「ペテロの葬列」
杉村三郎(小泉孝太郎)は、とある企業の広報室に勤める一介のサラリーマンである。
彼の妻・菜穂子(国仲涼子)の父親は、一大グループ企業・今多コンツェルンのトップに君臨する政財界の重鎮・今多嘉親(平幹二朗)だった。
つまり杉村は一大コンツェルンの婿養子。
しかし杉村には野心などというものはない。
彼は妻の菜穂子、そして娘の桃子(小林星蘭)との平穏な生活さえ守ることが出来れば、それで十分に満足なのだ。
杉村はグループ広報室で、社内報の副編集長を任されている。
上司である編集長の園田瑛子(室井滋)、同僚の手島雄一郎(ムロツヨシ)、椎名遥(岡本玲)をはじめとした社内報『あおぞら』編集部のメンバーや喫茶・睡蓮のマスター水田(本田博太郎)とは、これまでの様々な事件を通じてその絆を深めている仲だ。
また編集部には、「ホスト君」というアダ名のついたアルバイトの野本敦弘(犬飼貴丈)、そして本社からの出向社員、井手正男(千葉哲也)など新しいメンバーも増えていた。
そんな中、今回の「事件」は、ある企画の取材帰りに起こった。
杉村は園田、手島と共に、会社の元取締役である森信宏(柴俊夫)の取材に行ったのだが、その帰りに杉村たちが乗り合わせたバスがジャックされてしまう。
鳴り響く一発の銃声。
事件を起こしたのは一人の老人(長塚京三)だった。
人質となったのは、杉村、園田、手島の他に、金属加工会社を経営する田中雄一郎(峰竜太)、老婦人の迫田とよ子(島かおり)、大学中退の青年・坂本啓(細田善彦)、パティシエ志望のフリーター・前野メイ(清水富美加)、そして運転手である柴野和子(青山倫子)の8人。
老人は、携帯電話の回収からバスの行き先、人質の抵抗への対処まですべてを周到に準備し、杉村たちは逃げる隙を与えられない。
そして老人は「警察を呼んでください」と意外な指示を出した上で、人質全員に「後で賠償金をお支払いします」と謎の提案をする。
果たして彼の目的はいったい何なのか?
社内では、秘書の橋本真佐彦(高橋一生)、高野千夏(映美くらら)が奔走し、事件の謎は深まっていくばかり。
一方、菜穂子はその同時刻、エステティシャン・間野京子(長谷川京子)と居た。
彼女の抱える悩みは、後に杉村をも巻き込んだ問題、大事件へと発展していく。
物語は緊迫感の中、殺人や詐欺など二転三転する息をもつかさぬ展開へ。
そして、誰もが想像し得なかった衝撃のラストが待ち受ける!!
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