天才で理屈っぽくひねくれ者の小勝負勉(坂口健太郎)と、実直で感情のままに行動する元刑事の白熊楓(杏)は、公正取引委員会・第六審査、通称:ダイロクの職員。
「競争の番人」として、独占禁止法に関わる違反行為を取り締まり、不正を働く企業の隠された事実をあぶり出してゆく。
あまり知られていない行政機関・公正取引委員会を舞台とした 凸凹バディのエンタメ・ミステリー。
第1話
刑事の白熊楓は、ミスをして公正取引委員会審査局第六審査に異動させられてしまう。白熊は、第六審査の部屋に入るが、出迎えたのは主査の桃園千代子(小池栄子)だけで、他のメンバーは入札談合の疑いがある大手建設会社に立入検査中。白熊と桃園も、建設会社へと向かい、現場で桃園は、第六審査のメンバーを白熊に紹介する。そして、白熊は不審な社員を見つけた。白熊の視線に気づいた社員は、ファイルを持って部屋から逃げ出し、資料室に入り、そこにいた男にファイルを渡そうとする。白熊は豊島と男を確保するのだが・・・。
第2話
ダイロクのメンバーたちは、「ホテル天沢」のウェディングにおけるカルテルを追っていた。しかし、専務の天沢雲海のガードは固く、小勝負たちは納入業者である花屋への下請けいじめにも気づくのだが、有力な証拠がない。そして雲海は「不正行為を行なっているのは花屋側で、いじめられているのはホテル側だ」とマスコミに流したのだ。雲海が圧力をかけたのか「ホテル天沢」の下請けいじめの調査は年末までで終了とダイロクメンバーに通達される。そこへ、六角洸介が「ホテル天沢」のホテル長、長澤俊哉が退職したとの情報を持ってきた。早速、小勝負と白熊は長澤の自宅へ向かうが・・・。
第3話
ダイロクのメンバーたちは、「ホテル天沢」の元ホテル長・長澤俊哉の協力を得て、雲海の留守を狙い下請けいじめの調査に入る。ウエディングカルテルの資料も集めようとするが、雲海が戻ってしまい追求出来なかった。そんな中、長澤にカルテルの資料が保管されているところが分かったと言われ、小勝負と白熊は、書庫に案内される。しかしそれは雲海の罠で、小勝負と白熊はホテルの書庫に監禁されてしまうが、小勝負は書類の中に過去の宿泊台帳と顧客カードを見つける。そこには、ウエディングカルテルだけでなく、過去に摘発されたカルテルの当事者たちが同じ部屋を利用した記録があった。
第4話
世界的な電機メーカー「アレス電機」の優越的地位の濫用をダイロクが調べることに。自社の地位を利用した部品単価の一方的な減額や支払期限の延長を強制する、いわゆる下請けいじめだ。そして「アレス電機」の役員を見ていた白熊が、知った顔の男がいることに気づく。なんと白熊が強盗殺人事件の捜査中に現場で取り逃がした柴野竜平ではないか。今度こそ柴野を捕まえることが出来るかもと意気込む白熊だが、今は公取委の身なので捜査は出来ない。しかも、警察は事件の捜査を中止していた。
第5話
「アレス電機」の下請けいじめを調査するダイロクは、下請け会社をまとめていた丸川俊春の協力を得る事に成功。各社の証言も有り、いよいよ検査が行われようとした時、ダイロクに六角洸介の父親で検事の敦夫と駒場直樹が現れて検査に待ったをかけた。下請けをいじめている柴野竜平に横領の疑いが有り、検察の捜査を優先させて欲しいと言うのだ。半ば諦め気味の風見慎一だが、本庄聡子は検察の捜査の邪魔はしないと断わる・・・。数日後、ダイロクは「アレス電機」へ立入検査に出向くが、そこへ検察が踏み込んで来て、資料などを差し押さえてしまう。
第6話
今回の調査案件は大手呉服店「赤羽屋」による私的独占。私的独占とは、事業者が他の事業者の参入を妨害、排除するなどして市場の競争を制限する行為。私的独占を行っているのは「赤羽屋」の社長、赤羽千尋で、呉服店「ファイブシーズン」の社長、井出香澄が情報を提供した。早速、小勝負と白熊は千尋の着付け教室へ。千尋は客には温和だが、従業員には厳しい態度で臨んでいる。次に二人は香澄から話を聞くと、香澄は「赤羽屋」で働いていたが、あまりの厳しさについていけずに退職し、「ファイブシーズン」を立ち上げた。そして、直接織元と契約を結び上質な着物を安く手に入れる新しい経営を始めたが、最近、職人が次々と契約を切るようになったと言う。
第7話
小勝負勉が第一審査局の応援に行っているため、白熊楓は風見慎一から一人で調査案件を担当してみないかと聞かれる。すると白熊は、この調査案件を無事に解決して小勝負を見返してやると意気込む。調査案件は大手通販サイト「三ツ星マーケット」の自社オリジナルブランド「アンカレント」の再販売価格維持。メーカーやブランドが販売店に対して指定した価格で売るように圧力をかける事で、販売店は自社で値段がつけられないため競争が阻害される。風見は「三ツ星マーケット」社長の山辺純次かブランド事業部長の黒崎美佐子の指示だろうと白熊に話す。
第8話
小勝負勉は緑川瑛子に呼び出され、検察の保管庫で見つけた15年前の死体検案書を見せる。緑川は小勝負勉が公正取引委員会に入った理由はこれではないかと疑うその死体検案書には「ラクター建設」や本庄聡子の名を見つけ、小勝負は表情を曇らせた。15年前、本庄は公取の四国支所で建設工事の談合疑惑に取り組んでいたが「ラクター建設」の関与が疑われるが有力な情報は得られずにいた。本庄は同僚の三島徹とともに「ラクター建設」の木下健一から話を聞くと、木下は否定して社員への聞き込みも迷惑だと断った。そして小さな建設会社「小勝負建設」の調査資料を発見する・・・。
第9話
公正取引委員会第一審査が、東京都発注の土木工事の談合疑惑で「ラクター建設」への立入検査を行う予定だったが、急遽中止になってしまう。小勝負勉の父・誠の死の延長にある談合疑惑に、独自で調査を進める小勝負。本庄聡子は小勝負を止めようとするが、黒幕と踏んでいる藤堂清正と本庄の繋がりを疑う小勝負には通じない。そして小勝負は「談合の件で」と国交省の者と名乗る人物に電話で呼び出され、刃物を持った人物に襲われるが、身を挺してかばった本庄が刺されてしまった。この件で、小勝負は勝手に調査をしたとして謹慎処分になってしまう。そんな時、白熊に恋人の大森徹也から情報が入る。それは、本庄と藤堂のつながり、そして本庄を刺した犯人、白熊が公取に異動となるきっかけとなった・・・。
第10話
ダイロクのメンバーが「ラクター建設」の樋山雄也が仕切る談合現場に踏み込むと、そこには「小津建設」の小津耕介がいた。そして、行われていた談合はダイロクが追う「東京湾岸地区再開発プロジェクト」ではなかった。さらに、警察が踏み込み、樋山を本庄聡子殺人未遂と「ラクター建設」の古賀康弘殺害容疑で逮捕する。この一連の出来事は、藤堂清正が自分の身に危険が及ばないようにするために仕掛けた罠だった。ダイロクは、樋山と小津建設が関わっていた談合の裏付け調査という名目で「ラクター建設」を立入検査を行えたが、「再開発プロジェクト」の調査は認められなかった。しかしそれは、入札日が迫る「再開発プロジェクト」の談合場所を探り出す足掛かりでもあった。
第11話 最終回
本庄聡子たちダイロクのメンバーは、藤堂清正を頂点とする談合疑惑を解明した。しかし小勝負は、強引な調査を指摘され、四国支所に異動させられてしまう。故郷でもある四国に帰った小勝負は、父の墓前で藤堂の件などを報告。その足で、懐かしいご当地パンを買おうと商店街へ行くが、閉店した店が多い。しかたなく、大手スーパー「エースマート」でパンを買うが、その安さに疑問を持ち店内を見て回る。そんな小勝負は、店長の松尾優に万引きと間違われ、バックヤードで説明していると店内から悲鳴が・・・。店内に向かうと、猟銃を持った男が従業員たちを脅していて、小勝負も男に見つかり従業員たちのもとへ。駆けつけた警察官に、男は近づいたら人質を殺すと叫ぶ。
(フジテレビ、月9ドラマ「競争の番人」より)
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