型破りのクセ者×堅物のエリートによる爽快リーガルエンターテインメント!
入間みちお(竹野内豊)は、冤罪を生まないよう、自らの足で現場検証を行い、事件の真相を明らかにする、東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)所属の裁判官。
お堅い裁判官のイメージとはほど遠いが、しがらみ・偏見・先入観にとらわれない観察眼と、徹底的に調べ上げる探究心を持ち、弁護士団や検察官たちから恐れられている。
迅速かつ効率的に事件を処理することも大きな使命のひとつだが、マイペースで事件を深掘りしていくみちおに、メンバーたちはいつも頭を抱えている。
そんなみちおは、元弁護士で、裁判官になった背景には、過去のとある事件が深く関わっている・・・。
そして、みちおと真逆タイプの裁判官なのが坂間千鶴(黒木華)。
東大法学部出身で将来を約束されたエリート中のエリートだが、冗談が全く通じない堅物。
裁判官が的確かつ速やかに事件を処理することで日本の治安が維持されていると自負している。
そんな千鶴がイチケイに異動してきた理由は、事件の処理件数が信じられないほど少ないイチケイを立て直すため。
迅速さと効率性を求める千鶴にとって、じっくりと事件の真相を深掘りしていくみちおの仕事スタイルは理解ができず、イライラが募るばかり・・・。
しかし、事件をただの案件ではなく一人一人の人生として扱うみちおの信念に気づいたとき、判決を下すだけではなく、裁判官として何ができるのかという問いに直面する。
性格も価値観も事件へのアプローチも全て真逆の二人が出会った時、難事件の裏に隠された真実が明らかになっていく!
第1話
大学生の長岡誠が、代議士の江波和義に全治1ヵ月のケガを負わせた傷害事件の起訴案件をみちおを裁判長に、坂間と駒沢の3人で審議する合議制で取り組むことになった。誠は、江波の秘書だった洋一郎の息子。洋一郎は、2ヵ月前、不正献金疑惑で東京地検特捜部がマークし始めた矢先に、電車に飛び込んで自殺した。誠は江波の方から先に殴ってきたと証言し、父は自殺ではないと主張。すると裁判長のみちおは、傷害事件のもとになった洋一郎の死の真相を確かめる必要があるとして、捜査権を発動し現場検証を行うと言い出す。
第2話
イチケイの部長・駒沢は、1審で有罪判決が下された人気料理研究家・深瀬瑤子による幼児虐待事件を合議制で扱いたいとみちおたちに告げる。瑤子は、当時1歳半の長女が泣き止まないことに苛立ち、激しく揺さぶるなどしてケガを負わせたことにより、傷害罪で2年6ヵ月の有罪判決を受けていたが、瑤子は判決を不服として控訴。それを受けて高裁は、審理内容を精査し、地裁に差し戻したのだ。しかし、実はこの案件、第1審の裁判長を健一郎の息子・隆久が務めた取り扱い要注意案件で・・・。
第3話
起訴状を読んでいた部長の駒沢は、重過失致死及び死体損壊の事件を合議制で扱いたいと、みちおたちに告げる。被告人はガラス工房で働く藤代省吾、被害者は市役所職員の野上哲司だった。その工房には野上の14歳になる娘・碧が通っていたが、碧の母・奈緒に一方的に好意を抱いた藤代は、人格非難にあたる内容の手紙を送りつけていた。野上は藤代の仕業だと気づき、工房で会い、口論からつかみ合いになったという。藤代は自転車で逃げようとして野上と衝突し、後ろに倒れた野上は、後頭部を強く打ち命を落としたという。犯行後、藤代は野上の遺体を焼却炉で燃やしていた。
第4話
イチケイの部長・駒沢は、家庭裁判所から逆送されてきたある少年事件を合議制で扱いたいと、みちおたちに告げる。被告人は17歳の望月博人。博人は半年前に高校を中退し、レジャー施設でアルバイトをしていたが、あるとき売上金5000万円を盗んで逃亡。警察に確保されそうになった際に、ビルの非常階段から盗んだ現金をばらまいた。裁判長は坂間がいいのではないかとみちおが提案し、坂間は了解する。そして博人の第1回公判が始まったのだが、博人は完全黙秘を貫き・・・。
第5話
イチケイに、あるバレエ団で起きた傷害事件の起訴状が届く。被告人は、バレエ団代表で振付師の槇原楓。被害者はそのバレエ団の元トレーナーの矢口雅也だった。2人は口論からつかみ合いになり、槇原は矢口を突き飛ばし、頭を強打した矢口は現在も意識不明の重体だった。坂間が裁判長を務めた第1回公判。別の事件の公判を終えたばかりのみちおの姿もあった。冒頭陳述で、検察官の井出は、矢口が複数のダンサーにセクハラを行い、槇原に解雇されたことに恨みを抱いていたことなどを説明する。すると、傍聴マニアから画用紙を借りたみちおは、みちおが担当した「食い逃げと」「バレエ団」の事件をまとめて審理したいと提案する。
第6話
みちおたちは草野球の試合を終え、地検チームと一緒に石倉の実家「そば処いしくら」で飲んでいると、坂間が日高を連れてやってくる。女性裁判官の会に出席し、日高の最高裁長官内定のお祝いをしていたそうだ。みちおは日高に志摩総一郎が被害に遭った窃盗事件を担当することになったと告げる。志摩は、弁護士時代のみちおが最後に担当した事件に関係する人物だった。みちおが裁判長を務める窃盗事件は、前科6犯の窃盗犯・岸田が志摩の自宅に忍び込み、現金113万円を盗んだ事件だった。岸田は犯行後、盗んだ自転車で逃走したが、途中で新聞配達員の乗る自転車と衝突事故を起こし、顔を見られたので自首したという。
第7話
弁護士時代のみちおが担当した東丸電機殺人事件。被告人の仁科壮介は、東丸電機の研究部主任だったが、経営戦略部部長の布施元治から研究部門の解体および製造部門への異動を命じられたことで、度々トラブルを起こした挙句に撲殺した罪で、無期懲役を言い渡されていた。だが判決後も仁科は、事件現場から逃げていく男を目撃したと主張していたが、獄中で命を絶ってしまう。その男こそ、イチケイが扱った窃盗事件の被害者で、国税庁OBの志摩総一郎だった。
第8話
前橋幸則と磯崎由衣が事務官から書記官になるための研修生として、イチケイにやってくる。部長の駒沢は、ふたりに合議制で扱う案件があるから立ち会うよう指示をする。案件は傷害事件だったが、被告人の潮川恵子は、坂間と浜谷が担当する窃盗事件の被告人だった。万引きの前科があった恵子は、再びスーパーマーケットで万引きをし、山寺史絵という女性の通報で保安員に捕まっていた。恵子の夫は海外単身赴任中で、6歳になる娘がおり、更に義母の介護もあったため逃亡の恐れもなく、在宅からの審理がいいのではないかと坂間に進言するが・・・。
第9話
「世田谷家政婦殺人事件」は、イチケイが扱うことになり、裁判員裁判で審理されることになった。被告人・高見梓は家政婦として桐島家で働いていたが、ある時、3階のバルコニーで被害者・桐島優香と争いになり、柵が破損していることを知りながら突き飛ばして転落させたという。梓は、転落後もまだ息があった優香をそのまま放置。たまたまやってきた配達員が救急車を呼んだが、優香は命を落としていた。また優香は、梓に多額の遺産を残すことを1年前に弁護士に書面で伝えていたという。第1回公判で、梓は自分は殺していない、あれは事故だと主張。遺産の件も知らないと証言する。
第10話
駒沢は、レアケースの案件が上がってきたので合議制で審理するとイチケイのメンバーに伝える。それは傷害事件なのだが、被告人が「名無しの権兵衛」だという。第1回公判。被告人は、名前はもちろん、自らの素性を明かすことを拒んだ。事件の内容は、当時17歳だった被害者の朝倉純の胸部を工具で殴打し、大ケガをさせたというものだ。被告人が河川敷で路上生活者仲間とバーベキューをしていた時、被害者の純を含む5名の少年たちから投石を受けた。被告人は、少年たちを追いかけ、純を捕まえて注意をした。少年たちはそのことに腹を立て、再び投石行為を行い、路上生活者のひとりにケガをさせてしまう。純を探し出した被告人は、もみ合いになった際に彼が持っていたスパナを奪って殴りつけたという。
最終話
週刊誌にみちおが、元同僚の弁護士・青山と癒着し、無罪判決を出しているという告発記事が掲載された。そんな折、日高はみちおを呼び出し「地裁の裁判官の任期は10年で任期満了後にはほとんどが再任される。問題のある裁判官以外は・・・」と告げて・・・。今回の事件の被告人は大学生の笹岡庸介。自転車競技部に所属し、大会に向けて深夜に自主練習をしていた際、かなりのスピードを出していた上、左側通行を守らず、家族連れと衝突事故を起こす。その事故で、7歳の向井愛が意識不明の重体となっていた。笹岡は、左側通行をしていたが、角を曲がる際にライトで視界を遮られ、さらに工事用のガードフェンスがあったために右側を走るしかなかったと主張した。だが、検察の調べたところ、深夜工事の記録は一切ないという。
(フジテレビ、月9ドラマ「イチケイのカラス」より)
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