第1話
ウェディングプランナー会社の社長・深堀万里江は、夫・悠作と高校生の息子・順基の3人暮らし。バリバリ働く万里江の一方、悠作は廃業寸前の漫画家で、ニートのような生活を送っていた。順基はといえば、大学の推薦がかかる大事な時期に、アイドル・オーディションに落ちたせいで二日も学校に行っていなかった。怒る万里江にのらりくらりと言い訳ばかりの2人。そんな、悠作のことを、唯一気にかけている編集者の土門(北村一輝)が、手土産片手にやってきた。「結婚したせいで漫画が描けなくなった」と愚痴る悠作に土門は、「だったら自分が離婚するまでを漫画にしろよ」と爆弾発言。そして突然万里江の父・達男が、山中で警察に保護されたという連絡が入る。達男は2年前に熟年離婚をしていて、それを苦に自殺を考えたのかと迎えに走る。とりあえず深堀家に一泊した達男は、機嫌よく得意の料理で3人をもてなすが、やがて衝撃の事実を口にし・・・。そしてそれぞれが抱えていたお互いの不満が、ここにきて大爆発し、壮絶な家族ゲンカへ・・・。
第2話
深堀家に達男が来てから5日が過ぎた。機嫌よく家事を手伝う達男だったが、以前は泊まることを嫌がり、ホテルを取っていたのに、なぜ今はこの家に居続けているのかと疑念を抱く万里江。そんな中、順基が、大学の推薦を断ると言い出す。浪人して上の大学を目指すというが、結局何をしたいのか?という追及には、今一はっきりしない・・・。一方、達男はあまりに自堕落な悠作に呆れ、その行動を記録したメモを万里江に突き出す。「いつまで甘やかすつもりだ?」と非難する達男に、万里江は、もう少し様子を見てほしいとお願いする。ある日、達男が買ったと思われる就職情報誌が見つかり、そして母・清美からは、達男に関する不穏な事実の連絡が入り・・・。そんな中、悠作に怒っている達男がそもそも2人の結婚には反対だったと言い出す。「そんなにボクのことが気にくわないのになんでウチに何日もいらっしゃるんですか?」と詰め寄る悠作・・・。そして達男の抱えている事情が、ついに本人から明かされて・・・。
第3話
達男が建築現場のアルバイトを始め、やりがいを感じて楽しそうだが、万里江は、エリートだった父に肉体労働が務まるのかと心配し、働かない悠作との間にこれまで以上の争いが起きないよう願うばかり。そんな中、悠作が次回作の準備中だと聞いた万里江は、ついに悠作が重い腰をあげたことに大喜びするが、次回作の内容が達男との同居話だと聞いて一気に不安になる・・・。達男がそんな作品を認めるわけもなく、「どうせオレの悪口を描くに決まってる」と案の定、猛反対されてしまう。何としても悠作に次回作を描かせたい万里江は、達男の大好物である鰻の店で土門と一緒に必死の説得を試みる。悠作がやっと次回作を描く気になり、達男もアルバイトをきっかけに見違えるように活き活きとしている。そんなささやかな幸せをかみしめる万里江だったが、すぐに裏切りが待ち構えていて・・・。深堀家の男達の脱線模様は、またもや予想外の方向に・・・!?
第4話
順基が指定校推薦の面接で、わざと挑発的な態度をとって不合格となった。万里江は、皆がそろった食卓で順基を問い詰めるが開き直られてしまう。浪人させるお金はウチにないからと説明すると「金ならあるよ」と言い出す順基。お金がないはずの達男の通帳に700万円の貯金があるのを目撃したという。騒然となる深堀家だが悠作の携帯電話が突然鳴りだしたが、なぜか出ようとしない。万里江たちの追及に、土門から紹介されたファンの女の子からだと認めるが、順基の新たな証言で・・・。話の矛先を押し付け合いだした男3人に、「もううるさい!!」と万里江はブチ切れる。疲れ果てた万里江だったが、気持ちを入れ替え浪人を許すことを決意するが、返ってきたのは予想外の答え!親心を訴える万里江に、子育てを最低限しかやってこなかったくせにと、ダメ母ぶりを攻撃する言葉を次々と投げつけられて・・・。またもや深堀家に吹き荒れる嵐。万里江はこの嵐を凌ぐことができるのか・・・?
第5話
万里江の部下の師島が、志織のことを好きになってしまい、会社を辞めると言い出すと、達男が社内恋愛についての教えを説き始めた。昔、部下の社内結婚を三組も成立させたようで、脈があるかどうかは2人を見れば分かると豪語する達男。その言葉を信じ、全社員を家に呼び、達男が採ってきたキノコの料理でもてなすことになるが・・・。その晩悠作は、達男に単身で住める賃貸物件の情報を突きつける。順基が達男と別々の部屋で寝たがっていることや、猫がストレスから異常行動を起こしていることを理由に家を出ることを強引にすすめて・・・。そんな中、万里江の元に、女性から電話がかかってくる。その女性は鬼怒川にあるスナックのママで、深堀家に来るまで達男と一緒に暮らしていたのだという。万里江が、この衝撃の事実に達男を問い詰めると、新たな事実も明らかになり・・・。ショックをうけた万里江の一方で、悠作は、手のひらを返すように達男を尊敬し始める。
第6話
達男が家を飛び出してから数日が過ぎ、深堀家は、以前の生活を取り戻していく。そして順基は、悠作の実家である和菓子屋「深堀」の手伝いを内緒で始める。悠作の弟・謙作が店を継いでいて、ゆくゆくは順基を後継者にと考えているようだ。そのことを知った悠作は猛反対するが、万里江は、順基が本当にやりたいのであれば反対はしないと話す。そんなある晩、万里江の母・清美が、深堀家へ泊まりにきた。達男が深堀家にいたせいでしばらく来れなかったという。昔は万里江の仕事の都合で順基を預かる事が多かったが、最近はちっとも来なくてさみしいと言い、翌日は、順基の好物だったケチャップライスを作って帰りを待つ。ところが、順基が和菓子屋「深堀」を手伝っていることを知って態度が一変し、その怒りの矛先は万里江にも・・・。更にそこへ帰ってきた順基が、今まで抱えていた清美へのまさかの本音を口にしてしまい・・・。一方、鬼怒川での生活を始めていた達男について、驚くべき近況が熊沢から伝えられる・・・。
第7話
スナックのママと駆け落ちした達男が、早くも捨てられて戻ってきた。達男は、お騒がせしたことを謝罪し、悠作に、もう一度こちらでしばらくの間、厄介になりたいと頭を下げるのだった。ひとまず安心する万里江だったが、別人のように様変わりした達男は、悠作の酒やつまみの買い出しに行ったり、順基にまで敬語を使う始末・・・。一方、和菓子屋で修行中の順基は、スイーツ男子から成るアイドルグループにスカウトされ、和菓子屋とアイドルの二刀流を目指すと言う順基に、万里江は猛反対し、2人の間に再びゴングが鳴り響く。そんな中、師島が、志織との結婚をためらう康彦の結婚観を変えるため、悠作を会わせたいと言い出す。渋る悠作だったが、2人が結婚したら成功報酬がもらえると聞いてやる気になり・・・。一方、土門は、悠作に達男との同居話を描くことをもう一度すすめるが、相変わらずのらりくらりの態度・・・。土門はそんな悠作に、その裏の本音を問いただすのだった。その晩、悠作は漫画家としてまさかの大きな決断を下す・・・。そして万里江がショックを受ける中、静観していた達男がついに立ち上がり・・・。深堀家に過去最大の危機が訪れる・・・!?
第8話
悠作から、漫画家を辞める事を伝えられた万里江は、どんな形でも描くことは続けてほしいとお願いする。しかし、悠作は、達男から「娘と離婚してやってくれないか」と言われたことを気にかけていて、翌晩、悠作と連絡がつかなくなる。万里江は、達男が離婚を持ち掛けたことを知って大激怒。そして「しばらくひとりになって考えます」と書かれた悠作の置き手紙が見つかる・・・。そんな中、順基が、万里江の母・清美の家に知らないオジさんがいたという情報を持ってきた。「あれどう見ても彼氏だったな」という順基は、その男と清美が一緒に写る写真を見せる。不機嫌になった達男は、倉谷をロクでもない奴だと決めつけ・・・。清美に問いただすと、絵画教室の先生でただの友達だと言うが、達男は納得いかない。一方、悠作は、人生の節目節目でいつも相談をしてきたという同級生・飾磨の家にいた。悠作は、飾磨に本当の気持ちを打ち明け、とある考えを口にする。そしてついに悠作が家出から帰還し、深堀家に持ち帰った予想外の結論とは・・・!?
第9話
悠作が、離婚して家を出ていく実体験を漫画にすると言いだすが、万里江はそれを受け入れることができず、説得を試みるが話にならず・・・。そして周囲には2人の離婚に反対する人がいないとわかり、ショックを受ける万里江。そんな中、唯一離婚に反対する土門が、それを回避できる唯一の方法があると言い出す。離婚騒ぎが漫画のネタとしてつまらないと悠作が思うようになればいいというのだ。これ以上、離婚騒ぎのネタを提供しないよう、達男と順基、更には熊沢の力も借りるが、やればやるほど逆効果・・・。万里江は、悠作との結婚になぜここまでこだわるのかと気持ちを整理すると、大事な何かを忘れている気にかられるが、覚悟を決めて離婚届にサインすることに。ところが、志織達に万里江には土門がお似合いだとけしかけられ、ある大事なことに気づいてしまう・・・。
第10話 最終話
クリスマスプレゼントで今欲しいものは、7万円のダウンコートという順基に、自分の部屋という達男。悠作は家族からの尊敬が欲しいらしく、万里江は、お金で買えるものではないというが、それが何かは明かされず・・・。一方、土門は、離婚までの実録漫画を描くのをやめた悠作に、「ほとんど描き終わってんだから」と続きをうながすが、離婚というオチがなくなった今はもう描けないと悠作も譲らない。そして迎えたクリスマス。最近、仕事先の新人と仲が良い熊沢を誘うが断られ、不機嫌になる達男に、サプライズで和室の部屋をプレゼントする万里江。順基へのダウンコートも買った万里江だが、なぜかそこに同じダウンコートを着た順基が帰宅する・・・。その理由が明らかになった瞬間、聖夜にゴングの鐘が鳴り響く!更に自室を手に入れた達男が、とんでもない買い物をしてしまい、再び響くゴングの音!しかし達男の買い物が、まさかの奇跡を巻き起こす・・・!?
(日本テレビ「コタツがない家」より)
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