2人の年齢が10歳差だと知っても「たった10コだろ」と気にも留めない無邪気な一星。仕事終わりの鈴を居酒屋に誘い、親友の佐藤春を巻き込んで、鈴を非日常へと引き込んでゆく。そんな、うらやましいほど自由な彼と接するうち、窮屈に生きがちだった鈴の心は徐々にほぐれて行く。一方、鈴の勤務先である「マロニエ産婦人科医院」では、出産を終えたある妊婦が「子どもなんていらない」と言い放ち、現場は騒然となる・・・。
第３話
踏切越しに「雪宮鈴、好きだ」と伝える一星。走り寄り、2人は見つめ合い、キスをするのかと思いきや・・・。しかし、鈴の胸は密かに恋の予感に躍っていて・・・。翌日、手話教室の申し込みボタンを押す鈴。遺品整理ポラリス社長の北斗千明と遭遇し、2人は居酒屋で、一星が遺品整理を目指した理由が、彼の両親が亡くなったことがきっかけだと知る。一方、マロニエ産婦人科医院では、院長の麻呂川三平がみんなで息抜きに釣りに行こう言い出す。しかし当日やってきたのは、麻呂川と45歳の新人産婦人科医・佐々木深夜のみ！しかも、結婚記念日だったことを忘れていた麻呂川がまさかの途中離脱・・・。
第４話
柊一星の本質に心惹かれ、10歳差を超えて、彼のおでこにそっとキスをした雪宮鈴。また一歩距離を縮めた2人は、新たな日常の扉を開くことに。仕事の休み時間に、一星にリモートで手話を教わったり、一星の世界旅行時代の友人が経営するギリシャ料理店でデートをしたり・・・。鈴は、これまで知らなかった世界へ足を踏み入れるようになり、徐々に明るく、いきいきと生きるように変わり始める。そんなある日「マロニエ産婦人科医院」に一星の親友・佐藤春の妻・うたが来院。担当医の佐々木深夜が妊娠6週目だと伝えるも、うたは喜びとはかけ離れた表情を浮かべる。その後、春は再びマロニエ産婦人科に現れ、いつまでなら中絶できるんでしょうか？と・・・。
第５話
「鈴が大好き」「私も一星が好き」。鈴と一星は、想いが通じ合い、２度目のキスを交わした。その矢先、佐々木深夜から鈴に、緊急連絡が入る。一星の親友・佐藤春が、妊娠中の妻・うたを連れて、病院に飛び込んできたのだ！突然激しい腹痛に襲われたそうで、慌てて病院に駆けつけた鈴が、処置に取り掛かる。妻の身を心配し、パニックに陥る春。騒然とする院内で、一星はひとり、目の前の状況を理解することができずに立ち尽くす。そんな中、マロニエ産婦人科医院の公式SNSに「雪宮鈴は人殺し」という中傷コメントが突如殺到する。「人殺し」というワードを見て凍りつく鈴。鈴の脳裏には、かつて大学病院を追われる原因となった「5年前の事件」が甦る・・・。
第６話
鈴は、5年前、大学病院で働いていて、ある妊婦の命を救えなかったことが原因で訴えられた。SNSに「人殺し」という誹謗中傷コメントや盗撮画像をばら撒かれ、自宅まで襲撃された鈴は、犯人の存在に怯え震える。一方、愛する鈴を守るために、自宅へ駆けつけた一星は、先に来て、鈴を守っていた深夜の姿を見て思わず激昂する。親友・春も救えない自分の無力感も相まって、鈴に八つ当たりして飛び出してしまう。翌日、頭を冷やした一星は、鈴にちゃんと謝ろうと、星空デートに誘うが、待ち合わせ場所で鈴は、車の中で桜にキスされる一星を目撃する。そんな中「遺品整理のポラリス」の社長・北斗千明のもとに一通の手紙が届く。差出人は、桜を産んだ母親で、北斗と桜は実は血が繋がっていなかった・・・。
第７話
執拗に鈴のことを「人殺し」と誹謗中傷し、自宅まで襲撃した伴宗一郎が「マロニエ産婦人科医院」で外来診療の準備をする鈴の前に姿を現した！伴は、5年前に鈴が命を救えなかった妊婦の夫で、医療裁判を起こすも敗訴していた。薄ら笑いを浮かべながら、鈴に罵詈雑言を投げかけ、にじり寄る伴。そこへ深夜が現れ鈴を庇うと、伴は「また来ま～す」と不穏な言葉を残して去っていく・・・。その夜、鈴が仕事を終えて病院を出ると、なぜかスーツ姿の一星が現れ、そのまま鈴をドレスアップさせ、高級レストランへと連れてゆく。そこで鈴は、一生懸命守ってくれようとする一星を前に、法廷で「人殺し」と叫ぶ伴の声が耳から離れない・・・と苦しい胸中を打ち明けると、一星は、鈴の耳をふさぎ、手話で語りかける・・・「そんな言葉、聞かなくていい」。
第８話
5年前、鈴は伴の妻の命を救えなかった。伴はそれを逆恨みし、彼女への攻撃を激化させる。追い詰められ、周りを傷つけられ、ただ謝ることしかできなかった鈴を、一星と深夜はキャンプに連れ出す。美しい花火に誘われるように、声にならない叫びを吐き出し、号泣する鈴。一方、同じ星空を見上げている伴。マロニエ産婦人科医院に乱入するが、我が娘・静空の声をきっかけに、病院を後にした彼の胸には、あまりにも記憶がよみがえり、鈴に対する怒りは増大する・・・。時を同じくして、深夜にも異変が表れる。妻・彩子とお腹の中の子を同時に亡くした過去を持ちながら、それを感じさせないほど朗らかだった彼が、なぜか元気がない。その話を鈴から聴いた一星は「俺に任せろ」と、頼もしく宣言するが・・・。
第９話 最終回
伴は、妻の命を救えなかった鈴を5年間逆恨みしてきた。そして、自らの命を絶とうと海へ向かう。しかし、すんでのところで一星に全力で抱きしめられた伴は、まるで子供のように涙を流すのだった・・・。そんな伴の姿は、妻子を同時に亡くしてから10年・・・涙を流せないまま医者になった深夜の心の時計の針を、優しく進めてゆく。ある日深夜は、「遺品整理のポラリス」を訪れ、妻と暮らした家の整理を依頼する。そして迎えた遺品整理当日。鈴も見守る中、ポラリスのメンバー総出で、次々と遺品が片付けられていく・・・。そんな中、深夜の口から「僕が医者になったのは、復讐が理由でした」という言葉が零れだす。
（テレビ朝日「星降る夜に」より）
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