第1話
27歳の黒目すい(飯豊まりえ)は、ほぼ引きこもりの家事手伝い。漫画家の父・丈治(陣内孝則)と二人で暮らしている。すいが部屋に引きこもってから10年が過ぎた頃、丈治の漫画の連載の打ち切りが決定した。担当編集者の来栖久美(シシド・カフカ)は、大ベストセラー作家の公文竜炎(溝端淳平)が原作を書き、丈治が作画を担当するという、コラボを提案する。ジャンルは鮮烈でピュアなラブストーリー。公文からの条件はただひとつ、すいがモデルの主人公にすることだった・・・。
第2話
10年間引きこもりを続けていたすいは、同窓会が開催されているホテルに到着後、化粧室の個室に閉じこもり、勇気を出して化粧室から出た時は、すでに同窓会は終了していた。落ち込みながら歩いていると、二次会のカラオケ店から出てきた元サッカー部の江田悠馬に呼び止められる。すいは動揺するが、人気小説家・公文竜炎から教えられた、会話に困ったときに使える魔法の言葉「ナンウマ?」という言葉を投げかける。そして、連絡先を交換する。娘の勇気ある行動に父・丈治は感動するが、公文は、「高校時代に淡い思いを通わせていたすいと悠馬の10年越しの再会は、物語としてはありきたりで退屈だ」として、バイク事故を起こしたサッカー部のエース・雨宮純平との話を提供してほしいとすいに伝えるが・・・。
第3話
すいを乗せてバイク事故を起こしたサッカー部のエース雨宮純平は生きていた!?悠馬をはじめフットサルコートで高校時代のサッカー部メンバー達と10年ぶりに再会したすい。そんな中、すいの元にサッカー部時代のマネージャー仲間で親友の瑞貴から電話があった。すいは、瑞貴からの電話を受けて、10年ぶりに会う約束をする。高校時代、瑞貴とすいは、悠馬から告白されるまでお互いに抜け駆けはなし、という約束を交わした仲だったが、喫茶店で、瑞貴から2年前に悠馬と結婚したことを打ち明けられた、すいは思わず「ナンウマ?」と切り返す・・・?その様子を盗み見していた小説家の公文竜炎は、悠馬の結婚に、あまりショックを受けていない様子のすいに、「理解できない!ヒロイン像がつかめなくなった」と困惑する。
第4話
10年ぶりに再会した悠馬・瑞貴・純平そしてすいだったが、すいは過去のトラウマを思い出し、過呼吸で倒れてしまう。そんなときに救世主として現れたのは、すいの彼氏を装った公文竜炎だった。公文は、ディナーに参加し、すいも平静を取り戻す。更に純平は、すい・瑞貴と一緒にサッカー部のマネージャーを務めていた橋爪リリ子も招待していた。リリ子は純平の秘書として働いていて、高校時代は純平の事を追いかけ続ける、自他ともに認めるストーカーだった。6人の会食は和やかにお開きとなり、すいは楽しい時間と人生で初めて味わうお酒に、心地よく泥酔してしまう。後日、リリ子のキャラクターに興味を抱いた公文は純平の不在を狙ってリリ子に会いに行く。そこでリリ子から10年前のバイク事故に関する衝撃の事実を知らされる。一方その頃、悠馬は、妻の瑞貴が浮気をしているかもしれないと、すいと純平に相談するのだが・・・。
第5話
撮影スタジオで、芽衣はすいの写真を撮っていた。芽衣の提案で、雑誌の読者モデルを始めたすいは、引きこもり生活とは真逆の方向へと進み、表舞台でどんどん輝いていくが、公文は何故かすいを避けている様子。何かマズい事でもしたのかと考えるすいに、父・丈治は「好き避け」の症状だと説明する。クリエイターである公文が物語のヒロインであるすいに疑似恋愛しているというのだが・・・。そんな中、公文のマンションにいつもの顔ぶれが集まり、物語の今後に関しての打ち合わせが行われようとしていた。そこへゲストとして、橋爪リリ子がサプライズで現れ、「10年前のバイク事故の原因は私なの」と衝撃の事実を告白し始める。10年前、自他共に認める純平のストーカーであったリリ子は、純平がすいに想いを寄せている事が納得が出来ず、とある人物を使って、純平のバイクに細工をさせようと試みるのだが・・・。
第6話
すいを主人公にした公文竜炎と黒目丈治のコラボ漫画は大好評で、アニメ化やグッズ化も現実味を帯びてきた。喜ぶ一同に、すいが「実は・・・純平に温泉に誘われた」と報告する。2人きりではなく、サッカー部の仲間たち全員が集まるという。それは公文が純平に指示したことで、何も知らない6人はサッカー部時代の合宿で訪れた思い出の海へと向かうと、公文と芽衣が待ち構えていた。すいが引きこもりになるキッカケとなった高校時代のバイク事故で、一体何が起きていたのか・・・。公文は10年前のバイク事故の真実を語るよう全員に問いかけると、リリ子が「あの事故は、私が原因なの」と切り出す。それは健人が女子マネージャーの着替えを盗撮したことに気づいたリリ子が、口止めの条件として、純平とすいが乗るバイクに細工するよう脅したという内容だった。衝撃の告白に驚愕する一同だったが、実はそれは彼女の誤解で真実は別に存在した・・・。
第7話
「ホントの海」で10年前のバイク事故の真相(本音)を告白し、同級生たちのわだかまりは解消され、それぞれが新たなる人生の一歩を踏み出そうとしていた。しかし、帰ってきたすいは、自分に好意を抱いていたはずの公文が突然、無関心となってしまい、どこか不機嫌だった。公文自身も、「作品の創作過程でストーリーに登場した三島公平として、ヒロインに疑似恋愛していただけ」とそっけない素振り。そんな中、公文は自らのマンションに瑞貴と健人を招き入れる。悠馬と離婚し、すいに「悠馬を返す」と吹っ切れたように言っていた瑞貴だったが、離婚の本当の理由は別にあり、健人だけに明かしていた「本当の離婚の理由」を話し出す。その衝撃の理由に、すいは涙を流しながら、絶対に口外しないことを誓う・・・。さらに公文と謎の美女との関係について、秘密を知る久美が勘違いをしている丈治に語りかけるのだが・・・。
第8話
。すいと純平が10年前に起こしたバイク事故を、たまたま通りかかって助けた人物が公文竜炎だった。公文は母親とその再婚相手を包丁で刺し、医療少年院へ送られ、その後も自傷行為を繰り返し、現在は病院に収容されている妹の蕾のお見舞いの帰り道にバイク事故に遭遇した。その後、公文は純平とすいを車に乗せ、病院まで連れて行き、不安だらけのすいに付き添っていた。すいは、自分が10年間、公文に見守られていたことに気づき、同じく引きこもり状態にあるアガサこと蕾を助けたいという想いから来栖を通じ、蕾への面会を試みる。その頃公文は、すいをモデルにした物語にいよいよ決着をつけるため、江田悠馬に「一人の男性として、すいを支えてください」と伝えていた・・・。
第9話 最終回
公文竜炎は、単行本刊行記念サイン会の会場で、が熱狂的なファンに襲われた。そして久美は対応に追われ、現場は大混乱に!その頃、すいは公文の妹・蕾に会うために1人病院へ。公文と、そして公文の妹・蕾を救いたい!すいは、10年前のバイク事故以降、自らを見守り続けてくれていた公文のおかげでコモリビト状態から脱出できた。すいは蕾とお揃いのオレンジウィッグを被り、中庭から病室へメッセージを送り続けるのであった・・・。サッカー部のメンバーたちも、過去のわだかまりや悩みを乗り越え、新たな人生の一歩を踏み出そうとしていた。そして悠馬は、すいを連れてホントの海へ。悠馬が伝えようとするホントの想いとは!?そして新たな道を歩き始めるサッカー部のメンバー達。彼らが選んだ未来とは・・・?
(ABCテレビ「何曜日に生まれたの」より)
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