1973年に刊行された小松左京の不朽の名作「日本沈没」。
2023年の東京を舞台に、今だからこそ描くべき物語。
どんな状況でも、あきらめない。
周囲の意見に惑わされず、信念を貫く。
この国には、そんな熱のある人が残っている。
国民を守るためにあらゆる手段で戦い続ける勇気のある人。
国家の危機に瀕しても、一筋の希望の光を見出すために奮闘する人たちの物語。
第1話
2023年、東京。東山総理(仲村トオル)は、世界環境会議で「COMS(コムス)」のさらなる推進を表明した。さらに官房長官が、東山が未来の日本を見据えて日本未来推進会議を発足すると発表。環境省の天海啓示(小栗旬)は、自身の提案を通したいがために東山総理にすり寄り、同時に政界のドン・里城副総理(石橋蓮司)をも懐柔しようとする。そんな折、ネットに関東沈没へ警鐘を鳴らす田所雄介(香川照之)の記事が載る。
第2話
日之島が沈んだことは関東沈没の前兆であると日本未来推進会議で、対策を行うように訴える天海だが、地球物理学の最高権威・世良教授はただの地滑りだと否定し、東山総理と共に会見で説明を行う。そして週刊誌に天海が企業から不正にお金をもらっていたという記事が掲載され、否定する天海の言い分は聞き入れられず、謹慎処分となる。絶体絶命のピンチの中、天海は田所から海上保安庁の海底調査のデータを入手するように頼まれる。天海は経産省の常盤紘一にデータの入手をお願いするが・・・。
第3話
「関東沈没が1年以内に始まる」という田所博士の分析報告を里城副総理は田所を詐欺学者と決めつけて相手にせず、東山総理もすぐには決断できないでいた。日本未来推進会議で関東沈没への対策を議題に検討会が開かれ、天海は地球物理学の世界的権威である米国のジェンキンス教授が田所博士の分析を支持したことを告げる。各省庁の代表がそれぞれの視点から論争が繰り広げられる中、国民にどう伝えるかで天海と常盤の意見が割れてしまう。そして、その裏には里城副総理の影が・・・。
第4話
「半年以内に関東圏沈没」の記事が新聞に載った。ネタ元の特定に躍起になっている中、東山総理は椎名を呼び出し問い詰めるが、椎名は東山が会見をするべきだと訴える。そして時期や確率は明確にしなかったが、関東沈没の可能性が東山総理の口から語られたことで人々は大混乱に陥る。危機対策が日本未来推進会議に委ねられて、常盤を中心に迅速な対応が進んでいく。そんな中、田所はワイドショーで関東沈没の現状を東山が発表していない情報も含め赤裸々に話す。一方で常盤は天海が毎朝新聞にリークしたのではないかという疑念をぬぐえずにいた。
第5話
関東沈没が突然始まり、首都圏を中心に深刻なダメージを受けた。天海と椎名も巻き込まれて、その被害を受ける。さらに、避難バスがトンネル崩落事故に巻き込まれ、そのバスには天海の妻・香織と娘の茜、椎名の母・和子らも乗っていた。そんな中、総理官邸の災害対策本部から、東山総理は国民に向け全力対応を約束する。日本未来推進会議のメンバーは、不安を感じながらも東山総理の指揮の下、被害状況の把握や被災者の救助などの対応にあたっていた。そして政府も国民も注目しているのは第二波がくるのかどうか。田所博士は昼夜を徹してデータの検証作業を行い、一つの結論に達する・・・。
第6話
天海が日本未来推進会議に戻って来た。国民は日常を取り戻しつつあり、政府でも復興計画の議論が進められていたが、東山総理と里城副総理は再び対立する。そして、東山主導のもと、未来推進会議が進めていた復興計画は里城の奇策で突如ストップがかかる。そんな中、天海は田所博士に呼ばれ、沈没は関東だけではなく「日本沈没」という事実が伝えられる。1億2千万人の命を救うために、動かなくてはいけなくなるが、里城だけはその事実を未だに認めていない。天海は独断で、国民の命を救うためにできることをやろうとするが・・・。そんな中、衝撃の出来事が起こる!
第7話
田所博士が、日本沈没の機密情報を漏洩した疑いで、東京地検特捜部に連行された。国家機密である日本沈没も里城副総理主導のもと、無かった事にされようとしていた。さらに、著名な研究者であるジェンキンス教授にも日本沈没を否定され、天海は窮地に追い込まれる。一方、Dプランズは、海外の土地購入の話を日本政府に持ちかけてくる。秘密裏に動くべく、東山総理はその土地の購入を決断。そんな中、天海は椎名の協力を得ながら、田所を陥れたい人物を特定しつつあった。そして、すべてが明らかになった時、世界との駆け引きが始まる。はたして、日本人総移民計画は実現するのか?
第8話
アメリカの会見を受けて、中国は日本との移民交渉を完全に遮断した。世界各国も中国の動きに同調し、もはや世界との移民交渉は暗礁に乗り上げた。また、全世界に日本が沈没するという情報が知れ渡り、国内でも政府や東山総理に対しての怒りやデモは日増しに高まっていた。そんな中、中国に再度交渉しに行った日本政府代表は、到底不可能な条件を突きつけられる。天海と常盤は八方塞がりの中、何とか移民交渉を進めるために奔走するが、なかなかうまくいかない。そして田所博士からは日本沈没はいつ起きてもおかしくないという話を聞かされる。追い込まれた天海は・・・。
最終話
東山総理を狙ったテロのニュースは、全世界に大きな衝撃を与えた。日本政府は、国内情勢が不安定と判断され、移民計画に影響することを恐れ、早急に里城副総理を総理代行に立て世界へアピールする。しかしその矢先、さらに予期していなかった悲劇が襲う・・・。未来推進会議のメンバーが中心となって事態を打開しようとするが、状況は改善しない。そして、遂に全世界で日本人移民の受け入れ停止が発表される。そんな中、田所博士から「日本沈没までもう時間がない」と警告される。それでも天海は、最後の一人を救うまで、関東に残って立ち向かう決意をする。そして、ついに恐れていた日本沈没が・・・。
(TBSテレビ、日曜劇場「日本沈没 希望のひと」より)
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