第1話
久米真和(福士蒼汰)33歳は、独身の売れない脚本家。一貫して、「一人でも多くの人が、生きる勇気が出るような脚本」を目指しているが、数年前に獲った新人賞を最後に、その後は鳴かず飛ばず。ある日、真和は高校時代の同級生、淵上多聞(本郷奏多)や郷雄馬(前田公輝)と、15年ぶりに再会する。多聞は一流企業のサラリーマン、雄馬は生活の安定した公務員職だが、三人共に独身で彼女無し。真和は「愛」、雄馬は「eye(見る目)」、多聞は「I(自分)」のないアラサーになっていた。まともな恋愛経験のない多聞はこの先のビジョンを持たず、「愛」のない真和に至っては、相手をマッチングアプリで見つけては、三回会ったら連絡を断つと決めて、出会いと別れを繰り返している。一方、脱サラしブックカフェを経営する今村絵里加(岡崎紗絵)は、31歳になる今日まで男性経験ゼロ。店のローンを抱え、恋愛も結婚も自分には縁のないものと諦めている。ところが、店にやってくる同年代の女性客、近藤奈美(深川麻衣)の積極的な婚活姿勢が絵里加を触発する。お試しのつもりでマッチングアプリに登録してみると、意外にも即、気の合う相手が見つかる。イケメンなプロフィール写真にほだされ、恐る恐る初デートに向かうと、そこには真和が・・・!
第2話
真和に、急遽、連続ドラマの脚本を代理で書くチャンスが巡ってくる。成功への足がかりを掴みたい真和は、合コンの一件で落ち着きをなくしている雄馬と多聞を横目に、全力で執筆に打ち込もうとする。しかし、「あんたに、人を幸せにする脚本なんか絶対書けないから!」という絵里加の言葉が頭から離れず、いくら意気込んでもまったく書けない・・・。一方、絵里加は、真和に言い過ぎたことを後悔しつつも、自分からコンタクトを取る気にはなれなかった・・・。奈美と栞は、そんな絵里加の様子を気にかけるが、二人にも憂うつな出来事が起こり・・・。その後も真和の執筆は一向に捗らず、事情を知った稲葉愛から「女の呪い」と揶揄される。そして締め切り前夜になっても1行も書けないまま、愛から強引な呼び出しを受けた真和は、半ば投げやりな気持ちで出かけていくが・・・。
第3話
愛が企てた実の息子誘拐計画に巻き込まれた真和は、高校卒業後の愛の人生と、自身の育児放棄が原因で息子に会わせてもらえないことを知る。愛は、罪の意識と後悔にさいなまれつつ、償い方がわからずに苦しんでいた。一方、雄馬は持ち前の妄信かつ猛進ぶりを発揮し、奈美を運命の人に認定する。見る目のなさを危ぶむ真和を尻目に、プロポーズしそうな勢いで初デートに出掛けていく・・・。同じ日、真和は、マッチングアプリで知り合った女性とは3回以上会わないという愛のない自分ルールを破り、絵里加との4回目のデートへ。多聞も栞から誘いを受けるが、自分をなくして他人に合わせる煩わしさから断ってしまう。そんな多聞も雄馬の強引さには敵わず、奈美に会わせたいという呼び出しに応じて渋々出かけることに。指定の場所は絵里加のブックカフェ。そこには、絵里加と会っていた真和だけでなく、奈美に呼び出された栞もいて、合コンで会うはずだった6人が対面するが・・・。
第4話
雄馬と奈美が結婚の意思を固めるが、真和と多聞は、「すぐ破局する」「反対される」と冷ややか。奈美から婚姻届の保証人を頼まれた絵里加と栞も、ネガティブな反応をしてしまう。愛の力を信じる雄馬は、真和や多聞の雑音を一蹴し、いつまでも正式に付き合おうとしない、優柔不断さを批判する。奈美もまた、絵里加と栞に「勢い」の大切さを熱弁し、ためらってばかりの絵里加たちは、逆にハッパをかけられてしまう。そんな中、真和の脚本は上々の評価を得る。しかし、急な修正を強いられることもあり、真和は絵里加とのデートより仕事を優先し、絵里加に、奈美のお説教を生かす機会はなかなかめぐってこない。一方、会社で栞に会った多聞は、なりゆきで何年も帰っていない実家の事情を打ち明ける展開になり・・・。そして、雄馬が奈美の両親に会う日がやってくる。
第5話
多聞は栞と付き合い始めたが、女性経験がなく、その必要性も感じず、栞が肉体関係を望んでいるのか、そしてその期待に応えられるのか、そもそも自分はどうしたいのかが分からず頭を悩ませる。一方、恋愛に肉体関係は必須と考える真和は、「付き合いたい」という絵里加ともその段階まで進むが、ちょっとした綻びから拒まれ、絶縁のピンチに・・・。そんな二組とは対照的に、結婚に突き進む雄馬と奈美は勢いをさらに加速し、奈美は両親のもとを離れ、郷家での同居を始める。そして、親しい人だけでの小規模な結婚パーティを開くことにする。真和、多聞、絵里加、栞の4人は幹事を頼まれ、それぞれに気まずさを抱えながら打ち合わせの席で顔を合わせることになり・・・。雄馬と奈美は愛を招待客の一人にリストアップし、真和が連絡を取ることになる。そんな中、真和のアパートに意外な人物が現れる・・・。
第6話
結婚パーティのドタキャンした雄馬と奈美、ケンカ別れをした多聞と栞、真和と絵里加も、それぞれ今後の身の振り方を模索し始める。多聞は、「I=自分」のない生き方からの脱却を決意し、人に気を使うことをやめ、自分の好きなように生きていくと真和たちに宣言する。栞は、振られた腹いせに恋愛しまくるモードになり、マッチングアプリでデート相手をゲットし、即行動を開始する。奈美は自力での結婚を諦め、母親が勧める相手とお見合いすることに。「eye=見る目」のなさを自覚した雄馬も、結婚相談所を頼って相手探しを始める。そして、絵里加は恋愛からの撤退を決断。真和はマッチングアプリの使用を再開し、新しい相手を探すことに・・・。そんな中、脚本の仕事で真和にピンチが訪れる。絵里加と別れ筆が鈍っている真和に、プロデューサーがAIの使用を提案するが、真和は反発し、自力で原稿を仕上げるのだが・・・。
第7話
ドラマの脚本を降りたことで、絵里加と愛から激しく罵倒された真和は、その影響で就職活動にも挫折し、書くことに戻ろうとする。初めて会った時に絵里加を感涙させた、未発表作を吟味して練りなおす真和だったが、そう簡単に筆が進むはずもなく・・・。雄馬は結婚相談所の紹介相手に結婚を前提とした交際を申し込まれ、奈美は、母・京子が勧めるお見合い相手との結婚に合意する。一人盛り上がる奈美の母・京子の段取りで、挙式の準備が進められていく。そんな中、栞が会社を辞める日がやってくる。送別会で多聞はひたすら酒を飲み続けると、酔った勢いで栞に初体験が済んだことを告白し、それを聞いた栞は・・・。一方、絵里加は、罵倒した真和から言い返された「自分の人生を心配しろ」の言葉に、むかつきながらも家族と向き合う覚悟を決め、引きこもりの兄・雅樹と対峙する・・・。
第8話
多聞と栞はようやく一夜を共にするが、父の介護のために実家に戻るという栞の意志は固く長野へと帰っていく・・・。一方、雄馬は、意識が戻らない祖母・元子の看病で、病院に通い詰めになり、心細さから、奈美に連絡を取りかけては思い留まる・・・。奈美は、そんな雄馬の状況を知る由もなく、実家を出て一人暮らしを始めるが、気づけば雄馬のことを思い出していて・・・。絵里加は、奈美とは逆に、計画していた一人暮らしを止め、実家に住みながら家族の問題と向き合うことを決意する。引きこもってきた兄・雅樹、それを放置してきた両親に正直な気持ちを打ち明け、そして真和への断ち切れない想いも認め、真和に会いにバイト先を訪ねていく。しかし、そこで思わぬ相手と遭遇してしまい・・・。
第9話 最終回
絵里加と愛は、それぞれ真和に告白し、どちらが選ばれても恨まない、そしてどちらかを選ぶまで真和を許さないという、不思議な協定を結ぶ。自分のいないところでそんな約束が交わされているとも知らず、真和はドラマの最終話の執筆に専念していた。しかし、頭には多聞と雄馬や両親のこと、そして返事を待たせている絵里加たちのことが浮かんでは消え・・・。その頃、栞を追いかけて長野にある栞の実家を訪ねていた多聞は、ある決意を伝える・・・。一方、雄馬と奈美は、お互いの気持ちを確認し合い、再び結婚に向けて始動するが・・・。果たして、アイのない男・真和はどんな答えを導き出すのか、そして7人の愛の行方は・・・?
(ABCテレビ「アイのない恋人たち」より)
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