久能整(菅田将暉)は、カレーをこよなく愛する大学生。
天然パーマにコンプレックスを持ち、彼女や友だちもいない。
社会の常識に疑問を持ち、とことん考え抜く性格で、膨大な知識と独自の価値観による持論をあざやかに展開してゆく。
周囲で何が起きていようとも喋らずにはいられないため、「うざい、面倒くさい」と言われ続けて生きて来た青年だ。
第1話
ある日、自宅でカレーを作っていた大学生・久能整の元に刑事がやってきた。近所の公園で整の大学の同級生が遺体で発見されたという。警察は整が容疑者ではないかと考え、任意同行を求められてしまう。取り調べ室で事情聴取が行われるが、警察の話の矛盾点をズバズバと突き、整に刑事たちは振り回される。しかし事件捜査が進み、整の指紋が付いた凶器が発見されてしまう・・・。
第2話
久能整が乗った路線バスがジャックされた。乗客に名前を尋ねる犯人に、整は逆に犯人に名前と目的を聞くと、犬堂オトヤ(阿部亮平)と名乗り、目的は教えなかった。その頃、大隣警察署には連続殺人事件の捜査本部が立ち、新たに4人目の遺体が発見された。そんな中、風呂光聖子(伊藤沙莉)はバスジャックの通報があった事を知る。整の乗ったバスは公園に停まり、オトヤは乗客たちを1人づつトイレに行かせる。トイレに向かわされた整はメモ用紙に現状を書いて、犯人に見つからなさそうな場所に置く。
第3話
久能整たちバスの乗客が犬堂邸に監禁され、これまでに自分が犯した一番重い罪の告白をさせられていた。犬堂邸に気づいた風呂光たち大隣警察署・強行犯一係はSATを従え急行し、SATを先頭に突入してきた。警察の突入に抵抗もせず、ガロ(久保田悠来)とオトヤは素直にバスジャックを認めた。ガロは警察に連続殺人事件の最初の被害者の遺族だと分かったからここに来たのだろうと告げると、整はこの中に連続殺人犯がいると言い、今まで観察して来た乗客たちの行動から、連続殺人事件の犯人が誰なのかの特定を始める。
第4話
久能整が部屋でカレーを作っていると、風呂光聖子から連絡が入り、事件の謎解きを手助けしてほしいという。それは、爆破予告が闇サイトにアップされたのだが、場所が判らない。昨日も同じような予告があったが、幸い仕掛けられた建物が特定できたため、未遂に終わっている。風呂光の迎えで、整は大隣署に到着し、暗号文の謎を解く。そんな時、二つ目の爆弾が発見されたと知らせが入る。そして、投稿アドレスから容疑者が割り出され、取調べを受けるが犯行を否定・・・。
第5話
久能整は、爆弾魔事件で頭を打ち、念のために検査入院することになる。池本優人は青砥成昭に整の入院費ぐらいこちらで持っても良いのではないかと進言。そして風呂光聖子が手続のため病院に向かう。病院では、売店で買い物をした整が病室に戻ると小荷物が届いていた。中にはドライフラワーと手紙が入っている。手紙の文章から整は犬堂我路からのものだと気づき、警戒しながら箱を改めると何かが落ち、そこへ風呂光が来た。拾い上げた指輪に風呂光は動揺し・・・。その夜、隣のベッドの老人から声をかけられる。老人は定年退職した刑事で牛田悟郎(小日向文世)と名乗る。
第6話
大隣総合病院に入院している久能整は、退院前日の夜に、掲示板にあった暗号に導かれ、院内にある温室へ。そこで整は「自省録」のページや行を組み合わせた数字で言葉を伝えるライカ(門脇麦)と出会い、翌日午後3時に再び温室に来るよう伝える。翌日、ライカが指定した時間まで昼飯を食べようと病院のレストランへ。3時になり、整が温室へ行くと床に数字が書かれていて「自省録」で確認すると、ある場所の土の中となっていた。そこを掘ると、何かが入ったビニール袋が出てくる。するとその時、温室を管理する梅津真波に静止される。ビニール袋は、真波が埋めたもので、事情を聞いた整は悩みを解決する。
第7話
整は、ライカに導かれ、奇妙な放火殺人事件を調べ始めた。放火された住居の家族は、親が死亡し子供だけが助かっている。警察の情報から、虐待された子供が親の殺害を依頼するという炎の天使に関するサイトがあることを確認。そして、下戸陸太(岡山天音)も放火による火災で両親を亡くした事を知った。しかし整は、大隣総合病院で行われるクリスマイベントの手伝いをして欲しいと陸太に呼ばれて倉庫に向かい襲われてしまう。倉庫には、入院している虐待疑いがある子供の両親も拘束されていた。それより二日前。大隣警察署強行犯一係は、現場に残された炎のマークから、3年前に起きた同様の事件で証拠不十分で逮捕出来なかった井原香音人(早乙女太一)を洗うことになった。
第8話
整は美吉喜和の墓参りに行くと、かつてパートナーだった天達春生と出会う。天達は整に、別荘でミステリー会を開くので来て欲しいと頼む。また、自分の講演会に風呂光聖子が来たことを話し、そこで風呂光から、整の活躍を聞いていたそうだ。整が答えに困っていると、天達は荷物運びや食事の片付けの手伝いのアルバイトだと安心させる。そして、ひとつだけある事を付け加えた。ミステリー会の朝、整が待ち合わせ場所に行くと天達が車に風呂光を乗せて迎えに来た。風呂光が勉強熱心だったので誘ったそうだ。そして、風呂光が刑事だということは誰にも教えないようにしようと二人に話した。
第9話
整は、ミステリー会が行われている山荘で、喜和がストーカーに殺害されたという事実を知る。そのストーカーも暖炉にくべられた夾竹桃の毒性の煙で死んでいる。整は風呂光に、天達から「参加者の中に一人だけ嘘をつく人物がいるので見ていて欲しい」と頼まれた事を話す。逆に風呂光は「嘘をつかない人を見ていて欲しい」と言われたいう。二人は喜和の事件に何か裏があるのではないかと考え始める。翌朝、整が天達に、喜和の事件に関して尋ねると、第三者の進入形跡はなかったが、事件について違和感があったと答える。そんな時、風呂光は夾竹桃の枝が数本折れている事に気づく。
第10話
整とライカが大隣総合病院の温室で足湯を楽しんでいた。来る途中に神社を見かけた整が、ライカを初詣に誘い、元日の午前3時に行く約束する。約束の時間に神社でライカと合流し、お参りをして、おみくじを引き、屋台のたこ焼きを頬張って楽しむ二人。そんな二人をパトロール中の風呂光と池本が見かける。ライカを見た池本は何かに気がつくが、風呂光に二人の邪魔をしてはいけないと促される。神社から出ると、ライカは焼肉を食べようと整を誘う。すでにライカが灯りの点いている焼肉店を見つけていて、整が店内をのぞくと、店主らしき浦部沢邦夫と店員の沙也加がいた。
第11話
大隣警察署に新たに発生した連続殺人事件の応援要請あり、青砥の指名により風呂光は捜査本部へ向かう。すでに三人の犠牲者を出していたこの連続殺人事件は、交差点の真ん中に遺体を「はりつけ」のように遺棄するものだった。更に、三人目の遺体の傷口からは、被害者本人のものではない血液が検出される。その血液はDNA鑑定で22年前に殺害された被害者のものと一致・・・。羽喰玄斗による連続婦女暴行殺人事件の17人目の被害者、辻十岐子だった。18件目の殺人以来、姿を消した羽喰がまた殺害を始めたのかと考えられるが、備前島操警部は羽喰の犯行ではないと言う。備前島は、風呂光に猫田とバディを組むように指示される。
最終話
美術展を見終わった整は、東京へ帰る新幹線に乗車し、弁当を食べようとした時に、隣席に美樹谷紘子が座った。整は、早々に弁当を食べて寝てしまう。目覚めた整がふと隣席を見ると紘子が手紙を読んでいた。便箋を見た整は「な、ご、や、に、は、く、る、な」と口にする。しかし、そんなことは書いていないので、紘子には意味がわからなかったが、整は、イラストの頭文字を並び替えたのだと教える。手紙は紘子の父からのもので、幼い頃に両親を亡くし、亡き母の親友が育ててくれたそうだ。しかし最近、育ての母のクローゼットに古い手紙が隠してあるのを見つけ、それが今読んでいた手紙だった。今の母から両親は亡くなったと聞いていたが、父の手紙は紘子を返して欲しいと訴えていた。
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(フジテレビ、月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」より)
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