「同期のサクラ」
北の小さな離島から、1人上京した北野桜(高畑充希)。
大手ゼネコンの入社式で、「私の夢は、故郷と本土を結ぶ橋を架けること!」と社長に宣言。
同期全員が、何か「強い想い」を抱いて仕事をするものだと思い込んでいたのだが・・・。
夢に向かって、脇目も振らず突き進むサクラに、最初は冷めていた同期達も、次第に巻き込まれていく。
しかし、配属に影響する大事な新人研修で、社長の理不尽な言動にサクラの「忖度できない」性格が、思わぬ事態を引き起こす・・・。
これは、どんな逆境にも自分を貫いたサクラと、その同期たちの10年間の記録。
第一話 あらすじ
病院のベッドに横たわり、意識の戻らないまま人工呼吸器につながれた女性・北野桜。
知らせを受けて駆けつけたのは、会社の同期、月村百合(橋本愛)、木島葵(新田真剣佑)、清水菊夫(竜星涼)、土井蓮太郎(岡山天音)だった。
4人の思いは皆一緒・・・サクラのいない世界に生きていてもしょうがない・・・。
その10年前の2009年、春。
大手ゼネコン・花村建設の新入社員となったサクラは入社式に急いでいた。
ギリギリ間に合った入社式でも、社長(西岡德馬)のスピーチに「話が長いと思いました」など立場をわきまえない発言をして周囲を唖然とさせる。
人事部長・黒川森雄(椎名桔平)のフォローで空気が和らぐものの、サクラの超マイペースな性格は、同期の皆に強烈な印象を残す。
3週間の新人研修の最終課題として配属先の決定に影響する「日本の未来に残したい建造物の模型作り」が発表され、サクラは班のリーダーに選ばれる。
同じ班になったのは、百合、葵、菊夫、蓮太郎。
4人を親睦会に誘ったサクラは志望部署を尋ねられ、故郷の離島に橋を架ける仕事に関わるため、どうしても土木部に入りたいのだと自分の夢を語る。
「花村建設で初めて出会った仲間なので」と5人で記念写真を撮るとさっさと帰ってしまうサクラ。
表情はわかりにくいが熱いような、とらえどころのないマイペースなサクラの性格に4人は戸惑う。
翌日から、サクラたちは人事課の火野すみれ(相武紗季)の指導の下、ビジネスマナーや現場研修など厳しい新人研修を受ける。
皆がクタクタになる中、サクラは空気を読まず最終課題の模型作りの打ち合わせをしようと持ちかける。
しかし、課題に向けた皆の意見はバラバラ。
夢のためには、決して自分の信念を曲げないサクラの言動は、「組織」を重んじる会社の中で、ウキまくる。
しかし、歩みの遅い亀が、必死に東京のスピードについていこうとするようなその姿は、同期たちの心を変えていく・・・。
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