「ゴーストライター」
天才小説家の肩書に疲れ自らの才能の枯渇を誰にも打ち明けられずにおびえるリサと、あふれる才能がありながらもゴーストライターとして生きる由樹というふたりの女性の対決と友情、人としての成長を描いたヒューマンサスペンス!
会場では小説家の登竜門とも言える、ある新人賞授賞式の準備が進んでいた。
そろそろ選考委員の作家陣が到着する時間だ。
たぐいまれな才能と美貌とを兼ね備えた遠野リサ(中谷美紀)は選考委員の中でも授賞式の目玉となる存在。
その頃、出版社、駿峰社の一室では遠野リサの作品の映画化が決定されようとしていた。
中心で幹部たちに説明をしているのが、やり手編集マン、神崎雄司(田中哲司)。
過去にリサの小説が映像化された六作品は全て大ヒットを飛ばしており、文庫も全て百五十万部を売り上げ、誰からも見ても順風満帆そのもののリサだった。
が実は既に行き詰まりを感じていたのだった。
小説家を夢見て、東京にやってきた川原由樹(水川あさみ)。
田舎で待つ婚約者には1年限りという約束をして、最後の挑戦と意気込み東京へやってきた。
いくつもの新人賞に応募を続けたが、ついに結果を出すこともなく1年が経ってしまった。
故郷に戻り結婚することを心に決める…はずだったが、由樹はまだあきらめきれなかった。
申し込まず手元に残していた原稿を持って出版社を訪れる。
プロの編集者から「君には才能がない」そう言ってもらえればきっぱりあきらめがつく、そう考えたからだ。
由樹が向かったのは大手出版社、駿峰社。
由樹と受付係のやりとりを偶然耳にした新人編集マン、小田颯人(三浦翔平)は由樹に声をかける。
小田は原稿を読むこともせずに、由樹に仕事を紹介する。
「遠野リサのアシスタントを探しているんですが…」。
憧れの大作家のアシスタントの仕事。
由樹の心は揺れた。
田舎に帰って結婚するはずの由樹の人生が今、大きな転換点を迎えようとしていた。
そしてリサの作家人生も・・・。
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