第1話
1986年、小川市郎は、愛の鞭と称した厳しい指導をするのが当たり前な昭和の体育教師で野球部の顧問。しかし、家では男手一つで17歳の一人娘・純子を育て、娘の非行に手を焼く普通の父親でもある。最近、市郎の帰宅時間をやけに気にする純子が男を家に連れ込みニャンニャンするのではないかと心配していた。ある日、市郎は、いつものようにタバコを吸いながらバスで帰宅中、ついウトウトしてしまう。目を覚ますと、パンツが見えそうなスカートを穿き、耳からうどんを垂らした女子高生がバスに乗り込んでくる姿が目に飛び込んできた。市郎は指摘するだが、乗客たちは車内でタバコを吸う市郎こそおかしいと口論になってしまう。逃げるようにバスを降りた市郎が次に目にしたのは、見たこともない異様な格好をする人々となんとなく変わっている景色だった。なんとか見つけた馴染みの喫茶店に飛び込み、動揺してカウンターにいた犬島渚(仲里依紗)のビールを勝手に飲み干し、口論になってしまうのだった・・・。一方、純子に一目惚れした向坂キヨシ(坂元愛登)から突然告白されていた。キヨシは、社会学者である母・サカエ(吉田羊)と共に令和から昭和にタイムスリップしてきた中学生。純子はムッチ先輩こと秋津睦実(磯村勇斗)に思いを寄せているにもかかわらず、キヨシを家に連れ込もうとするが・・・!?
第2話
再び令和にやってきた小川市郎が持っていたスマホに、昭和にいるサカエから着信が入ってきた・・・。市郎のタイムスリップ話を信じていなかった犬島渚と秋津だが、ビデオ通話でサカエが昭和にいるとわかり、驚きを隠せない。そして、市郎は純子とキヨシのチョメチョメを防ぐため、サカエに今すぐ自宅へ向かってくれと懇願するのだった。改めて市郎は、渚と秋津にこれまでの経緯を説明し、初めて会った時の渚の涙の理由が気になっていたと打ち明ける。そこで、渚はこれまでに起こった出来事を語り始める・・・。鬱屈とした毎日を過ごしている渚の前に更なる問題が・・・。
第3話
うっかり足を滑らせ昭和に戻ってきた市郎は、純子たちが待つ家に帰宅する。令和では、市郎が突然姿を消したため、渚と秋津がその行方を心配していた。市郎が消えて2日、喫茶「SCANDAL」では、渚と秋津がサカエの元夫でタイムマシン開発者の井上昌和から話を聞くことに・・・。井上からタイムマシン開発秘話などを聞いていると、渚のスマホに昭和にいる市郎から着信が・・・。そして井上は、過去を変えると未来が変わってしまうタイムパラドックスの危険性を語り始める・・・。そんな中、純子は、昭和のバラエティ番組に出演すると言い出す。未成年は保護者同伴ということで、市郎やサカエもスタジオへ同行することに。一方、令和の渚は、先輩プロデューサー・栗田一也の担当番組で起こった大スキャンダルに巻き込まれてしまい・・・!?
第4話
市郎と渚が、キスをしようとした瞬間、ビリビリッと弾け飛んだ。そのことで、2人の間に何かの障壁があることに気づく・・・。後日、喫茶「SCANDAL」では、井上がようやく恩師である市郎と再会していた。市郎は井上の協力を受け、キヨシのスマホを自分名義に変え、メッセージアプリをダウンロードしてはしゃぎ倒していた。しかし、これが更なる問題へと発展していく・・・。一方、昭和の小川家では、キヨシがクラスメイトのイノウエに告白されたと話し始め、衝撃を受けるサカエ・・・。すると純子が二股だと騒ぎ立て・・・。
第5話
市郎は、「父親に会ってほしい」という渚に連れられ、ホテルのラウンジで犬島ゆずると対面する。ゆずるは、なぜか市郎のことを「おとうさん」と呼び、市郎は、「おとうさんはそっちだ」とイラつく。そのやり取りを見ていた渚は、市郎にある写真を見せるのだった・・・。一方、昭和にいるサカエは、キヨシのクラスに不登校の生徒がいることを知る。キヨシも令和では不登校だったと知った純子は、「その子の話し相手になってあげれば」と提案する。SNSのない時代にどう連絡を取ったらいいものかとキヨシは頭を抱えるが、昭和ならではのある連絡手段を思いつき・・・!?
第6話
渚は、同期の羽村由貴を連れてEBSテレビでカウンセラーを続けている市郎のところにやってきた。羽村は、大物脚本家・エモケンこと江面賢太郎とドラマを作ることになったのだが、その打ち合わせでの出来事に悩んでいるという。市郎は、そんな羽村とともにエモケンとの打ち合わせに同席することになる・・・。一方、純子はなかなか家に帰ってこない父・市郎のことが気になっていた。そんな中、市郎と純子の運命を知った秋津が、嫌がる市郎をある場所へ連れていき・・・!?
第7話
渚に連れられ美容室に来た純子は、美容師のナオキと出会う。純子を送り届けた渚は、カフェで市郎と羽村とのリモート会議に参加し、台本の締め切りが迫るエモケンのドラマについて話し合う。そこへ、髪を切り終えた純子がやってきて、ナオキにデートに誘われたと話す・・・。純子はナオキとのデートで何やらいい雰囲気になり、令和で訪れた娘の恋にチョメチョメの危機を感じた市郎は・・・!?その頃、昭和ではムッチ先輩が消えた純子の行方を心配し、キヨシを問い詰め、そこでタイムマシンの話を知ったムッチ先輩は、サカエのもとへ乗り込んでいき・・・!?
第8話
令和へタイムスリップしたムッチ先輩は、息子の秋津と偶然出合ってしまった。そして、純子が入れ違いで昭和に帰ったことを知ったムッチ先輩は「未来に来た意味がない」と騒ぎだすが、井上からある話を聞くと突然パニックになり・・・!?その頃、市郎のもとには、倉持猛が相談に来る。倉持は、過去に起こした不倫スキャンダルによって閑職に追いやられていた入社7年目のアナウンサーだ。復帰の目処が立っていたが、リスクマネジメント部の部長に栗田が就任した事で白紙に戻されてしまったという。市郎は渚も交え、倉持の復帰を栗田とその部下・瓜生に直談判する。そしてようやく倉持はアナウンサーに復帰したが、世間の目はあまりにも厳しく・・・。
第9話
渚がインタビューを受けた社内報の記事を読んだ後輩の杉山ひろ美が「渚の発言は自分に対するアウティングかつマタハラだ」と市郎のところにに相談にやってくる。秋津も交え、市郎から話を聞いた渚は、「特定の誰かについて話したわけではない」とショックを受けるが、杉山の気持ちは治まらない・・・。そんな中、秋津が社内モニターとして登録しているマッチングアプリでマッチした証券会社勤務の矢野恭子と待ち合わせをするため、市郎と秋津は喫茶店「すきゃんだる」へ。するとそこには昭和にいるはずのサカエの「ちょっと綺麗になった」姿があり・・・!?
第10話 最終回
タイムマシンバスが運行できるのも残り1往復となり、昭和に戻る決心をした市郎は、令和での身辺整理を進めていた。最後のタイムスリップは、渚のために使おうと決めた市郎は、秋津、ゆずる、井上らに別れを告げ、渚と共にバスに乗り込み昭和へ向かう・・・。昭和に戻り、すっかり真面目な受験生となった純子に再会した市郎だったが、変わったのは純子だけではなく、令和に馴染んだ市郎の内面もアップデートしていた。昭和マインド全開の中学校の在り様に疑問を持ちつつ、市郎は、これから自分たちに起こる未来について思いをめぐらした・・・!?
(TBSテレビ、金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」より)
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