第1話
大手飲料メーカー・カヅキビールで商品開発部のエースとしてエリート人生を歩んでいる設楽紘一。外資系のバリキャリで家事も完璧にこなす妻・夏美とタワーマンション暮らし。公私ともに順風満帆だったある日、その仕事ぶりがアダとなり、突然左遷されることになってしまう。これは事実上のリストラだと気づいた紘一は、自ら退職届を叩きつけ、帰宅した彼を待っていたのは、テーブルの上にポツンと残された離婚届だった・・・。更に、転職活動を始めたもののうまくいかず、すっかり自信をなくしてしまう。そんな彼を見かねた幼馴染の佐久間ナオ(西田尚美)は、意味深な表情を浮かべながら「住み込み、食事つき」「時間の融通が利く」「転職活動可能」という仕事を紹介する。
第2話
幼馴染の佐久間ナオが暮らす女だらけの下宿「銀星荘」の管理人として働くことになった紘一は、慣れない家事に悪戦苦闘中。料理にいたっては「まずい、まずい」と酷評され続ける切ない日々・・・。料理の腕が上がる気配のない紘一に冷ややかな視線を送るいつかは、これなら失敗が少ないはずと考えた定番メニュー・カレーをリクエストする。いつかを見返してやりたい紘一は、意気揚々とスーパーに向かうのだが、予算内に納めるために10円刻みの買物に頭を抱える始末で・・・。一方、Web制作会社・コスモインデックスに出社したいつかは、同僚の友部ミチコから合コンに誘われる。しかし、あるトラウマから生活のすべてを仕事に捧げる決意をしたいつかは、まったく気が進まずのらりくらり・・・。
第3話
紘一は、住人のいつかに突然押し倒されて・・・。翌日、動揺した紘一は、朝食の席でもいつかの顔をまともに見ることができない。その後、住人たちを送り出し、スーパーに向かった紘一だが、頭の中は昨夜の出来事で一杯!スーパーに到着し、ふいに歓声が聞こえてくる方を見ると、カヅキビール時代の後輩・武田直樹らが、紘一が最後に手掛けたビール「潤沢」の試飲会を行っていた。我に返った紘一は、今の自分の姿を見られないよう、逃げるように立ち去る。一方、Web制作会社「コスモインデックス」に出社したいつかは、同僚の友部ミチコに、衝動的に紘一を押し倒してしまったと告白すると・・・。
第4話
仕事に打ち込み、過労で倒れ、そのまま風邪で寝込んでしまったいつかだが、プレゼンのことが気になり、紘一をこき使いながら無理に仕事を続けようとする。その後も一向に熱が下がらず、出社できないいつかのもとに、香取がお見舞いと称して、連日「銀星荘」に現れるようになる。日が暮れてもいつかの部屋から出てくる気配のない香取の様子に、紘一は夕食の準備をしながらも気が気でない。そんなある日、これまで日参していた香取が別案件のトラブル対応で来られなくなる。それはそれで何やら拍子抜けした気分になる紘一だが、いまだ熱が下がらないいつかにお粥を食べさせるなど、看病を続けていると、いつかが心の奥底に抱えていた弱音を吐き出して・・・!?
第5話
幼なじみの佐久間ナオに頼まれ、ピンチヒッターとしてバー「Dolce」でバイトすることになった設楽紘一。飲みにきた「カヅキビール」時代の元同僚・土屋良介の恋バナを聞くうちに、紘一は、その心情を自分に置き換え、ケンカばかりの住人・西島いつかのことで混乱し始める。するとそこに、いつかの同僚で一方的に恋のライバル宣言をしてきた香取俊が現れる。飲みながら「東京に戻ってきたが、いい物件がなくホテル暮らしをしている」と言う香取に、ナオは「いい物件、知ってるよ」と即答し、紘一は、イヤな予感がして・・・。翌朝、その予感が的中し、下宿に香取が引っ越してくる。手土産や絶品手料理で早々に女性陣の心をつかんでしまった香取に、すっかり立場をなくした紘一は面白くない。更に、2人で部屋にこもって仕事に励むいつかと香取の姿を目の当たりにし、モヤモヤした気持ちでいっぱいになる。
第6話
設楽紘一の元妻・澤部夏美が突然現れる!しかも、夏美は「銀星荘」に引っ越してきたという。混乱する紘一に、夏美は「紘一と再婚したい」と言い始め・・・!?「銀星荘」で暮らし始めた夏美は、外資系投資銀行のファンドマネージャーというバリキャリで、家事も完璧、おまけに美人と、ハイスペックなオトナの女性。そんな夏美が、紘一に大胆に迫る姿を間近で見ているうちに、いつかは、なぜか複雑な気持ちになる。紘一は、自分から離婚を切り出したにも関わらず、今度は再婚したいと言い始めた夏美の本心がわからず大混乱・・・。何かと夏美に振り回されながら、彼女の本心を確かめる決意を固める・・・。しかし、その前にいつかの誤解を解きたいと考えた紘一は「話がしたい」とメッセージを送るのだが・・・!?
第7話
ある夜、香取は、いつかが紘一のことを好きだと知りながら「それでもいいから俺のところに来てよ」と彼女を抱き寄せた。紘一も「銀星荘」のテラスで、夏美から復縁を迫られ、そしてキスを・・・。そんな夏美に「お前が望んでいる昔の俺には戻れない」と紘一は告げるが、諦められない夏美は紘一に抱きつき・・・!?香取は、そんな2人の様子をたまたま目撃し、思わず紘一に辛辣な言葉を浴びせる。同じく紘一が夏美に抱きつかれている場面を見てしまったいつかも、なぜかイライラするという複雑な感情を持て余していて・・・?そんな中、いつかと香取は、後輩の手違いで「カヅキビール」の常務・加藤忠正との約束をすっぽかしてしまう。慌てて「カヅキビール」に向かったものの、加藤にけんもほろろにあしらわれる2人・・・。
第8話
紘一といつかは、お互い相手のことが気になりつつも、素直になれず、気が付けば言い合いばかり・・・。しかし、手をケガした紘一にシャンプーをしていたいつかが「押し倒したくなるのは管理人さんだけなんです」とキス・・・!更に、またもや紘一を押し倒してしまう。いつかは、紘一から「俺のことが好きなのか?」と聞かれ「よくわからない・・・」とポツリ。紘一も、なぜはっきり「好き」と答えられない状況でキスされたのか理解できず、史上最高に険悪な雰囲気に・・・。そんな中、いつかと香取は、紘一が頭を下げてくれたことで「カヅキビール」の常務・加藤忠正へのプレゼンにこぎつけた。その帰り道、いつかは長年自分を思い続けてくれる香取に、自分の気持ちを伝える・・・。
第9話
2年前、紘一は「カヅキビール」のコンペで、傲慢な態度とキツイ言葉で、いつかを傷つけたことを思い出す。とにかく謝りたいという一心で、いつかの出張先のホテルに向かい、当時の態度を謝罪した。そして「俺は、西島いつかのことが好きだ」と告白し、そっとキスをする。その夜、終電を逃して東京に戻れなくなった紘一は、いつかの部屋に泊まることに・・・!東京に戻り、紘一からデートに誘われたいつかは、高級中華料理店で待ち合わせ、メニューを見ながら話していると、紘一が突然「店を出よう」と言い始める。席を立とうとする紘一と戸惑ういつかのテーブルに、ひとりの女性が近づいてくる。なんとそれは、紘一の母・しま子で、日本を代表するカリスマ経営者だった!逃げそびれてしまった紘一は、しま子に離婚したこと、「カヅキビール」を辞めたこと、そして現在は下宿の管理人をしていることを打ち明ける。
第10話 最終回
紘一といつかの初デートに紘一の母・設楽しま子が同席することになり、「カヅキビール」を辞めたことや離婚したこと、そして現在は無給で下宿「銀星荘」の管理人をしていることがバレてしまった。驚くしま子だが、「カヅキビール」時代の紘一の功績を認め、自分の会社にヘッドハンティングする。更に、海外に販路を広げるため、上海支店の立ち上げを任せたいと言う・・・!?一方、いつかは、紘一から告白されたが、未だに一歩踏み出せないでいたところ、香取に背中を押され、ようやく自分の気持ちに正直になることができた。紘一にきちんと「好き」と伝えようとするが、まさかのタイミングで紘一から上海行きについて相談されてしまう。紘一の邪魔をしたくないと考えたいつかは、自分の気持ちを押し殺し、上海行きを勧めてしまう・・・。
(テレビ朝日、オシドラサタデー「ハマる男に蹴りたい女」より)
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