人生とは壮大なコント(喜劇)である!?
このドラマは、一本のショートコントから始まり、そのコントが前フリとなる群像ドラマである。
第1話
高岩春斗(菅田将暉)、朝吹瞬太(神木隆之介)、美濃輪潤平(仲野太賀)のお笑いコントトリオ「マクベス」による、取り留めのないコントが始まる・・・。中浜里穂子(有村架純)は、そのコントを自宅で見ていた・・・。鳴かず飛ばずの日々を過ごすお笑いコントトリオ「マクベス」でツッコミを担当する春斗は、結成10年を前に、ある決断を迫られていた。里穂子は1年半前に大手企業を辞め、妹のつむぎ(古川琴音)と同居しながらファミレス「メイクシラーズ」でウェイトレスをしていた。マクベスの3人は、偶然里穂子の働く「メイクシラーズ」に来店し、やがて常連客として「メイクシラーズ」でネタ作りをするようになり・・・。里穂子は、彼らがネタ作りに励む姿を見るうちになぜか興味を惹かれ、いつの間にか隠れファンとなっていた。ある日、初めてマクベスのライブに訪れた里穂子を待っていたのは、解散という重大発表!呆然と帰路についた里穂子は、突然春斗から声をかけられて・・・。この出会いが、うつむく日々に希望の光が差し込む全ての始まりであった・・・。
第2話
春斗は「マクベス」解散を決めたが、事務所のマネージャー楠木から考え直すように詰め寄られる。一方、潤平は10年間交際を続ける恋人の奈津美に、解散することを決めたと告げる。そんな中、潤平は春斗と芸人を志した日々を振り返り、春斗に秘密にしていることがあると思い返す・・・。その頃、瞬太はなぜか母校の屋上に佇んでいた。そこは春斗との思い出の場所でもあった。春斗は、里穂子から、里穂子が働くファミレスで瞬太が「遺書」を書いていたと聞かされる。それは「屋上」というコントの小道具として書いていただけだと説明する春斗だったが、何やらいつもと状況は違うようで・・・。
第3話
つむぎは、1年半前、廃人寸前になっている姉・里穂子を自宅で見つけて以来、一緒に生活をしている。最近の心配は「マクベス」の解散が決まって以来、里穂子がため息ばかりついていること。一方、春斗が気にかけているのは、完璧な人間だった兄・俊春のこと。順風満帆の人生を歩んできた兄だが、突然人生に挫折し、実家の部屋に引きこもっている。問題を抱える二つの兄弟関係。交わるはずのない2組の関係性にはある一つの「秘められた共通性」が存在していた。
第4話
潤平、彼女の奈津美、高校の担任・真壁の3人は昔話に花を咲かせていた。トリオ名「マクベス」の名づけの由来に真壁が関わっているという話になり、高校時代、瞬太の車にマクベスと真壁が共に乗った日のことを想い出す・・・。その日は真壁の息子が生まれた日。一方、里穂子は自宅で熱帯魚の世話をする妹のつむぎを見て、昔のことを思い出す。つむぎは昔から面倒見がよく、傷ついた存在を放っておけない性格だという。全く交わらない二人の昔話が、現代でまたも数奇に絡み合うことに。
第5話
つむぎは、この1年半、里穂子と共に生活をしてきた。そんな生活に不満はないが、このまま姉の家に居座り、世話をし続ける日々に疑問を感じ始める。このままではいけない事を理解しつつも、一歩を踏み出す勇気を持てずにいた。一方、瞬太はプロゲーマーを引退し、マクベスとして活動を始めてからの日々を思い返していた。しかし、自分たちの姿は少しずつその時から、変化し始めていることに気付いていて・・・。20代後半、それは一つの決断の瞬間でもある。
第6話
マクベスの解散が正式に決まり、3人は残された日々を過ごしていた。潤平は、実家の酒屋を継ぐ決心をし、恋人の奈津美との関係に閉塞感を感じ始めていた。奈津美を笑わせたい一心で始めたお笑いだったが、マクベスが解散する。奈津美は大企業で働いていて、自分とは不釣り合いなのではないか?。一方の奈津美もまた、芸人を辞めた後の潤平をどう受け止めていいのか悩んでいて・・・。そして里穂子は、マクベスを心の支えにして来たため、これからの未来について岐路に立たされる。
第7話
マクベス解散の日まであと1ヶ月。里穂子は、酔って公園で春斗に絡んでしまったこと謝罪するために、マクベスのマンションを訪れていた。里穂子が酔っ払った原因は、恩田の中途採用の話を断った後にした、ある話がきっかけになっていたのだ。里穂子の悩みに気付いた潤平は、奈津美と共に、奈津美の知り合いの転職エージェントへの紹介話を持ち出す。里穂子は未だ前へ進む勇気がなかったが、春斗が自分を「里穂子先輩」と呼んでくれたことを思い出し・・・。一方、瞬太とつむぎは引っ越し先の家具を選ぶため、インテリアショップを訪れていた。だが、些細なことから喧嘩が勃発・・・。
第8話
マクベスのマネージャー・楠木は、久々に瞬太が働く焼き鳥屋を訪れた。マクベスに会ってから、3人の売り込みをしてきた日々を思い出していた。マクベスと共に必死に過ごしたその時間は楠木にとっても掛け替えのないもので・・・。しかしそんな日々もに色褪せ、3人との距離は、徐々に広がっていた。一方、里穂子はつむぎが瞬太と付き合っていることを聞く。つむぎの引っ越しを控え、些細なことから冷戦状態に突入してしまう。そんな中、つむぎが働くスナックに楠木がやってくる。
第9話
里穂子の就職先が無事に決まり、マクベス開幕の聖地「ポンペイ」にて就職祝いをするマクベスの3人と奈津美。会話の中で潤平は、奈津美の実家への挨拶のことを尋ねられる。そんな潤平にはずっと心のシコリになっていることがあった。それは、奈津美の元彼であり、現在新進気鋭の実業家として活躍している小林勇馬の存在であった・・・。一方、春斗は、引き篭もりを脱して印刷会社で働くようになった兄・俊春と再会する。そんな中、潤平はついに奈津美の実家に挨拶へ。一見柔和な笑顔で現れる奈津美の父だが・・・。そして、春斗と瞬太は高校の担任・真壁の家のバーベキューに誘われ、二人は真壁の息子・太一から「夢」について、ある問いかけをされる。
最終話
いよいよ「マクベス」の解散ライブの日。里穂子をはじめとして、これまで「マクベス」応援してきた様々な人たちが見にやって来た。出囃子が鳴り、彼らの最後のライブが始まった・・・。里穂子はライブを見ながら、マクベスと出会ってからの日々を巡らせていた。里穂子にとっての「マクベス」とは、一体なんだったのか・・・。そして、ステージ上で春斗は、オレにとって「マクベス」とは・・・一体なんだったのか・・・。ライブを終えたその時にも答えは出ぬまま、時計だけが過ぎて行く。その後のマクベスと中浜姉妹の日常。そして彼らの人生と寄り添ってきた人々のこれから。これまで、数奇な運命が絡み合ってきたこの群像劇の最後の最後は、このドラマ「ならでは」の終幕を迎えることに。
(日本テレビ、土曜ドラマ「コントが始まる」より)
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