第1話
野田哲也(坂口健太郎)は、親子ほど年の離れた寺島唯(白山乃愛)と一緒にシンガポールから日本へ向かう機内で、機長が突然意識を失い、ドクターコールがかかる。「他にも医者はいるだろ?」・・・野田は寝たフリをしてやり過ごそうとするが、唯に促されて渋々席を立つ。機内に居合わせた東都新聞の記者・奥泉渚(西野七瀬)は、コックピットへ向かう野田の右手に違和感を抱く。まさか義手・・・?シンガポールで「Dr.チョコレート」の身辺を探るも空振りに終わっていた奥泉は、思わぬ出会いに高揚する。野田がコックピットに入ると、機長がぐったりしていた。そこで瞳孔や脈の測定を始めたのは、野田ではなく、唯だ!慌てふためく副操縦士だったが、唯はあり合わせの道具で完璧な処置を施し、機長の命を救ってみせる。
第2話
TeacherとDr.チョコレートは、シンガポールから帰国し、6人のクセ者スタッフを集め、最強医療チーム「チョコレート・カンパニー」を結成。現金1億円と秘密保持契約、相応のチョコレートを条件に、ワケあり患者の命を救う。その目的は、唯の両親の命を奪った謎を解き明かすこと・・・。2年前の事件を境に学校に通っていない唯は、公園で友達ができ、みんなと一緒に学校に行きたい気持ちが湧いてくる。うなぎが、転校の手続きを買って出ると、カンパニーのみんなも賛同。唯は友達に近々転校することを約束するが、実はTeacherと「ある約束」を交わしていて・・・。一方、Teacherに新たな依頼が舞い込む。依頼人は百瀬杏樹、28歳で、周囲の血管を巻き込んだ副腎腫瘍によって命の危機が迫っていた。
第3話
小学校に通い始めた唯は、友達に会えるのはうれしいが、放課後はオペがあるからみんなと遊べない。初めての授業参観も、Teacherに来てほしいと言い出せない。そんな中、お笑いが歌番組の前説で漫才を披露することになり、みんなに観に来てほしいという。唯以外の大人は難色を示すが、同じ番組に人気絶頂のボーイズグループ「ワールドクラス」が出演すると知って急に色めき立つ。用事があるというTeacherと出川以外のメンバーでテレビ局を訪れると、残高は、元妻・香織にばったり出くわして・・・。テレビ局に行かなかったTeacherと出川は奥泉と会っていた。実は出川のタトゥーはただのシールで、たまたま入ったタトゥーショップでデザインに惹かれて購入したものだった。
第4話
Teacherは、唯が上級生に暴力を振るったという理由で、小学校から呼び出しを受ける。Teacherとうなぎは小学校を訪れ、唯の主張も聞かず、事を荒立てないために早々と謝罪。うなぎは「唯ちゃんは間違ってない!正しいことをしただけ」とTeacherを非難する。うなぎは、1年前、勤めていた御殿会病院の医療ミスを報告したために病院をクビになった。今の唯と同じように、ただ純粋に正しいことをしただけなのに・・・。そんな中、Teacherに新たな依頼が舞い込む。依頼人は、Teacherが研修医時代に勤めていた海王病院の外科医局長・北澤司郎。唯の父・寺島光一の友人で、Teacherが2年前の事件の黒幕とにらんでいる男だ。依頼内容は、自らの医療ミスによってすい臓がんが進行してしまった患者・橋爪正孝のオペだ。Teacherは、2年前の事件について知っていることを全て話してもらうことを条件に依頼を引き受ける。ところが・・・。
第5話
Teacherはうなぎが元いた御殿会病院の医療ミスと隠蔽工作を記事にしてもらった見返りに奥泉を食事に誘い、酒の酔いに任せて唯への素直な思いを語り「何があっても唯を守る」と明言する。その頃、残高はギャンブルがしたくなる気持ちを必死にこらえていた。離婚してから、ずっと会っていなかった娘・一花に他人行儀な態度をとられてしまったが、借金を完済してギャンブル依存症を克服すれば、娘との関係も元に戻るかもしれないと考え、ギャンブル卒業を誓うが・・・。Teacherは新たな依頼人・結城鷹也からの依頼の相談を受ける。結城は肝不全に苦しむ息子を助けてほしいと言うが、病院には連れて行かず、ネットで症状を調べただけというのだ。しかし、ごく普通のアパート暮らしの結城に報酬1億円を工面できるとは到底思えない。更に、結城に書かせた秘密保持契約書のサインを見たTeacherはあることに気が付いて・・・。
第6話
人けのない道路で、人気俳優・西崎竜人と交際相手の女優・葉山えりかが乗ったバイクが、濃霧で視界不良となり、ガードレールに激突する事故を起こす。西崎は額に傷を負い、えりかは意識昏睡状態だったが、2人の交際は世間に秘密のため病院には行けない・・・。するとそこへ「我々に依頼しませんか?」と、Teacherが現れる。その3日前、TeacherはDr.チョコレートの正体を公にしようとする奥泉の記事を「ハンパな記事」と一蹴し「記事にするなら全てを知ってから書けと」奥泉をある場所へ誘う。先日の誘拐事件を機に「め組」と決別した白石千尋と会うためだった。白石の話では、2年前の爆破事件の実行犯・沢入は「め様」が批判した人物=ディープステートの人間を何人も殺害しているというのだ。「め組」が崇拝する「め様」とはいったい何者なのか?白石は「め組」のセミナーに参加していた俳優の西崎竜人ならその正体を知っているはずだと言う・・・。
第7話
2年前の爆破事件の首謀者である「め様」は警察の人間かもしれないと言う情報を得たTeacherと奥泉は、何かを隠していそうな刑事・与田に会って話を聞こうとする。一方、唯の前に、父の友人だった北澤の妻・睦美が現れ、再会を喜ぶ。しかし、北澤夫妻が自分を預かる話をTeacherが断っていたことを聞かされ、悩み始めてしまう。Teacherの元にショッピングサイト「DOUZO」を運営する皆川誠二からオペの依頼が来る。バッドキアリ症候群を患い、肝静脈の狭窄によって出来た食道静脈瘤がいつ破裂してもおかしくない状態だ。一刻も早いオペが必要だが、仕事が立て込んでいる皆川は、手術の日時を自分のタイミングで決めたいと言う。
第8話
ショッピングサイト「DOUZO」の配送センターが爆発炎上!Teacherは、爆発に巻き込まれて海王病院に搬送された重症患者の中に「め組」の堤がいることを知る。唯の殺害に関与している可能性のある堤に死なれては・・・。堤をなんとしても救いたいTeacherは、自ら依頼人となってカンパニーにオペを依頼する。しかし、唯の両親のように自分たちの命も狙われかねないため、堤のオペをアジトで行うことに難色を示す。とは言え他にオペができる場所もなく、話はまとまるものの、お笑いだけはオペの参加をかたくなに拒否する。それは、6年前に愛する彼女と共に巻き込まれた、ある事件が関係していて・・・。一方、奥泉は、「め組」の捜査に動き出した刑事・与田から協力を求められ、奥泉が見返りを要求すると、与田は、「め組」の実行犯・沢入を釈放させた真の黒幕の名前を明かして・・・。
第9話
Dr.チョコレートの告発記事が掲載され、逮捕を恐れたチョコレートカンパニーは、みんなバラバラにアジトを去ってしまった。Teacherは唯を北澤夫妻に預け、記事を書いたであろう奥泉に何度も電話をかける。しかし奥泉は電話に出ない・・・。ある日、唯の元に、どうしても助けたい患者がいると足湯から連絡がある。1億円は自分が用意するからと唯にオペを依頼し、唯の呼びかけでカンパニーは再集結する。患者は妊娠28週目の岡田英玲奈。21週目の時にステージ2の子宮頸がんが発覚し、今すぐにでもオペが必要だが、おなかの子は諦めろとどの病院でも言われてしまったようだ。だが、足湯と英玲奈は友人でも親戚でもなく、出会ってわずか3日だという・・・。カンパニーのメンバーは、赤の他人のために有り金をはたこうとする足湯の行動がどうしても腑に落ちない・・・。
第10話 最終回
2年前の爆破事件の首謀者「め様」の正体は、殺された唯の母・葵の友人・北澤睦美で間違いない・・・。ついに真の黒幕にたどり着いたTeacherと奥泉は、睦美と一緒にいる唯を救出するため急いで軽井沢の北澤家に向かうが、一家はすでにどこかに引っ越した後だった。新居の住所を知らない2人は、刑事の与田に電話をかけ、調べてほしいと頼み込む。ちょうどその頃、与田は城南署で「め組」の対応に追われていて、実行犯の沢入が出頭し、「め組」の一員だった後輩刑事・薮下も逮捕されたのだ。北澤の新居の住所を聞き出したTeacherは、万が一に備え、カンパニーに連絡して軽井沢に集まるよう伝える。北澤の新居に駆け付けたTeacherと奥泉は、寝室で倒れている北澤を発見!そして唯を見つけ出し、一緒にいた睦美を問い詰める!そして、事件の全貌が明らかになった時、思いがけない悲劇の刃が唯を襲う!
(日本テレビ、土曜ドラマ「Dr.(ドクター)チョコレート」より)
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