第1話
2019年。地域課の制服警官だった瓜原潤史(赤楚衛二)は、ある事件の犯人を逮捕し、署長賞を受賞する。そして瓜原は、捜査一課へ移動となり、「風間道場」で実際の事件を通して刑事の基礎を叩き込まれることになった。そんな中、タクシーの乗客が刺殺される事件が発生。被害者は、ホストクラブのオーナー・芦沢健太郎(久保田悠来)。芦沢は、女性と一緒にタクシーに乗車し、先に降りたその女性から、酔って寝てしまった芹沢を指定した場所まで送り届けるよう指示したようだ。運転手が指示された場所で芦沢を下ろそうとしたとき、死んでいるのに気がついたと言う。風間は、瓜原にクシー運転手の話を聞くよう命じる。
第2話
県警本部捜査一課の刑事指導官・風間公親とバディを組み、刑事として必要なスキルを学ぶことになった瓜原潤史は、何があっても逃げずに食らいつこうと決意する。風間の指導官室でデスクをしている伊上幸葉(堀田真由)は、そんな瓜原に「犯人が出した謎じゃなく、風間さんが出した謎を解くの」と助言する。そんな中、3年1組担任の教師・諸田伸枝(山田キヌヲ)が小学校の校庭で遺体となって発見される。遺体の後頭部には血痕があり、校庭に設置されているブロンズ像にも血液が付着していた。瓜原は、風間から「目を閉じて現場の様子を私に伝えてみろ」と命じられる。そして、何者かが被害者を突き飛ばし、ブロンズ像が手にしている本の角に後頭部をぶつけて死亡したのではないかと推察するが・・・。
第3話
県警本部捜査一課の刑事指導官・風間公親(木村拓哉)のもとに、新人刑事の隼田聖子(新垣結衣)がやってくる。隼田は、小学4年生の娘・ゆかり(諏訪結衣)と二人で暮らしているシングルマザー。娘と助け合って仲良く暮らしていた隼田だったが、真面目な性格ゆえ、刑事の仕事と娘との生活の両立に悩んでいた。そんなある日、大学の法医学教室で助教授を務める宇部祥宏(浅利陽介)が変死体で発見される。宇部は一人暮らしで、自宅の外で倒れているところを近所に住む主婦に発見された。隼田と共に臨場した風間は、宇部宅のテーブルの上にあった「先にテンゴクへ行ってます」というメモを発見する。風間から、「他殺か自殺か?」と問われた隼田は、天国という文字がカタカナであることや、遺書のようにも見えるそのメッセージが、便箋ではなくメモ用紙であることへの違和感を口にする。
第4話
刑事指導官の風間公親が以前逮捕した殺人犯が、出所後に事務員の伊上幸葉のカバンに、当時凶器として使っていた千枚通しを入れた。新人刑事の隼田聖子は、幸葉が怖がっていることを風間に伝え、風間は、自宅周辺を警備させていることや、念のためほかの部署に移ってもらうことを幸葉に告げる。そんなある日、人気工芸家の浦真幹夫が、自宅のリビングで死んでいるのが発見され、遺体は腐敗が進んでおり、死後4日ほど経過しているようだった。風間から所見を求められた隼田は、遺体の頭部にある傷が真横よりやや正面についていることから、向き合っているときに殴られたものと判断し、顔見知りの犯行だと返す。
第5話
刑事指導官・風間公親のもとへ、新人刑事の遠野章宏がやってくる。警察官に憧れていた遠野は、警察学校を優秀な成績で卒業し、警察学校長・四方田秀雄からの強い推薦もあった。ある日、遠野と風間は、変死体が見つかった現場に臨場する。被害者は、地理が専門の大学教授・梨多真夫で、現場となった自宅でひとり暮らしをしていた。第一発見者は、梨多のゼミに所属する戸守研策。午後8時頃、卒論のことで教授を訪ねてきた際に死体を見つけたという。梨多は、自宅のテラスから転落し、頭を岩に打ち付けて死亡したものと思われた。死体の近くに一眼レフカメラが落ちていたことから、梨多は写真を撮ろうとして誤って転落したのではないかと、捜査一課の刑事・谷本進一が風間に報告するが・・・。
第6話
熊之背山の登山口近くで、頭部と両手首が切断された変死体が発見された。近隣の住民が、犬が吠えたために地面を掘り起こして見つけたもので、死亡推定時刻は4日前の夜。現場に駆け付けた県警本部捜査一課の刑事指導官の風間は、新人刑事の遠野に死体の絵を描くよう指示する。そして遠野は、右肩が左よりも下がっていることに気づくが、理由まではわからなかった。風間は遠野に、科捜研がDNA型を調べて行方不明者との照合を終えるまでに犯人を仕留めろ、と命じる。事務員の伊上幸葉が現場近くに住んでいることを知った遠野は、彼女にも協力してもらい、現場に集まっていた野次馬の写真の中から、近隣住民とハイキング客を除外する。そしてそのデータから、ギャラリーを経営している画家の向坂善紀という男に注目する・・・。
第7話
風間と遠野は、強盗犯の張り込み要請を受けて雑居ビルの屋上で待機していた際に、男に襲われる。犯人は15年前に殺人事件を起こし、風間に逮捕された男で、遠野は意識不明の重体となる。風間も右目を刺されていたが、事件現場での実況見分に加わり、そこには隼田の姿もあった。別の日、風間たちは、舞台俳優の元木伊智朗が死亡した現場へ臨場する。そこに新たに風間の指導を受けることになった新人刑事の鐘羅路子がやってきた。この事件の参考人は、元木が死亡した部屋の住人で、同じ劇団の女優・筧麻由佳と、隣室に住む佐久田肇。元木は、舞台の打ち合わせで麻由佳の部屋を訪れ、彼女がお茶を入れている間に、突然首を吊って自殺しようとしたのだという。麻由佳は、隣室の佐久田に助けを求めたが、元木はふたりの目の前で首を吊ったらしい・・・。
第8話
風間公親と新人刑事の鐘羅路子は、27歳の女性・小田島澄香の変死体が発見された古い木造一軒家に臨場する。澄香は2ヵ月前に母親を亡くしてこの家を相続していた。外傷がなかったことから、死因は毒物による中毒死の可能性が高い。テーブルには大盛りの中華料理が残されており、二人分の箸と取り皿、カップ、点鼻薬があった。そして一方の食器だけ、指紋が拭き取られていた事から路子は、容疑者は男のような気がする、と言い出す。家の仏壇からは、住所録が見つかり、それを見ていた路子の手が止まる。そこには路子の同棲相手である西田徹と徹の友人、実相寺実の名前があったからだった。路子は、徹から頼まれ、実相寺に警察の捜査が及んでいるかどうかを密かに調べていた。
第9話
風間と遠野が刺された事件の専従捜査チームが集まっていたところに風間がやって来た。柳沢浩二は、被疑者の十崎波琉が事件後アパートに戻っていないことや、現場に出入りしていた鳥羽暢照というバイク便ドライバーと連絡が取れていないことを報告する。そして隼田は、自ら志願して専従捜査チームに入ったことを風間に伝えるが・・・。そんな中、鉄道線の上を通る歩道橋で、加茂田亮という男が刺殺される事件が起きる。顔や指をライター用のオイルで焼かれていて、死亡推定時刻は午前2時から4時の間。雨が降っていたために、被疑者の指紋や足跡は判別出来なかった。そこに、所轄署から風間道場への異動を命じられた新人刑事の中込兼児がやってくる。
第10話
県警捜査一課の風間と中込は、変死体が発見された現場に臨場する。死亡したのは、住宅街の一軒家に住む仁谷清香で、発見したのは22歳年下の夫でデザイナーの継秀だった。清香は、調理中だったようで、フライパンの中の鰆が焦げて炭化していた。清香は1年ほど前から認知症を患っていて、物忘れがひどくなっていたためか、電話を受ける度に録音していたようで、彼女の声がたくさん残っていた。清香が死亡したと思われる時間、継秀は、印刷会社に勤める田瀬葵と食事をとりながら打ち合わせをしていたという。葵の証言では、継秀がいつもと違ってセット料理ではなくコース料理を頼んだこと、「妻が指輪をなくしてがっかりしている」という話を聞いたという。風間は「いつもと違う行動をしたということは、日常に異物が紛れ込んだということだ」と中込に告げる。ほどなく、清香の死亡原因はフッ化水素ガスの吸引によるものと判明する。
第11話 最終回
有機化学者で大学教授の清家総一郎の邸宅で殺人事件が発生した。被害者は、清家の娘・紗季の夫で、無職の甘木保則。保則の背中には千枚通しが突き刺さっていて、風間らを襲って逃亡中の十崎による犯行ではないかと思われた。通報したのは、第一発見者でもある清家で、二年前に実験中の事故で劇薬を浴びて失明していたため、指輪を触ってリビングに倒れていたのが保則だと判断したという。風間とともに臨場した隼田は、清家から詳しい話を聞くと、無職の保則に毎月50万円の生活費を渡しており、保則は昨夜8時ごろそれを取りにやって来たのだという。そして酒を飲み、飲み続けている保則を残して先に就寝した。翌朝、目を覚ました清家は、リビングで倒れている保則に躓き、彼が殺されたと通報したのだという。
第12話 特別編
風間と遠野を襲った被疑者・十崎波琉は若い警察官によって逮捕されたが、十崎の弁護士は、逮捕時に暴力行為があったと公安委員会に抗議し釈放される。また、風間ら被害者だけでなく、目撃者も被疑者の顔をはっきりと見ていないため、十崎の犯行だと断定できる証拠もなかったのだ。そして風間は、この一件がきっかけで一線を退く決意を固める。捜査一課事務員の幸葉は、残った備品を片付けていた時に組み立てブロック玩具で作られたミニチュアを見つけるが、パーツが外れていて、何をモチーフにしたものかはわからなかった。幸葉は、これまでにも風間と新人刑事たちが関わった事件をモチーフにしたミニチュアをブロック玩具で自作しており、それが事件解決のヒントになったこともあり、誰が作ったのかわからないこのミニチュアが何なのか気になった・・・。
(フジテレビ、月9ドラマ「風間公親 -教場0-」より)
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