第1話
薬局で薬剤師をしている蛍と、郵便局員の悟郎は結婚して2年半になる夫婦。だが、ラブラブだったのは新婚当初だけで、生活習慣や価値観の違いから些細なことで言い争うようになり、すでに離婚の危機に直面していた。実は、蛍は甲賀忍者の末裔、悟郎は伊賀忍者の末裔と言う裏の顔があり、今もなお敵対関係が続いていた。そんな中、蛍は、与党民事党の国会議員・赤巻章介のスキャンダルを掴めとの指令を受ける。一方、周辺の怪しい動きを察知した赤巻サイドは、秘密裏に伊賀一族に身辺警護を依頼し・・・。
第2話
薬剤師の仕事をしながら、忍びとして暗躍する甲賀忍者の蛍は、与党民自党の国会議員・赤巻章介の違法薬物使用疑惑の証拠を掴むよう命じられた。赤巻邸に侵入した蛍は赤巻と対峙したが・・・。一方、郵便局員として働く伊賀忍者で、蛍の夫・悟郎は、赤巻邸を警護中に不審な人物を発見し、手裏剣で攻撃したが、あっさりかわされて逃げられてしまう。そしてその後、毒殺された赤巻の遺体を発見する。すれ違いばかりの夫婦生活に業を煮やした蛍は、悟郎に離婚届を突きつけて、父・月乃竜兵のアパートに身を寄せていた。そこで蛍は、妹の雀に赤巻邸での出来事を話す。
第3話
蛍と悟郎は、ついに離婚することで話がまとまる。そんな中、蛍に「チャリティーイベントを狙った爆弾テロを阻止せよ」という指令が下る。イベントでは、甲賀が支持している野党・未来党の党首が挨拶をすることになっていて、爆弾テロ情報は、赤巻議員を殺害した甲賀忍者をおびき出すために、伊賀が仕組んだ罠だった。悟郎たちの働く郵便局の局長であり伊賀忍者である熊沢治は、イベントに悟郎たちが潜入し、テロの阻止に動きだす甲賀忍者を捕らえよと命令する。一般参加者に怪しまれないよう、パーティーには家族同伴で参加しなければならない・・・。
第4話
甲賀忍者の蛍は、イベント会場を狙った爆弾テロの際、爆発する直前に夫の悟郎が自分のことをかばったことで、悟郎は爆弾があることを知っていたのではないかと疑念を抱く。一方、伊賀忍者の悟郎も、蛍のカバンの中から爆弾を仕掛けた場所の地図を見つけ、蛍がテロに関わっているのではないかと疑う。同じころ、伊賀忍者の音無祐樹は、自宅のリビングで、イベント会場に設置した監視カメラの映像をチェックしていて、何かに気づき、焦り始める。夫の様子がおかしいことに気づき、妻の恵美が声をかけると「任務のことに口出しするな」と言い放って家を出ていってしまう。翌日、郵便局に出勤した悟郎は、局長で伊賀忍者の熊沢治から、音無が本部からの呼び出しを無視し、姿を消したことを知らされる。
第5話
悟郎は、伊賀の本部に呼び出され、赤巻議員の遺体発見直後の防犯カメラ映像を確認すると、蛍によく似た背の高い女性が映っていた。その女性は、蛍とまったく同じ足の癖のがあった・・・。伊賀の上層部には、とっさにわからないと答えた悟郎だが・・・。悟郎は、忍者居酒屋「NINNIN」に立ち寄り、赤巻議員の事件や爆弾テロ騒ぎの際の蛍の言動を頭の中で検証するが、決定的な証拠となるような出来事は思い当たらず、混乱する。蛍は、いつまでたっても帰って来ない悟郎に憤慨するが、そこへ妹の月乃雀から、姉の楓が意識不明で病院に救急搬送されたという連絡が入る。ちょうどそのタイミングで帰ってきた悟郎をなんとか誤魔化した蛍は、病院へと向かうが・・・。
第6話
蛍と悟郎は、互いに甲賀忍者と伊賀忍者だったことを知る。「知ってしまった以上、けりをつけるしかない」。帰宅した悟郎と、それを出迎えた蛍は、互いに武器を隠し持って対峙する。蛍と悟郎は、夕食の間も相手の一挙手一投足に目を光らせていたが、心の準備ができておらず、行動を起こすことはできなかった。「明日こそ」。ふたりはそう決意し、眠れない夜を過ごす。翌朝、ストレッチしていた蛍は、突如背後から投げられた棒手裏剣を素早くキャッチ!そして激しくやりあい始めた蛍と悟郎は、お互いの能力の高さに驚きつつも、互角の闘いを繰り広げる。
第7話
蛍と悟郎は、互いの正体を知り、自宅で激しい戦闘に突入するが、その間にも幸せだった時のことを思い出してしまう・・・。闘いの最中、悟郎は「好きだ」といって蛍を抱きしめると、蛍も悟郎にキスをして応え・・・。闘うことを止めた蛍と悟郎は、改めてここ最近の間に起きた出来事を整理する。「蛍が赤巻議員の家をドローンで偵察した」「それが原因で悟郎は蛍と約束したレストランに行けなくなった」「蛍が赤巻邸に忍び込んだときにはすでに赤巻議員は死んでいた」「イベント会場の爆弾は甲賀を捕らえるための罠だったはずが、上の命令で本物の爆弾にすり変えられていた」翌朝、悟郎は、赤巻議員を殺害した犯人を捜そうと蛍に提案する。伊賀と甲賀の結婚という大問題以前に、まず蛍の無実を証明したいというのだ。
第8話
蛍が夫の悟郎といい雰囲気になった瞬間、蛍の携帯が鳴り、電話に出ると、危険を知らせる甲賀の合図「運命」のメロディーが流れてくる。すると音無祐樹と風富小夜が草刈家を訪ねてきて、蛍は2階の寝室に身を潜めた。悟郎は、何も気づかないふりをして、ふたりを迎え入れると、小夜は「甲賀の背の高い女って、蛍さんだよね?」と切り出す。蛍が雀のストーカーを捕まえたときの身のこなしや、イベント会場に男装して潜入し、爆弾を処理した雀の名前を知っていたことなどの証拠を上げる。しかし悟郎は「蛍は甲賀なんかじゃない。普通の人だよ」と言って何とか追及をかわそうとするが、シンクにあった食事の形跡に気付き、蛍が隠れているのではないかと疑う。そして、小夜が2階を調べに行ったときには、蛍の姿はなく・・・。
第9話
蛍は、殺害された赤巻議員と音無の間に、薬物を通じて接点があった証拠を掴み、議員を殺害した真犯人は音無ではないかと疑う。そして蛍は、伊賀の本部に向かっていた夫の悟郎に知らせるが、悟郎は何者かに襲われて拘束されてしまう。目を覚ますと、悟郎の前に立っていたのは音無たち伊賀忍者だった。音無は、蛍から何を聞いたのか、と悟郎を問い詰め、悟郎は、音無とふたりだけで話がしたいと頼む。一方蛍は、悟郎の身を案じ、伊賀の本部・Hattoriビルを訪れるが、伊賀忍者たちの襲撃に遭い、逃走せざるを得なくなる。そんな蛍の危機を救ったのは・・・。音無と二人になった悟郎は、議員を殺したのはお前なんじゃないか、と話を切り出すが・・・。
第10話
甲賀忍者の蛍は、伊賀忍者の小夜と対峙し、夫・悟郎を解放するよう求めた。すると小夜は、悟郎を自由にする代わりに、ある人物を殺してほしいと言い、この任務を成功させれば悟郎に制裁を加えないと約束する。草刈家に戻った蛍は、早速、現場となるシンポジウムの会場を調べ始める。一方、音無も、蛍に暗殺の任務を依頼したことを小夜から教えられる。依然、監禁されたままの悟郎はその事実を知ることもなく、蛍は無事に逃げおおせたと思っていた。蛍は、父・竜兵のアパートで武器の準備をし、妹の雀、伊賀忍者ながら蛍のバディーを名乗る宇良に、伊賀から暗殺の依頼を受けたことを伝える。蛍の覚悟を知った竜兵は、「必ず、生きて戻れ」と告げて蛍を見送り・・・。
第11話
蛍と悟郎は、殺害された赤巻章介衆議院議員の邸宅を調べていると、妹の雀から蛍や雀たちの母親を殺した斉藤という男の正体は、伊賀一族の総帥・風富城水だという連絡が入る。それを聞いた悟郎は大きなショックを受ける。赤巻邸を後にした蛍たちは、突然、城水の孫娘・小夜に襲われ、蛍をかばい、飛んできた手裏剣を受けて悟郎が倒れる。悟郎は、蛍に抱きかかえられたまま、意識を失う。数日後、意識のない悟郎と、それを見守る蛍は、蛍の姉・楓が手配した長野にある山小屋にいた。一方、城水は、ガンに侵され余命いくばくもない息子の城一郎を救うため、ある目的をもって蛍を探していたが、行方はつかめない。城水は、一刻も早く蛍を見つけ出すよう、本部長の松下に命じる。そして、蛍たちの父・竜兵も姿を消してしまい・・・。
(フジテレビ、木曜劇場「忍者に結婚は難しい」より)
|