第1話
三星大陽は、財閥系大企業「三ツ星重工」前会長の次男坊。三ツ星重工は、兄・大海(小泉孝太郎)が代表取締役社長を務め、先代のころからの副社長である叔父の義知(反町隆史)とともに会社を支えていた。大海は、社長就任後すぐに大規模なリストラなどの改革を断行し、巨額負債を返済して三ツ星重工を立て直した。ある日、大陽は、ゲーム会社「ハイパースティック」の社長・小野田虎魂(吉野北人)らと一緒にクラブで飲んでいた。その店で大陽は、林田利光(小手伸也)という中年男に出会う。かつて、メガバンク「みその銀行」の融資部門の次長だった林田は、あることがきっかけで左遷され、子会社「リリーフ保険」に出向させられていた。林田に興味を抱いた大陽は「起業家と銀行のマッチメーカーとして起業しないか?」と声を掛けるが・・・。
第2話
自称人間投資家の三星大陽は「三ツ星重工」の定例株主総会に出席。4年前に社長の大海にリストラされた造船所の現場責任者・武藤浩を起業させると宣言する。大陽は「リストラだって次へのスタートアップ。人は資産なんだ」と言い、大海は「起業は博打の世界。人は強いリーダーを求めている」と返す。副社長で叔父の義知は、大海と大陽のやり取りを楽しそうに聞いていた。その数ヵ月前、大陽はイベント会社「エンジョイ・メーカーズ」の副社長・福島あかねに声をかけていた。「エンジョイ・メーカーズ」は、社長の東城充が大学時代に同級生のあかねに声をかけて起業した会社だった。
第3話
「サンシャインファンド」の社長・三星大陽は、起業家と銀行をつなぐ会社「スタートマッチ」を興した林田利光をオフィスに呼び、小学校時代の同級生・御手洗光一と引き合わせる。御手洗は、パチンコグループを経営しており、新たに遊戯と交流の場を兼ねた複合施設を作ろうとしていた。御手洗が持参した事業計画書を読んだ林田は、グループ自体の経営も安定していることから、銀行からの融資は可能と判断する。ところが「みその銀行」の融資担当で、かつては林田の部下でもあった羽賀佳乃は「パチンコ関係というのはちょっと・・・」と言って融資を拒否する。
第4話
三星大陽の投資でゲームアプリ会社「ハイパースティック」を興した小野田虎魂は、業績順調だが、過酷な制作環境下で疲弊していく社員たちの姿に心を痛めていた。ある日、虎魂は、行きつけの居酒屋で店主にそのことをこぼすと、M&Aアドバイザーの野本優作という男が声をかけてきた。野本は「ハイパースティック」をもっと大きなゲーム会社に買収してもらってはどうかという話だった。虎魂は、大陽に相談するが「今のお前じゃ、きっとろくなM&Aにならないと思う」といって反対する。虎魂が納得できずにいると、大陽は「M&Aするもよし、しないもよし。ただし、俺には頼らないこと」という条件を出す・・・。
第5話
三星大陽は、三ツ星重工の元社員・武藤浩がスタートアップするための準備を手伝っていた。武藤は、三ツ星重工の造船所事業の現場責任者だったが、造船所閉鎖の決定に最後まで反対し続け、大陽の兄、三ツ星重工社長・大海によってリストラされたのだった。一方、三ツ星重工の元常務・山口浩二は、航空部門の不適切な会計処理が明るみになり、その責任を取る形で退任させられていた。山口の部下であった加賀谷剛はCHO(最高人事責任者)に就任したものの、山口の退任を気に病み、後を追うようにして会社を去った。山口は、加賀谷に会いに行き「もう一度一緒に仕事をしないか」と誘うと、いきなり大陽が「俺たちと一緒にスタートアップしよう!」と切り出し・・・。
第6話
三星大陽は、三ツ星重工をリストラされた元造船所責任者の武藤浩と、三ツ星重工を支えてきた元常務の山口浩二、そして元CHOの加賀谷剛を組ませ、三ツ星重工が売却しようとしている造船所跡地を、巨大なネットスーパーとしてよみがえらせようとしていた。武藤のねばり強い説得のおかげで地元商店街の協力を得ることに成功し、すぐさま造船所跡地の購入に着手する。そして、土地の購入に手を挙げている地元の豊光水産社長・豊光幸男に会いに行くが、よそ者にあの土地を任せる気はないと、追い返されてしまう・・・。そんな中、大陽は三ツ星重工が、産業ロボットの動作遅延問題でピンチに陥っていることを知る・・・。
第7話
三星大陽は、洋菓子店「クレヨン・ドゥ・クルール」社長の永野凛子から出資を依頼される。凛子は、昨年フランスで開かれたスイーツコンクールの世界大会で日本人初の優勝を成し遂げた人物で、若い世代から圧倒的な支持を受けていた。大陽に出資を依頼したのは、コンクールの審査員からパリに2号店を出すことを勧められていたからだ。実は凛子は、老舗洋菓子店「ながの製菓」の次女で、3年前まで同社の商品開発部で働いていたが、新製品のアイデアを出してもはねのけるばかりの社長で姉の絵美とケンカになり、店を辞めていた。そして「ながの製菓」は、年々売り上げが落ち、今や四期連続の赤字状態だった。大陽が「ながの製菓」に出資しようとしていることを聞いていた凛子は「あんな会社に出資するのに自分の店への出資が嫌とは言わせない」と・・・。
第8話
三星大陽のもとに「三ツ星重工」の社長室長・高島瑞貴が轟彰という男を連れてきた。轟は、高島が「三ツ星銀行」で働いていたときの上司で、仕事や心構えを全て教えてもらった大恩人らしい。大陽を訪ねた目的は、轟の再就職先を探してしてもらうためだった。快く引き受ける大陽に、轟が出した条件は「三ツ星銀行」の営業部長だった自分の能力や経歴に相応しい会社、というもので・・・。その後「三ツ星重工」に戻った高島は、社長の大海、副社長の義知から呼び出される。高島が社長室に向かうと、元経産省エネルギー庁長官で、勇退後に「三ツ星エネルギー」の副社長に就任した篠田博康の姿があった。大海は、取締役兼社長室長に篠田が就任し「お前の席を明け渡してもらうことになる」と高島に告げる。
第9話
三星大陽は、あるイベント会場に小野田、音野、武藤、山口、加賀谷、そして「株式会社ワカラン」の3人を呼び出す。電気メーターの稼働から在宅状況を把握する「宅・システム」を虎魂のチームが改良し、どの家電をどのくらい使ったかまで把握できる「宅・システム・メーター」を完成させたという。大陽は、このシステムで要介護一歩手前のフレイルという状態の進行を発見できるのではないかと考え、音野が管理しているシニア向けマンションに設置して実証実験を行っていたのだ。そして、実用性が証明され、大きなビジネスチャンスとなる可能性が考えられた。大陽が虎魂たちを集めたのは、ここで行われるベンチャーサミットで、「宅・システム・メーター」のプレゼンをするためだった。するとそこに、大陽の叔父で「三ツ星重工」副社長の義知がやってくる。大陽は、義知から誘われてVIP席に座り、プレゼンを見ることになるが・・・。
第10話
三星大陽は、小野田、林田、奈緒とともに、隼人が新たなビジネスと位置付けたいドローンが映し出す映像を見ていた。そこに、大陽の専属秘書・Mから三ツ星重工で長年に渡り検査不正が行われていたという記事が出たと連絡が入る。同じころ、三ツ星重工では臨時役員会議が開かれていて、副社長の義知が社長である三星大海の責任問題を言及した。また、株主からも大海の責任を問う声が出ていたが、会議の後、社長室長の高島は、大海に慎重な対応を求めた。しかし大海は、これまで優秀な人材をルールに則って処分してきたと返す。高島は、一連の不祥事が義知による陰謀だと分かっていながら屈するのかと問いかけるが・・・。
第11話 最終回
三星大陽は、三ツ星重工社長の座を追われた兄・大海に「スタートアップしよう!」と持ちかける。これまで大陽が出会ってきた最高の仲間と言う名の資産の力を結集させて、国交省による次世代型インフラ長寿化技術の競争入札に応募し、三ツ星重工に勝とうというのだ。東京英明大学の三上珠緒や准教授の河野幸が、これまで研究してきた動物の血管の裂傷を見つけることが出来る技術を応用して、インフラ内部の劣化を判別するシステムを確立しようとしていた。この競争入札は、以前から三ツ星重工が入念な準備を進めてきた案件であり、新社長の叔父の義知と部下になった八神らの裏工作もあって、三ツ星重工の勝ちは最初から決まっているような状況だった。大海は「寄せ集めのチームで三ツ星に勝てるわけがないだろう。わざわざ負けにいく必要はない。今ここで引き返せ」と告げて去っていく。一方、大陽が義知に挑む形となったこの闘いは、三星家対決としてマスコミからも注目を集め始め・・・。
(フジテレビ「スタンドUPスタート」より)
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