第1話
公団住宅に車イスの母と二人暮らしの岸田サチは、食事の支度と母・邦子の介助を淡々とこなし、慌ただしくアルバイトに出掛けていく。祖母と田舎暮らしの樋口若葉は、祖母の富士子と共にちくわぶ工場で働いている。タクシー運転手の野田翔子は、勤務を終え一人暮らしのアパートに帰って、缶チューハイを飲む。他にすることもない。サチのバイト先はファミリーレストランで、その間、家で一人過ごす邦子の相手はラジオ。邦子は自分が参加するのは難しいのだが、人気番組「エレキコミックのラジオ君」主催のバスツアーに応募し、嫌がるサチを代理として送り込む。そのツアーには偶然、翔子と若葉も参加しており・・・。
第2話
サチ、翔子、若葉の3人が出会ったバスツアーから数週間。連絡先の交換を断り、つらいだけの日常に戻ったサチだったが、うまくいかないことがある度に、誰かに話したくなっている自分に気づく・・・。そんな中、エレキコミックのラジオ番組で、バスツアーの世話役兼リスナー代表の、市川みねのツアーレポートが読まれる。一緒に聴こうという母・邦子の誘いを断り、自室で気づかれぬようにイヤホンを着けるサチ。樋口家では、涙ぐみながら正座してラジオに向き合う若葉と、それを興味深そうに観察している祖母・富士子。翔子は、乗務中のカーラジオに聴き入る。ラジオから流れる自分たちの出会いに耳を傾けていると、それぞれの心には言葉にできない感情が押し寄せ・・・。
第3話
一度目のバスツアーで、サチ、翔子、若葉の3人で買った宝くじのうち、サチが持ち帰った宝くじが1等3千万円に当選した!山分けの約束をはたすために再度バスツアーに参加したサチは、翔子、若葉と感動の再会をする。何度も当選を確認しては、喜びを爆発させる翔子。若葉は、自分のことを思い出してくれたサチの気持ちが嬉しくて感動する。それぞれの気持ちに共感したりツッコみ合ったり、楽しく一夜を過ごした3人は、今度はちゃんと連絡先を交換し、3人揃って銀行に行く約束をして別れる。そしていよいよ、3人が当選金を手にする日がやってくるが・・・。
第4話
サチのバイト先に母・邦子と離婚した父・博嗣が金の無心に現れる。離婚後のこととはいえ、邦子が車イス生活を送ることになった際、全く援助してくれなかった博嗣に、サチは恨み以外の感情を持てないでいたが・・・。一方、同級生から高額の美容グッズを買ってしまうなど、面白くないことが続いた翔子は、憂さ晴らしに一番高いアイスを買おうと立ち寄ったコンビニで更なるトラブルに巻き込まれる。また、樋口家では若葉の母・まどかが突如現れ、富士子と壮絶な修羅場を繰り広げた挙句、若葉の通帳に手を伸ばし・・・。サチ、翔子、若葉の3人で幸せになるはずが、全然うまくいかない現実に直面し、直に会うことになる。カフェに行き、買い物をし、サチの家に泊まることにした3人は、これまでの人生を語り合い、友達として過ごす他愛もない時間を楽しむ。
第5話
「3人でカフェを開く」という共通の夢を得て、サチはファミレスでのバイト中も、メニューを気にして見るようになるなど、毎日を生き生きと送り始め、自分自身の変化が新鮮で楽しい。翔子は、タクシー運転手の利点を活かし、おしゃれなカフェ情報を収集したり、無味乾燥だった日々が、ウキウキとした気持ちになってゆく。一方若葉は、周囲にカフェの「カ」の字もない田舎で、相も変わらず家とちくわぶ工場との往復を繰り返し、取り残されたような気分になる。そんな中、翔子の兄・敬一郎が突然訪ねてくる。絶縁状態だった敬一郎との久々の会話に、不安と喜びが交錯する翔子・・・。サチは新たに気になる和風カフェを発見し、そこで偶然住田と再会し、なりゆきで2人は恋人のふりをすることに・・・!?
第6話
翔子は、タクシー運転手の利点を活かし、カフェにうってつけの賃貸物件を見つける。サチ、若葉、みねと共に現地視察に向かうが、その物件は一足違いで借り手が決まってしまい・・・。やり場のない絶望感を味わうサチたちだったが、何も期待せずに生きてきたこれまでと違い、ちゃんと悔しさを感じている自分たちの変化に気づく。4人はこの悔しい気持ちをバネに、改めて前に進むことを決意し、夢や憧れではなく、現実的で具体的なビジョンを模索し始める。そして、賢太にカフェのコンサルタント料200万円を支払う日がやってくる・・・。
第7話
店舗物件も見つかり、カフェの名前は「サンデイズ」に決定する。興奮と不安を抑えきれないサチ、翔子、若葉、みねの4人は、「警備活動」と称し、入れ替わり立ち替わり予定地を訪問する。邦子と富士子はそんな娘や孫の姿を愛おしく見守る。そんな中、サチは、宝くじを買った売り場へのお礼参りが済んでいないことを思い出す。3人は富士子の軽自動車を借り、翔子の運転で一路、バスツアーで立ち寄ったサービスエリアに行き、無事に猫田との再会をはたすが・・・。一方で、積み残していたそれぞれの難題やしがらみに向き合わなければならない時がくる。翔子は遺産相続問題で兄の敬一郎と対峙。サチはバイト先のトラブル処理で田所に協力を求められる。そして、若葉の知らないところで、母・まどかが動き始め・・・。
第8話
サチは、バイト先のファミレスの人員不足を一人でカバーし、連日大忙し。カフェの準備もままならず、肉体的にもくたくたになるが、かつて無理やりシフトに入っていた時には感じなかった不思議な使命感と充実感に目覚めていく。思考も冴え、元来の強さを取り戻し、自分がバイトで参加できないにもかかわらず、カフェ「サンデイズ」に関わるメンバーを岸田家に招集する。何事かと集まった翔子、若葉、みね、富士子、邦子に、事前に若葉に託したメッセージと、カフェ開店までのミッションを発表する。
第9話
「サンデイズ」のオープンまで、あと2週間あまり。4階にサチ、翔子、若葉、3階にみね、そして1階に邦子と富士子という組み合わせで、同じ団地に住み始め、朝からたくさんの会話と笑顔であふれていた。ある朝のこと、やっと輝き出したそれぞれの人生を守りたい、そんな思いを新たにする富士子のもとに一箱の荷物が届き・・・。一方、邦子は、団地の周りをうろつく別れた夫・博嗣の存在に気づき、サチに迫る危機を察知し、富士子に付き添いを頼み、博嗣が待つ公園へと出かけていく・・・。
第10話 最終回
「サンデイズ」のオープンが迫り、サチたちの胸には、さまざまな思いが去来する。三人は、コンビニの高級アイスを食べながら、今の自分に高いアイスを食べる資格があるのだろうかと考えてしまう。大金を手に入れ、仲間とカフェを始めるという夢は目の前にあるが、胃が痛くなるような不安や、納得のいかない現実も無くなりはしない。そんなサチの心の揺れに、翔子と若葉がそっと寄り添う・・・。みねと賢太は二人で飲みに行き、そこで賢太は意外な真実を打ち明ける。邦子と富士子は祈るような気持ちで一夜を過ごす。そしてオープン当日。サチたちが「サンデイズ」の扉を開けると・・・。
(朝日放送「日曜の夜ぐらいは・・・」より)
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